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第二章
震える手
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ーあぁ…何となくだけど、レイナイト侯爵がにやけてる気がするー
「ミュー、君には本当に驚かされたよ!」
と、両手を上に上げ楽しそうに笑いながら第二王子がやって来た。
「ご満足頂けたのなら幸いです。」
おどけた風にちょこんとお辞儀をする。
「ミュー殿は、魔法だけではなかったんですね。」
と、ニッコリ笑顔のレイナイト侯爵。
「はい。亡くなった父から教えてもらったんです。」
と、こちらも負けずにっこり笑顔で答える。
すると、レイナイト侯爵は驚いたように一瞬目を見開き
「そう…だったんですね。」
と、少し嬉しそうに笑った。
モーリアとアレクシスは、魔導師長に拘束魔法を掛けられジョシュア様に朱殷宮殿へと連れられて行った。
今日の訓練はここまでにしてもらおうと思い、第一騎士団長に声を掛けようとした時、後ろからグイッと手を引かれた。
「えっ!?」
ビックリして、引かれた手の方を見上げると琢磨が居た。
「ミューさん!大丈夫ですか?どこも…怪我をしてませんか?」
「…え?」
ー何を言ってるの?見てたよね?私、圧勝だったよね?ー
「何を…」
『言っているのですか?』
と言い掛けて気付いた。私の手を掴んでいる琢磨の手が震えている。顔を軽く上げ琢磨の顔を見ると…眉間に皺を寄せ、何かに堪えるような泣くのを我慢しているような顔で私を見ていた。
ー何?何故そんな顔をするの?ー
明らかに、誰が見ても私に怪我なんてない事位判るはず。でも、琢磨には…判ってない?でも、琢磨の顔を見る限り、冗談で言っている訳ではない事が分かる位辛そうな顔をしている。私は、握られている琢磨の手にそっと逆の手を添えて
「タクマ様、心配して頂いてありがとうございます。私は…大丈夫です。掠り傷一つついてませんから。怪我をしたのは…モーリアだけですよ?」
「…です…よね。すみません。見ていて…大丈夫だって…分かってた筈なのに…。」
申し訳なさそうに謝って来るが、少しホッとしたように表情が緩んだ。
「いえ…。心配して下さって…嬉しいですよ?」
うん、琢磨、落ち着いて来たかな?と安心したところで
「…で?いつまで手を握り合ってるつもりだ?」
「「…えっ!?」」
第一騎士団長に突っ込まれ、握り合ってる手を見て、『今気付きました!』みたいに驚き、"バッ"と音が出る位の勢いでお互いが手を離した。
「すみません!!本当にすみません!他意は無いんです!心配してつい!!」
「いえ!お気になさらず!」
何だかよく分からない返答になってしまったのは気にしない!気にしないで欲しい!
何だかよく分からない汗が出てくる。
「えっと…今日の訓練はこれで終わりにしましょう。騎士団長様、これから時間はありますか?ありましたら、これからの訓練の予定の話をしたいのですが…」
と、改めて団長にお伺いをたてると…何だか生暖かい眼差しで私を見ていた…
ーやめて欲しい。違うからー
「では、これから私の執務室で予定を合わせよう。タクマ、お前はこのまま部屋に戻って休め。これは騎士団長からの命令だ。今後の訓練の予定は、決まり次第知らせる。分かったか?」
「分かりました。」
琢磨は団長を見ながら返答した後、私の方に向き直り
「ミューさん、今日はありがとうございました。また…これからも宜しくお願いします。それでは…失礼します。」
第二王子と魔導師長とレイナイト侯爵にも挨拶をし、琢磨はそのまま訓練場を後にした。
その琢磨の後ろ姿を見ながら、そっと先程握られた手を見る。
前世では手を繋いでいるだけで、幸せだった時があった。もう、あの温もりも忘れつつあるけど…痛みも…忘れられる日が来るのだろうか?
それから、第二王子と魔導師長はモーリアとアレクシスの事があるとの事で2人の居る朱殷宮殿にある地下牢へ、レイナイト侯爵は国王陛下に報告をする為に本宮殿へ、私と第一騎士団長は朱殷宮殿にある騎士団長の執務室へと行く事になった。
「今日の事は、すまなかった!」
第一騎士団長の執務室に入った瞬間、団長が90度に腰を折って謝罪してきた。
「え!?そんな…謝らないで下さい!私は気にしてないと言うか…大丈夫ですから!!逆に、初日にこうなったお陰で、これからやりやすくなると思うので、助かったなぁ位の気持ちです。」
両手を上に上げ、何でも無いように団長に言う。
「そう言ってもらえると…ありがたいが…。では、これで借り一つだ。もし何か困った事があって私に何かできる事があったら何でも言ってくれ。」
「ふふっ。分かりました。」
騎士団長に頼る事なんて、多分滅多に無いだろうけど…と思いながら了承し、今後の予定を話し合った。
そして、その話しの中で、琢磨と雪が一緒に訓練をする事が殆ど無いと言う事と、琢磨は天青離宮を出て、朱殷宮殿内にある騎士として与えられた自分の部屋で生活していると言う事を知った。
「タクマ様は、朱殷宮殿で生活してたんですね。知りませんでした。」
「タクマは、この世界に馴染もうと頑張っているんだ。自分の力で立ちたいと言っていた。ミュー殿には迷惑を掛けるかもしれないが…これからもタクマの事、宜しくお願いします。」
そう言う団長の顔は、まるで我が子を思う父親のような顔をしていた。
「ミュー、君には本当に驚かされたよ!」
と、両手を上に上げ楽しそうに笑いながら第二王子がやって来た。
「ご満足頂けたのなら幸いです。」
おどけた風にちょこんとお辞儀をする。
「ミュー殿は、魔法だけではなかったんですね。」
と、ニッコリ笑顔のレイナイト侯爵。
「はい。亡くなった父から教えてもらったんです。」
と、こちらも負けずにっこり笑顔で答える。
すると、レイナイト侯爵は驚いたように一瞬目を見開き
「そう…だったんですね。」
と、少し嬉しそうに笑った。
モーリアとアレクシスは、魔導師長に拘束魔法を掛けられジョシュア様に朱殷宮殿へと連れられて行った。
今日の訓練はここまでにしてもらおうと思い、第一騎士団長に声を掛けようとした時、後ろからグイッと手を引かれた。
「えっ!?」
ビックリして、引かれた手の方を見上げると琢磨が居た。
「ミューさん!大丈夫ですか?どこも…怪我をしてませんか?」
「…え?」
ー何を言ってるの?見てたよね?私、圧勝だったよね?ー
「何を…」
『言っているのですか?』
と言い掛けて気付いた。私の手を掴んでいる琢磨の手が震えている。顔を軽く上げ琢磨の顔を見ると…眉間に皺を寄せ、何かに堪えるような泣くのを我慢しているような顔で私を見ていた。
ー何?何故そんな顔をするの?ー
明らかに、誰が見ても私に怪我なんてない事位判るはず。でも、琢磨には…判ってない?でも、琢磨の顔を見る限り、冗談で言っている訳ではない事が分かる位辛そうな顔をしている。私は、握られている琢磨の手にそっと逆の手を添えて
「タクマ様、心配して頂いてありがとうございます。私は…大丈夫です。掠り傷一つついてませんから。怪我をしたのは…モーリアだけですよ?」
「…です…よね。すみません。見ていて…大丈夫だって…分かってた筈なのに…。」
申し訳なさそうに謝って来るが、少しホッとしたように表情が緩んだ。
「いえ…。心配して下さって…嬉しいですよ?」
うん、琢磨、落ち着いて来たかな?と安心したところで
「…で?いつまで手を握り合ってるつもりだ?」
「「…えっ!?」」
第一騎士団長に突っ込まれ、握り合ってる手を見て、『今気付きました!』みたいに驚き、"バッ"と音が出る位の勢いでお互いが手を離した。
「すみません!!本当にすみません!他意は無いんです!心配してつい!!」
「いえ!お気になさらず!」
何だかよく分からない返答になってしまったのは気にしない!気にしないで欲しい!
何だかよく分からない汗が出てくる。
「えっと…今日の訓練はこれで終わりにしましょう。騎士団長様、これから時間はありますか?ありましたら、これからの訓練の予定の話をしたいのですが…」
と、改めて団長にお伺いをたてると…何だか生暖かい眼差しで私を見ていた…
ーやめて欲しい。違うからー
「では、これから私の執務室で予定を合わせよう。タクマ、お前はこのまま部屋に戻って休め。これは騎士団長からの命令だ。今後の訓練の予定は、決まり次第知らせる。分かったか?」
「分かりました。」
琢磨は団長を見ながら返答した後、私の方に向き直り
「ミューさん、今日はありがとうございました。また…これからも宜しくお願いします。それでは…失礼します。」
第二王子と魔導師長とレイナイト侯爵にも挨拶をし、琢磨はそのまま訓練場を後にした。
その琢磨の後ろ姿を見ながら、そっと先程握られた手を見る。
前世では手を繋いでいるだけで、幸せだった時があった。もう、あの温もりも忘れつつあるけど…痛みも…忘れられる日が来るのだろうか?
それから、第二王子と魔導師長はモーリアとアレクシスの事があるとの事で2人の居る朱殷宮殿にある地下牢へ、レイナイト侯爵は国王陛下に報告をする為に本宮殿へ、私と第一騎士団長は朱殷宮殿にある騎士団長の執務室へと行く事になった。
「今日の事は、すまなかった!」
第一騎士団長の執務室に入った瞬間、団長が90度に腰を折って謝罪してきた。
「え!?そんな…謝らないで下さい!私は気にしてないと言うか…大丈夫ですから!!逆に、初日にこうなったお陰で、これからやりやすくなると思うので、助かったなぁ位の気持ちです。」
両手を上に上げ、何でも無いように団長に言う。
「そう言ってもらえると…ありがたいが…。では、これで借り一つだ。もし何か困った事があって私に何かできる事があったら何でも言ってくれ。」
「ふふっ。分かりました。」
騎士団長に頼る事なんて、多分滅多に無いだろうけど…と思いながら了承し、今後の予定を話し合った。
そして、その話しの中で、琢磨と雪が一緒に訓練をする事が殆ど無いと言う事と、琢磨は天青離宮を出て、朱殷宮殿内にある騎士として与えられた自分の部屋で生活していると言う事を知った。
「タクマ様は、朱殷宮殿で生活してたんですね。知りませんでした。」
「タクマは、この世界に馴染もうと頑張っているんだ。自分の力で立ちたいと言っていた。ミュー殿には迷惑を掛けるかもしれないが…これからもタクマの事、宜しくお願いします。」
そう言う団長の顔は、まるで我が子を思う父親のような顔をしていた。
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