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第四章ー王都ー
訓練
「午前中は、パルヴァン様指揮のもと、第一騎士団の訓練をしているそうで…。その訓練が終わってお昼をとってから、こちらに迎えに来るとの事です。」
昨日、念の為に神殿でもう一泊し、翌朝の今日、朝食を食べていると魔導師の女性─レイナさんが伝えに来てくれた。
「その訓練を…後で見に行く事はできますか?」
『後で、第一騎士団をキッチリ締め上げておく。』
『ルディは優しいな…。大丈夫だ。少し緩んだ空気を正すだけだからな。』
ーパルヴァン様があの時に言った言葉が…気になり過ぎるー
「えっと…はい。見学は可能かと…。ただ…心の準備だけはしておいて下さい。」
ー何だ!?心の準備って!?ー
無言でレイナさんを見つめてみると、レイナさんはただただ微笑んでいるだけだった。
どうやら、今日の第一騎士団の訓練には、レオン様は勿論の事、ティモスさんとルナさんとリディさんも参加しているらしい。
ルナさんとリディさんが、パルヴァンの女騎士だって言うのは知っていたけど…第一騎士団と一緒に訓練って、大丈夫なんだろうか?と言うか、2人に会うのは久し振りだよね?
「レフコース、後で、私の侍女兼護衛をしてくれてる、私のお姉さんみたいな2人を紹介するね。」
『分かった。楽しみだ。』
レフコースは、やっぱり嬉しそうに尻尾をフリフリしている。
「あ、でも、私が訓練場に見学に行く時は、レフコースはここでお留守番ね?」
と言うと、尻尾がピタリと止まる。
『何故だ?主。』
「えっと…フェンリルじゃなくて、犬?に見えるとしても、流石に王城内を連れて歩くと言うのは…駄目だと思うよ?だから、レフコースは…お留守番…」
『…分かった…』
返事は素直なのに、尻尾は微動だにしない。しかも、「耳は何処に行ったの?」と訊きたくなる位垂れ下がっている。
ーくぅっ…ウチの子が可愛い過ぎる!ー
よく、我が家の飼い犬自慢をする人が居たけど…今ならその人達の気持ちが解る。だからと言って、「仕方無い!やっぱり一緒に行こう!」なんて事は言えないけど…。
「レフコース、少しの間だけだから。必ず帰って来るから、ここでおとなしく待っててね?」
そう言いながら、ワシャワシャとレフコースを撫で倒した。
それから暫くすると、またレイナさんが迎えに来てくれて、騎士団の訓練場迄、案内をしてくれる事になった。
部屋を出る時にチラリと見たレフコースは…やっぱり耳が垂れ下がっていた。
召喚の間がある神殿を出て、今日は歩いて王城、騎士団の離宮に向かう。
騎士団の離宮に行くには、王城内の通路を通らないといけないらしい。
ー懐かしいなぁー
王城内にある訓練場に続く廊下は、途中迄は図書館に通っていた時によく歩いていた廊下だった。
ーあそこで…貴族の女の人に絡まれて…カルザイン様に助けてもらったんだよねー
あの時は…ろくにカルザイン様の事も見れなくて、助けてもらったのに、お礼も言ってなかったよね。私、どれだけ失礼な事してるんだろう?嫌われててもおかしくないよね…。
そう言えば…今回も助けてもらったけど…一度も会ってない…。えー…ルディとしても嫌われてるんだろうか…そうなら…ちょっと、いや、かなりショックかも…。
と、ちょっと気持ちが沈み掛けた時
「ルディさん、心の準備は大丈夫ですか?」
どうやら、私が悶々としている間に訓練場に到着していたようで、レイナさんに、改めて心の準備を尋ねられた。
「えっと…よく分からないんですけど…多分、大丈夫です。」
ー本当に、何の準備なんだろう?ー
「では…行きましょうか。」
レイナさんに促されて、訓練場の門を潜り抜けた。
「………………え……?」
訓練場で私が目にしたのは…
騎士様らしき人達が…訓練場に倒れまくっている様だった。
立っている人も居るけど、満身創痍な感じで、「やっとの思いで立ってます!」みたいな…。
「だっ大丈夫なんですか!?何かあったんですか!?あの、ポーションとか要りますか!?」
王城に仕える第一騎士団とは、エリート集団だとフジさんが言っていた。そのエリート集団がやられてるって、一大事じゃないの!?と、一人焦りまくっていると…
「大丈夫です。パルヴァン様が指揮を取った訓練では…これが通常状態なんです。」
「え゛?」
ー通常…状態って何だ!?ー
もう一度、自分を落ち着かせながら訓練場を見渡す。
うん、殆どの騎士様が倒れています。その中で、意気揚々と立ってる人が数名…って…
パルヴァン様とレオン様とティモスさん。それに、ルナさんとリディさんの5人と、10人程の第一騎士団の人達だった─。
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