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第七章ー隣国ー
新たな出会い
*エディオル視点*
「大丈夫か?」
「あぁ…助かった…」
王都から離れて行くにつれて、穢れがより目立つようになった。そのような街には、すでに人の姿も無く─。
ー無事に逃げれたり、他の街に移動していたのなら良いがー
と思いながら、その街を進んで行くとヘルハウンドと対峙している男が居た。その対峙している男の近くには、2人の男が倒れていた。その立っている1人の男も遠目でもフラフラ状態な事が判る程だった。リュウが何とか防御魔法を展開させ、ヘルハウンドの攻撃を防ぎ、その間に辺境地の騎士達と共に、そのヘルハウンドを仕留めた。
結局は、倒れていた2人は既に手遅れで、生き残っていた1人も、足に怪我を負っていた。
その男の手当てをしている間、リュウは穢れを少しずつ祓っている。
「何故、穢れの酷いこんな所に?」
と訊けば
「たまに、穢れが酷い場所だと言うのに、色んな事情を抱えて残ってしまっている者が居るんだ。だから、穢れが酷い場所に人は居ないか─居たら説得して移動させたりしていたんだ。国が何もしてくれないから…。それで、今迄は何とかうまくいっていたんだけど…ヘルハウンドに出くわしてしまって─。」
ギュッと手を握り締める。
どうやら、亡くなった2人とは幼い頃からの付き合いだったらしい。
「本当に…この国の王は…狂っているんだな。いや─この現状さえ知らないのか。」
王都から離れていると言う理由だけで、王都から騎士や魔導師も派遣されていないのだ。この辺境地で対処しなければ、穢れもどんどん増えて、王都でも被害が出て来るだろうに─。
ー本当に、ウォーランド王国は運が良かったなー
と思う。5年程前に召喚された3人ともが、歴代に無いほどのレベルの聖女様達だった。浄化の旅は完璧、且つ、過去に無い早さで終わった。しかも、2年経った今でも、未だに穢れが発生していないのだ。
ーそう言えば、弱い魔獣もあの聖女様達は浄化の力で祓い除けていたなー
同行していた騎士達が、“出番が無い”と愚痴っていたのを思い出す。
そして─そこには…薬師のハル殿が居た─。
元の世界に還ったと思っていた。それが、ハル殿は還れずにこの世界に居て─また俺の目の前に現れた。この世界に居るのなら─と、ハル殿に手を伸ばした。手を伸ばせば─もう離さない、離せないと思った。
囲って追い込んで…ようやくハル殿をこの手の中に入れられる─と思ったのに。この腕の中に…居たのに─。
『ハルは俺を…この世界で生きる事を…拒絶した。』
『ハルは…元の世界に還ったんだよ─。』
彼女は魔法使いだった。それに─“ハル”も本当の名前ではなかった。彼女に近付けたと思っていたが…彼女の本当の名前すら知らなかった─教えてもらえなかったのだ。それなのに、少しは俺に気持ちを寄せてくれている─なんて…
ー本当に…自分自身に呆れるなー
でももう…それも、どうでも良いか─。ハル殿は…もう居ないんだ。元の世界には魔法が存在しないと言っていた。と言うことは、こちら側が召喚しない限り、ハル殿がここに戻って来る事は無い─と言う事だ。
「あの魔法使いは、国の管理下に置かれている者…だったと思うが…あなたは…この国の者では無いよね?なのに、どうして…」
思考の波に囚われていると、手当てをしていた男が声を掛けて来て、ハッと意識を戻した。
「あぁ─俺は隣国ウォーランド王国の者だ。エディオルだ。今は訳あって、あの魔法使いと行動を共にしているんだ。」
「ウォーランドの…。あなたの国…王族が羨ましい。」
「……」
泣くのを我慢するように、顔を歪ませなが呟いた。
「私は…ジン─だ。本当に、助けてくれてありがとう。」
彼─ジン─の手当てが終わり、俺もこの辺の見回りに行こうかと立ち上がった時
「全員、退避しろ!急げ!退避だ─!!」
少し先の方で穢れを祓っていたリュウが叫んだ。
「何故─」
リュウの上空に目をやると、そこには─
「─ハーピー…」
嘘だろ─。ヘルハウンドでも仕留めるのに苦労したのだ。負傷した者も多く、負傷していなくてもかなり疲弊している。そこへ、今度はハーピー…。
穢れを放置し過ぎた結果が…コレなのか…。
ハーピーは、真っ先に弱った者を狙って来る─。チラリと目の前にいるジン殿を見る。
ージン殿はおそらく…ー
少し思案した後、俺は左耳に着けていたピアスを外した。
「ジン殿、このピアスを持っていてくれ。」
「ピアス?これは?」
「防御の魔法が掛けられているんだ。怪我をしているジン殿は狙われるだろうから─。」
このピアスは、きっとジン殿を護ってくれるだろう。
「ありがたいが─でも…」
「これは─貸しだと思ってくれ。無事に生き残れたら、ジン殿には…お願いする事ができると思うから─。」
俺がそう言うと、ジン殿は軽く目を見張り
「私にできる事ならね─。」
と、辛そうな笑顔を浮かべた。
そして、俺は剣を取り出し、そこに填め込まれている魔石にソッと触れる。淡い水色の魔石。
ー何とか…リュウとジン殿だけでも助かれば…良いかー
ハーピーを見上げながら剣を握り直して、そのままリュウの元へ走り出した。
「大丈夫か?」
「あぁ…助かった…」
王都から離れて行くにつれて、穢れがより目立つようになった。そのような街には、すでに人の姿も無く─。
ー無事に逃げれたり、他の街に移動していたのなら良いがー
と思いながら、その街を進んで行くとヘルハウンドと対峙している男が居た。その対峙している男の近くには、2人の男が倒れていた。その立っている1人の男も遠目でもフラフラ状態な事が判る程だった。リュウが何とか防御魔法を展開させ、ヘルハウンドの攻撃を防ぎ、その間に辺境地の騎士達と共に、そのヘルハウンドを仕留めた。
結局は、倒れていた2人は既に手遅れで、生き残っていた1人も、足に怪我を負っていた。
その男の手当てをしている間、リュウは穢れを少しずつ祓っている。
「何故、穢れの酷いこんな所に?」
と訊けば
「たまに、穢れが酷い場所だと言うのに、色んな事情を抱えて残ってしまっている者が居るんだ。だから、穢れが酷い場所に人は居ないか─居たら説得して移動させたりしていたんだ。国が何もしてくれないから…。それで、今迄は何とかうまくいっていたんだけど…ヘルハウンドに出くわしてしまって─。」
ギュッと手を握り締める。
どうやら、亡くなった2人とは幼い頃からの付き合いだったらしい。
「本当に…この国の王は…狂っているんだな。いや─この現状さえ知らないのか。」
王都から離れていると言う理由だけで、王都から騎士や魔導師も派遣されていないのだ。この辺境地で対処しなければ、穢れもどんどん増えて、王都でも被害が出て来るだろうに─。
ー本当に、ウォーランド王国は運が良かったなー
と思う。5年程前に召喚された3人ともが、歴代に無いほどのレベルの聖女様達だった。浄化の旅は完璧、且つ、過去に無い早さで終わった。しかも、2年経った今でも、未だに穢れが発生していないのだ。
ーそう言えば、弱い魔獣もあの聖女様達は浄化の力で祓い除けていたなー
同行していた騎士達が、“出番が無い”と愚痴っていたのを思い出す。
そして─そこには…薬師のハル殿が居た─。
元の世界に還ったと思っていた。それが、ハル殿は還れずにこの世界に居て─また俺の目の前に現れた。この世界に居るのなら─と、ハル殿に手を伸ばした。手を伸ばせば─もう離さない、離せないと思った。
囲って追い込んで…ようやくハル殿をこの手の中に入れられる─と思ったのに。この腕の中に…居たのに─。
『ハルは俺を…この世界で生きる事を…拒絶した。』
『ハルは…元の世界に還ったんだよ─。』
彼女は魔法使いだった。それに─“ハル”も本当の名前ではなかった。彼女に近付けたと思っていたが…彼女の本当の名前すら知らなかった─教えてもらえなかったのだ。それなのに、少しは俺に気持ちを寄せてくれている─なんて…
ー本当に…自分自身に呆れるなー
でももう…それも、どうでも良いか─。ハル殿は…もう居ないんだ。元の世界には魔法が存在しないと言っていた。と言うことは、こちら側が召喚しない限り、ハル殿がここに戻って来る事は無い─と言う事だ。
「あの魔法使いは、国の管理下に置かれている者…だったと思うが…あなたは…この国の者では無いよね?なのに、どうして…」
思考の波に囚われていると、手当てをしていた男が声を掛けて来て、ハッと意識を戻した。
「あぁ─俺は隣国ウォーランド王国の者だ。エディオルだ。今は訳あって、あの魔法使いと行動を共にしているんだ。」
「ウォーランドの…。あなたの国…王族が羨ましい。」
「……」
泣くのを我慢するように、顔を歪ませなが呟いた。
「私は…ジン─だ。本当に、助けてくれてありがとう。」
彼─ジン─の手当てが終わり、俺もこの辺の見回りに行こうかと立ち上がった時
「全員、退避しろ!急げ!退避だ─!!」
少し先の方で穢れを祓っていたリュウが叫んだ。
「何故─」
リュウの上空に目をやると、そこには─
「─ハーピー…」
嘘だろ─。ヘルハウンドでも仕留めるのに苦労したのだ。負傷した者も多く、負傷していなくてもかなり疲弊している。そこへ、今度はハーピー…。
穢れを放置し過ぎた結果が…コレなのか…。
ハーピーは、真っ先に弱った者を狙って来る─。チラリと目の前にいるジン殿を見る。
ージン殿はおそらく…ー
少し思案した後、俺は左耳に着けていたピアスを外した。
「ジン殿、このピアスを持っていてくれ。」
「ピアス?これは?」
「防御の魔法が掛けられているんだ。怪我をしているジン殿は狙われるだろうから─。」
このピアスは、きっとジン殿を護ってくれるだろう。
「ありがたいが─でも…」
「これは─貸しだと思ってくれ。無事に生き残れたら、ジン殿には…お願いする事ができると思うから─。」
俺がそう言うと、ジン殿は軽く目を見張り
「私にできる事ならね─。」
と、辛そうな笑顔を浮かべた。
そして、俺は剣を取り出し、そこに填め込まれている魔石にソッと触れる。淡い水色の魔石。
ー何とか…リュウとジン殿だけでも助かれば…良いかー
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