82 / 84
❋新しい未来へ❋
82 ゆっくり流れる時間
しおりを挟む
ハッキリとは言わないでけど、“籠もる”とは……
ーそう言う事…なんだよね?ー
「………」
どんだけ───と思わなくもないし、突っ込みたくなるのは……種族の違い故だろうか?
喩えフィルの竜心と共鳴してフィルの竜力を吸収したと言っても、フィルは黒龍で、私は……半人半竜?みたいなもので、その竜力の差はそれなりにあるだろう。それに、一番重要なのは………“黒龍は、黒龍の親からしか生まれない”事だろう。
「…………」
「イヴ……」
色々と考えていると、少し悲しそう?な顔をしたフィルに優しく抱きしめられた。
「本当に…イヴが嫌なら、学園卒業後、暫くトルトニアに帰っても良いから。」
「フィル……」
竜人の愛情は獣人よりも更に重い─と聞いた事がある。番ともなれば、閉じ込めてしまう程に。
でも、フィルはこうやって、いつも私を尊重してくれるのだ。それに……別に……籠もる事が嫌と言う事じゃなくて…………
「フィル………あのね?その…私がフィルの竜心を受け入れた時には…ちゃんと覚悟を決めて受け入れたし……フィルが好き…だから受け入れたの」
と言うと、「好き!!」と言って、パッと嬉しそうに笑顔になったフィルが、私の顔を間近で見つめている。
ーゔっ……その笑顔は反則だからね!?ー
「んんっ───だから…その…籠もるのが嫌とかじゃなくてね?ただ───」
「“ただ”?」
「は……恥ずかしいだけだから!!!」
と小さく叫んだ後、熱くなった顔を見られたくなくてフィルの胸に顔を埋めると「可愛い!!!」と言ってギュウギュウと抱きしめられた後、酸欠状態になるまで攻め立てられたのは………納得いかない!!
*竜王執務室*
「陛下…エヴェリーナ様は…大丈夫でしたか?」
「大丈夫だ。問題無い」
「そうですか…良かったですね。と言うか…こんな大事な事を伝え忘れていたとは……浮かれ過ぎですよ?」
少し呆れたように笑うニノン。
ーうん。実際……浮かれ過ぎて忘れていたのだー
竜人族では当たり前の蜜月の過ごし方が、人間族では有り得ないモノに入ると言う事を、知っていたのにも関わらず、後1ヶ月でイヴと一緒に過ごせる─と……完璧に浮かれていた。それは……許して欲しい。四度も噛み殺して四度も喪った番のイヴと、ようやく……本当の意味で番になるのだ。
これで浮かれない竜人なんて居ないだろう。
「それでは、卒業後は予定通りで良いですか?」
「あぁ、予定通りで頼む」
予定通り──
イヴの卒業後、1ヶ月は浮島の邸に籠もる事になる。その後も、イヴはその浮島で過ごす事にはなるが、閉じ込める事はしない。
ーいや、本当はしたいけどー
イヴは自分の意思をしっかり持っている1人の人間だ。そして、学園の卒業と同時に薬師の資格を得る。まだイヴ本人から話を聞いてはいないが、薬師として何か役立つ事をしたい─と話していたと言う事を、イロハから聞いている。それに、イヴがどれだけ頑張って勉強したのかも、間近で見て知っている。外へ出て働くと言う事は難しいが、王城付きの薬師としてなら問題無いかと思っている。
兎に角、これからイヴがどうしたいのか…これからゆっくり話をしていこう。
ゆっくり──
そう。過去四度とは違って、五度目の今世では、時間がたっぷりあるのだ。
*エヴェリーナ視点*
「王城付きの薬師?」
「うん。イヴは、卒業と同時に薬師の資格を得る事ができるだろう?外に出て働くと言うのは流石に無理だけど、王城付きの薬師なら、イヴも薬師として働く事が──」
「私、働いて良いの!?」
正直…ビックリだ。頑張って薬師の資格を得たとしても、秘匿扱いの番だとは言え、黒龍の番だから、公務以外は駄目なんだと思っていた。薬師として何か─と言う事を諦めていたけど……。
「勿論、公務が優先にはなるから、毎日と言う訳にもいかないけど、折角イヴが頑張って薬師の資格を得たんだ…俺は、それを尊重したいと思っている。ただ……俺との時間を作る事も、優先事項の一つにしてもらいたい」
「ゔ───っ…」
ー素直なフィルが可愛い!ー
それに、“最優先事項”と言わないフィルが…いじらしい!
「わ…分かった!と言うか……薬師として働ける事はとても嬉しい事だけど……私だって、フィルとの時間は一番大切にしたい事だから、お願いされなくても、フィルとの2人の時間を作る事は……私の中でも優先事項の一つです!」
「くっ────素直で可愛いのも問題アリだな…」
「は────んっ!!??」
結局のところ、何をしても攻め立てられるのだから、問題があるのはフィルの方ですよね!?
ーあれ?今の状態でコレなら……蜜月には一体どうなるんだろう?ー
「…………」
フィルの腕の中でグッタリしたまま考える。
否……考えてはいけないような気がする。うん、きっと考えてはいけない事だ──と、私は考える事を放棄した。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
❀.(*´▽`*)❀.
ーそう言う事…なんだよね?ー
「………」
どんだけ───と思わなくもないし、突っ込みたくなるのは……種族の違い故だろうか?
喩えフィルの竜心と共鳴してフィルの竜力を吸収したと言っても、フィルは黒龍で、私は……半人半竜?みたいなもので、その竜力の差はそれなりにあるだろう。それに、一番重要なのは………“黒龍は、黒龍の親からしか生まれない”事だろう。
「…………」
「イヴ……」
色々と考えていると、少し悲しそう?な顔をしたフィルに優しく抱きしめられた。
「本当に…イヴが嫌なら、学園卒業後、暫くトルトニアに帰っても良いから。」
「フィル……」
竜人の愛情は獣人よりも更に重い─と聞いた事がある。番ともなれば、閉じ込めてしまう程に。
でも、フィルはこうやって、いつも私を尊重してくれるのだ。それに……別に……籠もる事が嫌と言う事じゃなくて…………
「フィル………あのね?その…私がフィルの竜心を受け入れた時には…ちゃんと覚悟を決めて受け入れたし……フィルが好き…だから受け入れたの」
と言うと、「好き!!」と言って、パッと嬉しそうに笑顔になったフィルが、私の顔を間近で見つめている。
ーゔっ……その笑顔は反則だからね!?ー
「んんっ───だから…その…籠もるのが嫌とかじゃなくてね?ただ───」
「“ただ”?」
「は……恥ずかしいだけだから!!!」
と小さく叫んだ後、熱くなった顔を見られたくなくてフィルの胸に顔を埋めると「可愛い!!!」と言ってギュウギュウと抱きしめられた後、酸欠状態になるまで攻め立てられたのは………納得いかない!!
*竜王執務室*
「陛下…エヴェリーナ様は…大丈夫でしたか?」
「大丈夫だ。問題無い」
「そうですか…良かったですね。と言うか…こんな大事な事を伝え忘れていたとは……浮かれ過ぎですよ?」
少し呆れたように笑うニノン。
ーうん。実際……浮かれ過ぎて忘れていたのだー
竜人族では当たり前の蜜月の過ごし方が、人間族では有り得ないモノに入ると言う事を、知っていたのにも関わらず、後1ヶ月でイヴと一緒に過ごせる─と……完璧に浮かれていた。それは……許して欲しい。四度も噛み殺して四度も喪った番のイヴと、ようやく……本当の意味で番になるのだ。
これで浮かれない竜人なんて居ないだろう。
「それでは、卒業後は予定通りで良いですか?」
「あぁ、予定通りで頼む」
予定通り──
イヴの卒業後、1ヶ月は浮島の邸に籠もる事になる。その後も、イヴはその浮島で過ごす事にはなるが、閉じ込める事はしない。
ーいや、本当はしたいけどー
イヴは自分の意思をしっかり持っている1人の人間だ。そして、学園の卒業と同時に薬師の資格を得る。まだイヴ本人から話を聞いてはいないが、薬師として何か役立つ事をしたい─と話していたと言う事を、イロハから聞いている。それに、イヴがどれだけ頑張って勉強したのかも、間近で見て知っている。外へ出て働くと言う事は難しいが、王城付きの薬師としてなら問題無いかと思っている。
兎に角、これからイヴがどうしたいのか…これからゆっくり話をしていこう。
ゆっくり──
そう。過去四度とは違って、五度目の今世では、時間がたっぷりあるのだ。
*エヴェリーナ視点*
「王城付きの薬師?」
「うん。イヴは、卒業と同時に薬師の資格を得る事ができるだろう?外に出て働くと言うのは流石に無理だけど、王城付きの薬師なら、イヴも薬師として働く事が──」
「私、働いて良いの!?」
正直…ビックリだ。頑張って薬師の資格を得たとしても、秘匿扱いの番だとは言え、黒龍の番だから、公務以外は駄目なんだと思っていた。薬師として何か─と言う事を諦めていたけど……。
「勿論、公務が優先にはなるから、毎日と言う訳にもいかないけど、折角イヴが頑張って薬師の資格を得たんだ…俺は、それを尊重したいと思っている。ただ……俺との時間を作る事も、優先事項の一つにしてもらいたい」
「ゔ───っ…」
ー素直なフィルが可愛い!ー
それに、“最優先事項”と言わないフィルが…いじらしい!
「わ…分かった!と言うか……薬師として働ける事はとても嬉しい事だけど……私だって、フィルとの時間は一番大切にしたい事だから、お願いされなくても、フィルとの2人の時間を作る事は……私の中でも優先事項の一つです!」
「くっ────素直で可愛いのも問題アリだな…」
「は────んっ!!??」
結局のところ、何をしても攻め立てられるのだから、問題があるのはフィルの方ですよね!?
ーあれ?今の状態でコレなら……蜜月には一体どうなるんだろう?ー
「…………」
フィルの腕の中でグッタリしたまま考える。
否……考えてはいけないような気がする。うん、きっと考えてはいけない事だ──と、私は考える事を放棄した。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
❀.(*´▽`*)❀.
112
あなたにおすすめの小説
断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
古堂 素央
恋愛
【完結】
「なんでわたしを突き落とさないのよ」
学園の廊下で、見知らぬ女生徒に声をかけられた公爵令嬢ハナコ。
階段から転げ落ちたことをきっかけに、ハナコは自分が乙女ゲームの世界に生まれ変わったことを知る。しかもハナコは悪役令嬢のポジションで。
しかしなぜかヒロインそっちのけでぐいぐいハナコに迫ってくる攻略対象の王子。その上、王子は前世でハナコがこっぴどく振った瓶底眼鏡の山田そっくりで。
ギロチンエンドか瓶底眼鏡とゴールインするか。選択を迫られる中、他の攻略対象の好感度まで上がっていって!?
悪役令嬢? 断罪ざまぁ? いいえ、冴えない王子と結ばれるくらいなら、ノシつけてヒロインに押しつけます!
黒ヒロインの陰謀を交わしつつ、無事ハナコは王子の魔の手から逃げ切ることはできるのか!?
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
公爵令嬢の辿る道
ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。
家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。
それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。
これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。
※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。
追記
六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
四人の令嬢と公爵と
オゾン層
恋愛
「貴様らのような田舎娘は性根が腐っている」
ガルシア辺境伯の令嬢である4人の姉妹は、アミーレア国の王太子の婚約候補者として今の今まで王太子に尽くしていた。国王からも認められた有力な婚約候補者であったにも関わらず、無知なロズワート王太子にある日婚約解消を一方的に告げられ、挙げ句の果てに同じく婚約候補者であったクラシウス男爵の令嬢であるアレッサ嬢の企みによって冤罪をかけられ、隣国を治める『化物公爵』の婚約者として輿入という名目の国外追放を受けてしまう。
人間以外の種族で溢れた隣国ベルフェナールにいるとされる化物公爵ことラヴェルト公爵の兄弟はその恐ろしい容姿から他国からも黒い噂が絶えず、ガルシア姉妹は怯えながらも覚悟を決めてベルフェナール国へと足を踏み入れるが……
「おはよう。よく眠れたかな」
「お前すごく可愛いな!!」
「花がよく似合うね」
「どうか今日も共に過ごしてほしい」
彼らは見た目に反し、誠実で純愛な兄弟だった。
一方追放を告げられたアミーレア王国では、ガルシア辺境伯令嬢との婚約解消を聞きつけた国王がロズワート王太子に対して右ストレートをかましていた。
※初ジャンルの小説なので不自然な点が多いかもしれませんがご了承ください
【完結】婚約破棄された令嬢の毒はいかがでしょうか
まさかの
恋愛
皇太子の未来の王妃だったカナリアは突如として、父親の罪によって婚約破棄をされてしまった。
己の命が助かる方法は、友好国の悪評のある第二王子と婚約すること。
カナリアはその提案をのんだが、最初の夜会で毒を盛られてしまった。
誰も味方がいない状況で心がすり減っていくが、婚約者のシリウスだけは他の者たちとは違った。
ある時、シリウスの悪評の原因に気付いたカナリアの手でシリウスは穏やかな性格を取り戻したのだった。
シリウスはカナリアへ愛を囁き、カナリアもまた少しずつ彼の愛を受け入れていく。
そんな時に、義姉のヒルダがカナリアへ多くの嫌がらせを行い、女の戦いが始まる。
嫁いできただけの女と甘く見ている者たちに分からせよう。
カナリア・ノートメアシュトラーセがどんな女かを──。
小説家になろう、エブリスタ、アルファポリス、カクヨムで投稿しています。
悪役令息(冤罪)が婿に来た
花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー
結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!?
王女が婚約破棄した相手は公爵令息?
王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした?
あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。
その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。
彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。
そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。
彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。
その数日後王家から正式な手紙がくる。
ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」
イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。
「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」
心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ!
※ざまぁ要素はあると思います。
※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。
恋の締め切りには注意しましょう
石里 唯
恋愛
侯爵令嬢シルヴィアは、ウィンデリア国で2番目に強い魔力の持ち主。
幼馴染の公爵家嫡男セドリックを幼いころから慕っている。成長につれ彼女の魔力が強くなった結果、困った副作用が生じ、魔法学園に入学することになる。
最短で学園を卒業し、再びセドリックと会えるようになったものの、二人の仲に進展は見られない。
そうこうしているうちに、幼い頃にシルヴィアが魔力で命を救った王太子リチャードから、
「あと半年でセドリックを落とせなかったら、自分の婚約者になってもらう」と告げられる。
その後、王太子の暗殺計画が予知されセドリックもシルヴィアも忙殺される中、シルヴィアは半年で想いを成就させられるのか…。
「小説家になろう」サイトで完結済みです。なろうサイトでは番外編・後日談をシリーズとして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる