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第三章ー学園生活ー
スペイシー邸②
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夕食は、懐かしい味を含んでいた。
ありふれた食事の中に、スペイシー家特有の物があった。父が甘い物が好きで、当時の料理長が甘目の料理をいくつか考案した物。きっと、引き継がれているんだろう。気が緩むと涙が出そうになるけど─
「ナディア、これ、食べた事ある?美味しいぞ?」
「………」
何て言いながら、モンテルアーノ様が私の目の前に、一口サイズにカットされた物を掲げて、ニッコリ笑って来るのだ。
ーコレをどうしろと?ー
「モンテルアーノ様、“あーん”なんてしませんよ?アデル様、そんな期待の籠った瞳で見ないで下さい。ダレルさん、口元がニヤニヤしてるの、我慢できてませんよ?」
こんな調子で、涙なんてスッ─と引き返して行くのだ。有り難いやら恥ずかしいやら疲れるやら……。
「本当に、ナディアはなかなか流れてくれないな。」
「流れませんよ?」
「そこがまた、可愛いところだけどね。」
「はい!?」
「えっと…食事は終わったから、私は先に出るから、後は2人で仲良くしてくれるかな?」
「あ、ダレル様、私も一緒に行きますわ。」
ニコニコ微笑むアデル様とダレルさんに、うんうんと頷いている使用人達。
「私も行きますよ!」
「それは残念だ。」
私も慌ててアデル様達の後を追いかけた。
移動先はサロン。そこで、明日の予定を聞かされた。
今日は不在だったアデル様の兄─現スペイシー侯爵が、明日私達に挨拶をしたいからと、朝食を一緒に取る事になった。そして、午前中の間に、色んな魔具を見せてくれるそうだ。
昼食をとった後、いい時間になれば帰る─と言う流れになった。
「そんな感じになりますけど、何か不明な点はなかったですか?」
アデル様が私達に確認するように訊くと
「アデル様……もし可能であれば……100年前に被害に遭った……令嬢のお墓に、花を手向けさせてもらえませんか?」
「アドリーヌ様の…ですか?」
「はい。今回の事で、何かと縁ができてしまいましたから、どうしても気になってしまって……」
「勿論、構いませんよ。明日、ご案内しますね。」
そして、魔具を見せてもらった後、アドリーヌのお墓に行く事になった。
ナディアがアドリーヌのお墓に行く事になるとは───
今日は眠れるかな?なんて、心配したりもしたけど、モンテルアーノ様に色々と精神的な攻撃を受けたせいか、それとも、就寝前にモンテルアーノ様が淹れてくれたハーブティーを飲んだお陰か、ベッドに入って目を閉じれば────直ぐに眠りへと落ちた。
今世の私は、少し逞しくなれたようです。
******
『****は、僕が騎士になって、守ってあげる。』
『ありがとう、*****』
『僕は、****の為だけの騎士だから。』
何だか、懐かしい夢をみた気がするけど、何を見たのかは覚えていなかった。
ここはスペイシー邸。アドリーヌの頃の夢でもみたのかもしれない。それは、嫌なものではなく、温かいものだったような気がした。
朝食に現れたスペイシー侯爵は、貴族名鑑に載っていた絵姿よりも綺麗な顔立ちをしていた。スペイシー家特有の、ピンクゴールドの髪に碧色の瞳だ。
アドリーヌが死んだ後、遠縁から養子を迎え入れたと言っていたけど、この色が途絶える事がなかったと言う事は、その子もまた、この色を持っていたのかもしれない。
もともと、モンテルアーノ様とダレルさんは面識がある為、朝食をとっている間は楽しそうに話をしていた。スペイシー侯爵も、アデル様のように気さくな人だった。
今日も仕事で登城する為、朝食後「私はこれで失礼しますが、何かあった時はいつでもアデルや私に言って下さい。最優先で動きますから。」と言って、そのまますぐに食堂から出て行った。
朝食後はそれぞれの部屋で少し休んでから、アデル様のお迎えで、色んな魔具を見せてもらう為に別邸へとやって来た。魔具の研究などは、この別邸の地下室でされているそうだ。
その地下室には、アデル様の他に3人の魔道士が居た。この3人の魔道士は、このスペイシー家と契約を結んで、ここで魔具の研究や開発をしているそうだ。
「何か気になる物があれば訊いて下さい。では、ゆっくりと見て下さいね。」
ズラリと並んだ魔具。魔具には見えず、ただの装飾品のような物まであり、一体どんな魔具なの?と言う物が多く、その度に質問をするけど、アデル様や魔道士達は嫌な顔をする事はなく、一つ一つ丁寧に説明してくれた。
本当に、100年前には考えもしなかった物がたくさんあった。こんな小さな石に大きな魔力を込めるのは、本当に大変だっただろうと思う。その辺りの技術?能力?は、このスペイシー家に於いて極秘扱いなのだそうだ。兎に角、ここに居る魔道士3人が、とても楽しそうな顔をして語っているのを見ると、3人とも“魔道士馬鹿”である事に違いないだろう。
「これは………」
そうして、私はある魔具に目が留まった。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
:.* ♡(°´˘`°)/ ♡ *.:
ありふれた食事の中に、スペイシー家特有の物があった。父が甘い物が好きで、当時の料理長が甘目の料理をいくつか考案した物。きっと、引き継がれているんだろう。気が緩むと涙が出そうになるけど─
「ナディア、これ、食べた事ある?美味しいぞ?」
「………」
何て言いながら、モンテルアーノ様が私の目の前に、一口サイズにカットされた物を掲げて、ニッコリ笑って来るのだ。
ーコレをどうしろと?ー
「モンテルアーノ様、“あーん”なんてしませんよ?アデル様、そんな期待の籠った瞳で見ないで下さい。ダレルさん、口元がニヤニヤしてるの、我慢できてませんよ?」
こんな調子で、涙なんてスッ─と引き返して行くのだ。有り難いやら恥ずかしいやら疲れるやら……。
「本当に、ナディアはなかなか流れてくれないな。」
「流れませんよ?」
「そこがまた、可愛いところだけどね。」
「はい!?」
「えっと…食事は終わったから、私は先に出るから、後は2人で仲良くしてくれるかな?」
「あ、ダレル様、私も一緒に行きますわ。」
ニコニコ微笑むアデル様とダレルさんに、うんうんと頷いている使用人達。
「私も行きますよ!」
「それは残念だ。」
私も慌ててアデル様達の後を追いかけた。
移動先はサロン。そこで、明日の予定を聞かされた。
今日は不在だったアデル様の兄─現スペイシー侯爵が、明日私達に挨拶をしたいからと、朝食を一緒に取る事になった。そして、午前中の間に、色んな魔具を見せてくれるそうだ。
昼食をとった後、いい時間になれば帰る─と言う流れになった。
「そんな感じになりますけど、何か不明な点はなかったですか?」
アデル様が私達に確認するように訊くと
「アデル様……もし可能であれば……100年前に被害に遭った……令嬢のお墓に、花を手向けさせてもらえませんか?」
「アドリーヌ様の…ですか?」
「はい。今回の事で、何かと縁ができてしまいましたから、どうしても気になってしまって……」
「勿論、構いませんよ。明日、ご案内しますね。」
そして、魔具を見せてもらった後、アドリーヌのお墓に行く事になった。
ナディアがアドリーヌのお墓に行く事になるとは───
今日は眠れるかな?なんて、心配したりもしたけど、モンテルアーノ様に色々と精神的な攻撃を受けたせいか、それとも、就寝前にモンテルアーノ様が淹れてくれたハーブティーを飲んだお陰か、ベッドに入って目を閉じれば────直ぐに眠りへと落ちた。
今世の私は、少し逞しくなれたようです。
******
『****は、僕が騎士になって、守ってあげる。』
『ありがとう、*****』
『僕は、****の為だけの騎士だから。』
何だか、懐かしい夢をみた気がするけど、何を見たのかは覚えていなかった。
ここはスペイシー邸。アドリーヌの頃の夢でもみたのかもしれない。それは、嫌なものではなく、温かいものだったような気がした。
朝食に現れたスペイシー侯爵は、貴族名鑑に載っていた絵姿よりも綺麗な顔立ちをしていた。スペイシー家特有の、ピンクゴールドの髪に碧色の瞳だ。
アドリーヌが死んだ後、遠縁から養子を迎え入れたと言っていたけど、この色が途絶える事がなかったと言う事は、その子もまた、この色を持っていたのかもしれない。
もともと、モンテルアーノ様とダレルさんは面識がある為、朝食をとっている間は楽しそうに話をしていた。スペイシー侯爵も、アデル様のように気さくな人だった。
今日も仕事で登城する為、朝食後「私はこれで失礼しますが、何かあった時はいつでもアデルや私に言って下さい。最優先で動きますから。」と言って、そのまますぐに食堂から出て行った。
朝食後はそれぞれの部屋で少し休んでから、アデル様のお迎えで、色んな魔具を見せてもらう為に別邸へとやって来た。魔具の研究などは、この別邸の地下室でされているそうだ。
その地下室には、アデル様の他に3人の魔道士が居た。この3人の魔道士は、このスペイシー家と契約を結んで、ここで魔具の研究や開発をしているそうだ。
「何か気になる物があれば訊いて下さい。では、ゆっくりと見て下さいね。」
ズラリと並んだ魔具。魔具には見えず、ただの装飾品のような物まであり、一体どんな魔具なの?と言う物が多く、その度に質問をするけど、アデル様や魔道士達は嫌な顔をする事はなく、一つ一つ丁寧に説明してくれた。
本当に、100年前には考えもしなかった物がたくさんあった。こんな小さな石に大きな魔力を込めるのは、本当に大変だっただろうと思う。その辺りの技術?能力?は、このスペイシー家に於いて極秘扱いなのだそうだ。兎に角、ここに居る魔道士3人が、とても楽しそうな顔をして語っているのを見ると、3人とも“魔道士馬鹿”である事に違いないだろう。
「これは………」
そうして、私はある魔具に目が留まった。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
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