元猫、魔法学園で屋上サロン作ってます!ローズフェスタと恋の行方は?

チャイ

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7話 ローズフェスタ狂騒曲!生徒会VS風紀委員、開戦!?

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その日の放課後、ミアの教室に生徒会からの使者が姿を見せた。

「ミア・ハートウェル様はいらっしゃいますか?」
「は、はい」

突然の指名に、ミアは思わず背筋を伸ばした。教室中が、ざわめき始める。生徒会長直々のお呼び出しなんて、よほどのことがない限りありえない。

「私、何か悪いことしましたでしょうか?」
「いえ、お話したいことがあるとのことです。ご安心ください」
生徒会役員の後をついて歩くミアは、市場へ連れていかれる家畜のように、顔が真っ青だ。

「失礼いたします、ミア様をお連れしました」
「あ、来てくださったのですね!」

ミアは息を呑んだ。
(昔、アレクシスの家で見た、可愛い女の子!やはりあの子も学園に……)
そこにいたのは、あの上品な少女セレスティアだった。子猫だったミアは、二人が並んで本を読んでいたのを覚えていた。

「初めてお会いいたします。男爵家ハートウェルの娘、ミアと申します」
「こちらこそ。公爵家ヴァンドーム、セレスティアですわ」

セレスティアは優雅に微笑むと、次の瞬間、ケーキを目の前にした子供のように目を輝かせた。
かたわらに控えていたルイスは嫌な予感に震えた。

「ああ、なんて素敵!その髪の色、その瞳、その仕草!すべてが、私の理想そのものですわ!」
「はっ?」

(ついに、出会えた!私の物語を彩る、運命のヒロインちゃん!)
完璧お嬢様だが、裏の顔は恋愛小説マニアの生徒会長。

書いていた小説の主人公が見つからず、スランプに陥っていた彼女は、ミアを見て思わず胸を高鳴らせてしまった。
しかし慣れた様子でオタクの顔をしまい込み、生徒会長の顔に戻る。

「おほほ、いえ、なんでもありませんわ。実は、あなたにどうしてもお願いしたいことがあるのです」
ルイスがホッと胸をなでおろす。

「私に?」
「今年のローズフェスタの企画委員をお願いしたいのです。入学早々、面白いことをやっている新入生がいる、と噂はかねがね耳にしていましたわ」
(え?一体なぜ?おとなしくしていたつもりだったのに……)

しかし、学園祭と聞いて、ミアの瞳はキラリと輝きを放った。

故郷の村の祭りを思い出す。
春の花冠祭、夏の星降り祭、秋の黄金祭。
田舎の楽しみと言えば祭りは一大イベント。


中でも12月の銀星祭りで、村で一番高い木のてっぺんに星を取り付けるのは、元おてんば猫の彼女の仕事。
梯子なんて使わずに、ひょいひょいと登っていくのだ。

「私に任せてください!大船に乗ったつもりで」
とミアは胸をドンッと叩きたくなったが、ぐっとこらえもう少し話を聞いてみる。

「ローズフェスタは、薔薇の季節6月に開催されるの。学園の優雅さや、自由、気品を表現する祭りで、今年は創立記念で例年より大規模に行われるわ。何か『これだ!』って思える目玉企画を探しているところなのです」

側近のルイスが手元の資料を見ながら説明し始めた。
「学園祭では、孤児院への寄付金を集めてます。正直、ミア様の手芸部の売り上げは毎年芳しくありませんが」

先輩たち、芸術度は高いんだけどね……とミアは、蛇やクラゲのクッション、ド派手な薔薇だらけの帽子を思い浮かべた。

そして、ルイスが指さした先には、フルーツジュース、クレープ屋台に薔薇のブーケ販売など楽しそうな屋台が並んでいた。

「集めた寄付で孤児院に本を贈っているんです。文字の読めない子を減らすことは、我が校のなすべきことですから」

「もしかして、隣町の孤児院にあったあの本も!」

ミアが村にいた頃、慰問に行くと、必ず聖アルカディア学園の刻印が押された本が寄贈されていた。文字を覚える絵本もあれば、高学年向けの冒険小説もあった。

「今年はね、聖薬師協会から横槍が入りそうなのよ」
セレスティアの表情が曇った。

「ええ、まあ、色々とね。学園の自由と革新の理念を守るのって、意外と大変みたい……」
その瞳の奥には、強い意志が宿っていた。

「あの……もし、よろしければ、屋上で癒しのサロンを開くのは、いかがでしょうか?」
「癒しのサロン?」
「はい!私が勝手に作った、屋上のお昼寝サロンです」

「素晴らしいアイデアですわ!ぜひ、詳しく聞かせてください!」
セレスティアの目が輝きを増した。

「まるで、隣国にあるという猫サロンのようではありませんか!」
「ただ、動物たちの手配が大変そうで」

「それでしたら、風紀委員長のアレクシス様にご相談してみてはいかがでしょう?彼は学園一の博識ですから、きっといい知恵を出してくれますわ。それに、最近、研究棟にこもりすぎているの。少しは学内に出てきていただかないと!」
「ええ、その方がアレクシス様のためにもなりますよね」

ミアの心臓が跳ね上がった。アレクシスと一緒に企画を進められるなんて!

(素敵な庭園にして、彼にもサロンで癒されて欲しい!そして、あの時のように、また、二人で話せたらいいな)

胸の奥から湧き上がる期待と、少しの不安。
これは、彼ともう一度、心を通わせるための、大切なチャンスだ。
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