脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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ごくらく

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火山熱が漂う溶岩フロアに降り立つと、リディアは荷物の整理を始めた。
メリーちゃんのふわもこ毛からさっそくタイル張りの浴槽と星型の小さな浴槽を取り出し、設置位置を決めては「あっちにしようかな? いや、やっぱりこっち?」と楽しそうに迷っている。

最終的に、溶岩の流れがほどよく見える場所を選んで浴槽を据え、軽く土台を整えながら笑顔を浮かべた。

「よし、これでOKっと! 今度は可愛い棚を……あ、あったあった!」
さらに綿菓子毛から取り出したのは、ほんのりピンク色の可愛らしい木製の棚。
棚の上段には石鹸やシャンプーの瓶が、下段にはタオルや着替えの入ったカゴが収められ、リディアがあらかじめ準備していたものを整理し始める。

「ふふ、着替えもしっかり置いて……あ、アヒルさんもこっちに出しておこう!」
棚の一角には、お風呂には欠かせない黄色いあひるさんの姿が。
やわらかな表情で可愛いオーラを放つそのおもちゃを見て、リディアはさらにテンションが上がる。メリーちゃんはふわふわ毛を揺らしながら「メェ!」と声をあげて、アヒルを覗き込んでいる。

次にリディアは、新たに手に入れた魔法の水差しを手に取り、丁寧に湯船へと水を注いでいく。
魔法の水差しが生み出す透明な水が、タイル張りの浴槽と星型の浴槽それぞれにたっぷり溜まると、溶岩の熱気でたちまち温まり始めるのがわかる。

「わーい、あっという間にお湯になった! さすが溶岩フロアの熱はすごいね。これでいつでもお風呂に入れるんだ!」
リディアは目を輝かせながら、浴槽に手を触れて温度を確かめる。ちょうどいい湯加減だ。かすかな湯気が立ち昇り、独特な火山のパワーを感じる。

「それじゃあ、早速……お先にいただきまーす!」
リディアは仕切り用に用意しておいたカーテン代わりの布をちらりと引いて、服を脱いでカゴに入れ、ほかほかのお湯にゆっくり身を沈める。

「ああ、しあわせ……」
湯船に浸かった瞬間、ぽかぽかの熱が全身を包み込み、疲れやコリがすーっと溶けていくような感覚に襲われる。マグマの力を借りた絶妙な温度がリディアの体をほどよくほぐし、肩の力が抜けていく。

「アヒルさんも投入~!」
小さな黄色のあひるさんを湯舟に浮かべると、ちょこんと揺れながら湯面をぷかぷか漂っている。その姿が可愛くて、リディアはくすくす笑いながら楽しんでいた。

メリーちゃんは近くの棚に座りこみ、リディアが気持ちよさそうに湯船につかっているのを見守っている。時おり「メェ?」と声をかけるように鳴いては、リディアが「んー、最高!」と返事をする。

もう一つの星型の浴槽にはまだ水が入ったままだが、リディアは「あっちもそのうち試してみようかな」と楽しげに思案している。まるでリゾート気分で、秘密基地の溶岩フロアが一瞬で癒しの空間に変わっていた。

火照った頰に溶岩フロアの熱気が心地よく混ざり合い、リディアは湯船に深くもたれかかる。
「やっぱり水差しのアイデアは大正解だったね、メリーちゃん。これで秘密基地生活がもっと充実しちゃうよ~」
メリーちゃんはふわふわ毛を揺らしながら、まるで同意するかのように「メェ!」と嬉しそうに鳴いた。

こうしてリディアは溶岩フロアの天然加熱によるお風呂を大満喫。タフィーちゃんやメリーちゃんとともに、また一段と快適になった秘密基地での日常を楽しむのだった。
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