創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

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第二章 旅立ち編

第56話 イーグリア王都

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 イーグリア王都。

 巨大な城壁に囲まれた中世ヨーロッパを彷彿とさせる西洋風の街並みが特徴的な

 「英雄の国」

 その歴史は二十数年と浅い。しかし、歴史が浅いと思わせない賑わいを見せている。建物は新しく劣化も少ない。とても清潔感のある街並み。


 イーグリア王都は五つの地区に分けられている。

 巨大な王城を中心に貴族達が住む『貴族区』その外側に一般市民達が住む『居住区』中央付近に行く程、身分の高い人達が住んでいる。
 また、イーグリアは教育にも力を入れていて、『貴族区』『居住区』にそれぞれ学校もある。

 北西側に『神聖区』
 巨大な大聖堂があり、女神教関係者等が多く住んでいる。


 北東側と南東側に『商業区』
 他国に多く囲まれ、流通の盛んなイーグリアは北東側をバーディランド帝国、トリスタニア王国との流通の場とし、南東側を獣人国、ドワーフ国との流通の場としている。

 その為、北東側には人族が多く、南東側にはドワーフ族や獣人族が多く商売をしている。稀にエルフ族も南東側で商売をしているそうだ。

 どちらも色々な人達が店で物を売ったり屋台で売ってたりしている。宿屋や女神教以外の教会等も存在する。

 南西側には『冒険者区』

 冒険者ギルドを中心に、冒険者向けの店や宿屋などが揃っている。冒険者向けの武器屋、防具屋にはドワーフ国から輸入された物も多く取り揃えられ、ドワーフ族が経営する店も多数ある。
 この冒険者区が賑わっている要因としては、この地区に【地下迷宮】と呼ばれるダンジョンがあることが大きい。一攫千金を目指す冒険者、日々の生活を安定させる為の冒険者、世界中の冒険者が集まる場所でもあった。



 王都に入る為の門は東西南北の4つある。どの門からも巨大な王城へ向かって真っ直ぐな石畳みの幅広い道が伸びている。


 俺達は東側の門から入った。
 この世界に来て一年以上。俺はついに街へ入った。
 馬車の中から街を覗く。おお、凄い活気だ!東京に比べて人が多いかと言われると東京の方が多い。
 でもイーグリア王都の街並みは凄く綺麗だった。そして、人々に活気があった。
 そして!いました!猫耳、犬耳!他にもドワーフも!背が低くて筋肉質、毛むくじゃらの髭。初めてみる!俺は興奮した。イメージ通りじゃないか。

 地球では空想とされる種族が、確かにここにいる。この世界の記憶を持った人が地球に獣人族やドワーフ族を広めたとしか思えない。それか記憶は無いが潜在意識とかにあるのだろう。

 自由な時間が取れるようになったらゆっくり観光しよう。よく考えたら俺は買い物すらした事がない。早く物価なども覚えなくては。今まで読んだ本はかなり古いので当てにならない。実際に見て勉強しなくては。というか、早くニートを脱却しなくては。俺はそんなことを考えながら街並みを眺めていた。

『ダーリン、買い物楽しみね♪』
 だな。ユヅキ!俺も楽しみだ!

 馬車は商業区を通り過ぎ、居住区、貴族区を過ぎていく。
 貴族区へ入るところにも門はあったが、難なく通過していく。王城に近づくに連れて綺麗で立派な屋敷が増えていく。

 気付くと辺りは薄暗くなってきた。

 そしてついに城門の前に辿り着く。大きい。とてつもなく大きく立派なお城だった。

 城門には門番が数人待機していたが、ミケネさんが何やら説明して、ルーシーが馬車から顔を出すと門番の一人が慌てて城の中に入っていった。

「さすが王女様!」

「まあね!あさひ、わたしのこと見直した?」

「見直しました。王女様。私は王女様と同じ馬車に乗れて光栄にございます。ははぁー!」

 俺がふざけてルーシーに返すと

「もう、やめてよ!思ってもいない癖に。フンッ」

 あら、王女様はまた頬を膨らませています。

「くすくすくすっ」

 ステラさんが笑っている。

 俺も釣られて笑い、ルーシーも笑っていた。こんな風に笑うルーシーを久しぶりに見た。
 王城に着いたことで、ルーシーも緊張が解けたのだろう。長旅お疲れ様!


 城に入るところでミケネさん、カレンさん、フーカ、サーシャは別のところへ行かなくてはいけないらしくお別れになった。

「ミケネ、カレン、フーカ、サーシャ、長い旅お疲れ様。そしてここまで連れてきてくれてありがとう」

 俺は4人に声をかけた。2ヶ月一緒に旅をしてきたことで彼女達とも仲良くなれた。そして今では俺のパーティに入ってもらっている。

「いえ、あさひ様、ステラ様。私達は任務ですので。こちらこそたくさんお世話になりありがとうございました」

 ミケネは多くは語らなかった。そしてルーシー、俺、ステラさんに敬礼をしてその場を去った。

 おお、なんか4人の後姿がカッコいい。俺はすかさず4人に念話を送る。

(ミケネ、カレン、フーカ、サーシャ、本当にありがとう!後姿がかっこいいよ!)

 俺の突然の念話に4人がビクッとなる。

(あ、あ、あさひ様おやめくださいませ。びっくりするじゃありませんか)
 カレンが俺に念話を送る。

(あははっ、本当にそう思ったから!4人とはまたいつでも念話で話せるから、何かあったらいつでも念話して!)

(はい!ありがとうございます!あさひ様!)
 4人は一斉に返事をくれた。


 城内に入った俺達を待っていたのは見た目六十歳ぐらいの執事のような格好をした初老の人だった。

「ルーシー様。おかえりなさいませ。ルーシー様のお帰りをこのエイダン、今か今かと待っておりました」
 老人は丁寧にルーシーに頭を下げる。

「ただいま!エイダン。お父様、お母様、お兄様はお変わりない?城の様子は?」

「はい、お変わりありません。ステラ様、あさひ様、お初にお目にかかります。ルーシー様のお世話、教育係をさせていただいております、エイダンと申します。どうぞよろしくお願い致します」

 エイダンさんと名乗った男性は俺とステラさんに深くお辞儀をして挨拶をした。
 俺とステラさんもエイダンさんに丁寧に挨拶をした。
 そして、エイダンさんの案内に続いた。

 それにしてもこのエイダンさん只者じゃない。動きで分かる。俺はこの城に入ってから【鑑定】は使っていない。もし俺が【鑑定】を使ってるのがバレたら不信感を生むかも知れないと思い念の為やめておいた。

 ルーシー、俺、ステラさんは城内の奥へ奥へと進み、10人程が入って話せそうな大きめの豪華な部屋に案内された。
 部屋には高そうな絵が飾ってあり、ソファやテーブルも豪華で超一流の物に見えた。
 俺に高級なものを見抜く力があるかって?

 はい………ありませんが………

「あさひ、ステラお姉様ここで待っててください。わたしはお父様とお母様に報告があるから」

「エイダン、お二人にくれぐれも粗相の無いよう頼むわ。わたしの大事なお客様よ!」

「はい。承知致しております」

 そう言ってエイダンさんは俺とステラさんにお茶とお菓子を出してくれた。

 部屋で待つこと30分。

『あさひ、もうすぐ行くわ。待たせてごめんなさい』

 ルーシーからの念話があった。

 そして、扉が開く。ドォン!

 最初に入ってきたのは金髪で短めの髪、顎に少し髭があり、身長は2m近く、筋骨隆々の見た目40歳から50歳ぐらいの物凄い威圧感のあるおっさんだった。この人が世界最強の竜騎士と呼ばれるオスカー王か?

 その後に入ってきたのは賢者と呼ばれた王妃のアメリア様?30前後ぐらいに見えるピンク色の髪の綺麗な人、ルーシーに似ている。恐らくルーシーの母親と思われる人。おお、すっごいスタイルだ!

 三人目は金髪でガタイがよく顔もカッコいい、筋肉おっさんとアメリア様の良さを併せ持ったような、確かルーシーのお兄さんのルイス様。

 最後にルーシーが入ってきた。


「ステラ!久しぶりだなー!会いたかったぞ!おおう!変わらぬ美しさだ!ぐわはははっ!」
 おっさんがデカい声でステラさんに馴れ馴れしく近づき手を取る。
 するとアメリア様がおっさんの耳を引っ張る。

「あなた邪魔よっ!退きなさいっ!ステラー、会いたかったわ!よく来てくれたわね!」

 おっさんの耳を引きちぎるような勢いで横へどかし、アメリア様がステラさんんに抱きつく。

「オスカー様、アメリア様お久しぶりです」

「うんうん。本当に会いたかった。ステラが元気そうで安心したわ」

 アメリア様がステラさんに抱きついたままいると、咳払いが聞こえてくる。ルーシーの兄のルイス様だ。

「ゴホンッ、父上、母上、私にも伝説の剣士ステラ様を紹介してください」

「あっ、そうね。ステラ。私達の息子、ルイスよ。体だけは大きくなったけど、まだまだ半人前よ。稽古付けてやってね!」

「おう!そうだ!ルイス。ステラは強いぞー。ボコボコにされて鍛えてもらえ!ぐわはははっ!」

 おお、王様も王妃様も豪快な方だな。

「全く、父上も母上も何という紹介の仕方ですか。ステラ様、初めまして、イーグリア王国第一王子ルイス・イーグリアです。英雄の一人。伝説の剣士ステラ様にお会いできて光栄です。よろしくお願いします」

 ルイス様がステラさんに頭を下げる。おお、王子様丁寧な方だぞ。

「はじめまして、ルイス様。私はそれ程の実力はありません。よろしくお願いします」

 ステラさんは変わらず冷静な様子。

 そして俺は未だに空気。

「お父様、お母様、お兄様、こちらがあさひ様よ」

 ルーシーが気を利かせてくれたのか俺を紹介してくれる。

「はじめまして、あさひと申します。よろしくお願いします」
 こんな時どんな風に挨拶したらよいかわからない俺はただただ普通に挨拶をした。

 全体の空気が変わる。

「ほう。お前が神託の!」

 おっさんの空気が張り付く。なっ!凄い威圧だっ。このおっさん、ふざけた感じだったけど本物だ。体が二回りぐらい大きく見える。おっさんの体から闘気が漂っている。そのオーラが俺に迫ってくる。

 グッ、足を踏ん張り、俺はおっさんに睨まれながらも耐える。

「そこまでー!あなたやめなさい!」

 おっさんはアメリア様に止められる。

「あさひ君、アルバ大森林からわざわざ来てくれてありがとう。ルーシーとカレンの命も救ってくれたと聞いたわ。本当にありがとう。かわいいのね。私の好みよっ」

 アメリア様は今度は俺を抱きしめる。ちょ、アメリア様。む、胸が当たります。大きいです。

「お母様、何やってるのよ!離れてっ!」

 ルーシーがアメリア様を俺から引き剥がす。

「あらっ、いいじゃないルーシー。私だってたまには若い子を抱きしめたいわっ」

「全くお母様は…………油断も隙も無いわっ」

「ははは、父上と母上が失礼しました。あさひ殿。はじめまして、ルーシーの兄のルイスです。ようこそイーグリア王国へ。妹の命を助けていただいたこと、感謝します」

「こ、こちらこそルイス様どうぞよろしくお願いします」
 お兄様、唯一まともな人な気がするぞ。

「ぐわはははっ、あさひ!やるではないか!その歳で俺様の威圧を受け止めるなんて、お前只者じゃ無いな!ぐわはははっ」

 おっさんが機嫌良さそうに笑ってる。
 ルーシーの家族めっちゃ賑やかだな。

(ごめん、あさひ。お父様もお母様もいつもはもうちょいまともなんだけど。どうしちゃったんだろ今日は………)

(いや、ルーシー。気にしてないから大丈夫)
 ルーシーが念話で謝ってきたから、俺はなんとも思っていないと伝える。

「オスカー様、あさひ様を試すような真似はおやめください。もしもまたやるようでしたら、私はあさひ様を連れてすぐに城を出ます」

 ステラさんが、刺すような視線でおっさんに目を向ける。ス、ステラさんが物凄く怖い顔をしている。
 それを見たおっさんがちょっと焦っている。

「ス、ステラ、悪かった。ちょっとあれだ!男同士の挨拶みたいなもんだ、ぐわはははっ」

 オスカー王、でかい、声がでかい。



 これが俺とルーシーの家族であり、イーグリア王国の王様達との出会いだった。
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