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修学旅行4 恋人、偽物
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店員さんから商品を受け取って出てきた2人と、ばっちり目が合った。さりげなく竜夜くんが袋を受け取っている。竜夜くんの端々に見える紳士的行動に、モテそうだなぁという感想を持った。
「夕音!おかえり」
「よぉっす。稲森も食べる?美味しいぞ」
「いいの?じゃあ1つ貰おうかな。待たせてごめんね、カップルさん」
私の言葉に、同時に「カップルじゃない!!」と叫ぶ2人。その後お互いの声にびっくりしたのか、しばし硬直して顔を合わせる。やがて何事もなかったかのように手に持っているサーターアンダギーを食べ始めた。息もピッタリだし、夫婦と言われても違和感ないくらいの絆を感じさせられるやり取り。思わず笑ってしまった。
「そうだね~、2人には別にお相手さんがいるからね」
私のからかうような口調に、うっと唸って黙ってしまった。耳が少し赤いのが見えたので、多分照れているのだろう。
「由芽たちは?」
「あー、あそこにいる」
霙が指差した方向には、仲睦まじく何かを見ている2人の姿があった。情報収集に息巻いていない由芽と、照れ笑いを浮かべる小野くんなんて、初めて見たかもしれない。
「本物の恋人同士を2人にさせてあげるために、2人で行動してたの?」
「あぁ。修学旅行中はほとんど俺らに振り回されてたから。今日くらい恋人同士で過ごさせてやろうと思って」
「ソフトクリームを食べてるときに、私と竜夜で話し合って決めたんだ。夕音は、あの2人に迷惑かけないし大丈夫…と思って言ってなかったんだけど」
「そうだな。それどころか2人になるきっかけを作ってくれたしな」
「どういうこと?」
きっかけなんて作った記憶がない。きょとんして問い返すと、竜夜くんが笑って言った。
「稲森がTシャツ屋に行った後、4人で行動することになるはずだったんだけど、霙と俺は即座に別の店に行って、2人きりにさせることが出来たんだ。3対2だと、あの2人なら譲って一緒に来るとか言い出しそうだったし」
「なるほど」
そんな話をしているうちに、その2人は買い物を済ませてきたらしい。合流して、やっと5人揃った。由芽が私達を眺めて、首を傾げて言う。
「あれ、待たせちゃった?」
「ううん、大丈夫。むしろ私こそバラバラにさせちゃってごめんね」
「平気だよ。それよりもう少し見るなら、ちょっと急がないとだな」
「本当だ!もうこんな時間!?」
残り少なくなってきた自由時間。終わりに近付く修学旅行。楽しい時間は、本当に過ぎていくのが早いなぁ、なんて。ぽつりと思ってみた。
「夕音!おかえり」
「よぉっす。稲森も食べる?美味しいぞ」
「いいの?じゃあ1つ貰おうかな。待たせてごめんね、カップルさん」
私の言葉に、同時に「カップルじゃない!!」と叫ぶ2人。その後お互いの声にびっくりしたのか、しばし硬直して顔を合わせる。やがて何事もなかったかのように手に持っているサーターアンダギーを食べ始めた。息もピッタリだし、夫婦と言われても違和感ないくらいの絆を感じさせられるやり取り。思わず笑ってしまった。
「そうだね~、2人には別にお相手さんがいるからね」
私のからかうような口調に、うっと唸って黙ってしまった。耳が少し赤いのが見えたので、多分照れているのだろう。
「由芽たちは?」
「あー、あそこにいる」
霙が指差した方向には、仲睦まじく何かを見ている2人の姿があった。情報収集に息巻いていない由芽と、照れ笑いを浮かべる小野くんなんて、初めて見たかもしれない。
「本物の恋人同士を2人にさせてあげるために、2人で行動してたの?」
「あぁ。修学旅行中はほとんど俺らに振り回されてたから。今日くらい恋人同士で過ごさせてやろうと思って」
「ソフトクリームを食べてるときに、私と竜夜で話し合って決めたんだ。夕音は、あの2人に迷惑かけないし大丈夫…と思って言ってなかったんだけど」
「そうだな。それどころか2人になるきっかけを作ってくれたしな」
「どういうこと?」
きっかけなんて作った記憶がない。きょとんして問い返すと、竜夜くんが笑って言った。
「稲森がTシャツ屋に行った後、4人で行動することになるはずだったんだけど、霙と俺は即座に別の店に行って、2人きりにさせることが出来たんだ。3対2だと、あの2人なら譲って一緒に来るとか言い出しそうだったし」
「なるほど」
そんな話をしているうちに、その2人は買い物を済ませてきたらしい。合流して、やっと5人揃った。由芽が私達を眺めて、首を傾げて言う。
「あれ、待たせちゃった?」
「ううん、大丈夫。むしろ私こそバラバラにさせちゃってごめんね」
「平気だよ。それよりもう少し見るなら、ちょっと急がないとだな」
「本当だ!もうこんな時間!?」
残り少なくなってきた自由時間。終わりに近付く修学旅行。楽しい時間は、本当に過ぎていくのが早いなぁ、なんて。ぽつりと思ってみた。
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