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remember? 香
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俺は電車に乗って、高校に最も近い駅の一つ前で降りる。5分も変わらないので、こちらから歩く。電車賃も安く済むし、何よりこの近くにある桜並木通りが好きなのだ。流石に花は咲いていないが、代わりにさわさわと葉が囁くように揺れていた。その時、懐かしい香りがした。あの夢と同じ感覚がして、ずっと昔の女の子を思い出した。桜並木通りの真ん中に立っている、髪をハーフアップにした女の子を見て。
「み、りあ……ちゃん…?」
忘れていた筈の名前を呟くと、女の子、みりあちゃんは振り向いた。そして俺に気付くと太陽にも負けないくらい輝かしい笑顔で、俺の名前を呼んだ。
「かおくん!」
「かおくん、わたしのこと覚えてた?」
ぎくりっと体を強張らせたら、その様子で分かったように肩をすくめた。
「その様子じゃ、覚えてなかったみたいだね。まぁ、わたしも名前見るまで思い出せなかったけど」
再び笑うみりあちゃん。きらきらと川が光を反射して、幻のように見える。そのくらい綺麗だった。
「ねぇ、かおくん。約束のこと、覚えている?」
それは時が止まったかのように感じる静かな声だった。俺は覚えていた。話に出そうか迷っていた最中だった。
「…多分…」
同じことを考えているのか自信が無かったから、言葉を濁した。
みりあちゃんは顔を覗いて来た。瞳と中に溢れる光が不安げに揺れている。俺は恥ずかしさを我慢しながら、小さな声で言った。
「…け…っ……こん、将来、しよう…って、やつだよね…?」
みりあちゃんの瞳をチラッと確認すると、それは抑えきれないとでも言うかのように、きらきら、きらきらと輝きを放っていた。
「覚えていてくれたんだ!嬉しいなぁ…」
数歩、早く行って振り返る。揺れる髪を耳にかけて、俺を伏し目がちに見つめる。どうしても心臓の高鳴りが抑えられない。誰でも鼓動を早くしてしまうくらい、綺麗な姿だった。
「みりあーーーーー!!」
もうすぐ桜並木通りは終わる。その奥の方でみりあちゃんの友達が手を振って待っていた。
「はーーいっ!」
みりあちゃんは返事をすると、俺の方を向いて手を振った。
「またね、かおくん」
そして小走りで友達の元へ向かって行った。俺は未だ鳴り止まない心臓の音を聞きながら、学校までの道のりを歩いた。
「かーおる!」
背中に重さを感じた。俺の肩に腕を回すのは桜だった。桜は誰にでも平等に接する。女子ともいつも通り接する優しい男。俺にも皆と同じように接してくれた。何度か話したことがあるだけだと思っていたので驚いたけれど、なんだか、今日は良い日な気がした。
「おはよう」
「おはよー!」
そんな気がしたことは言わずに、笑いながら挨拶した。
「み、りあ……ちゃん…?」
忘れていた筈の名前を呟くと、女の子、みりあちゃんは振り向いた。そして俺に気付くと太陽にも負けないくらい輝かしい笑顔で、俺の名前を呼んだ。
「かおくん!」
「かおくん、わたしのこと覚えてた?」
ぎくりっと体を強張らせたら、その様子で分かったように肩をすくめた。
「その様子じゃ、覚えてなかったみたいだね。まぁ、わたしも名前見るまで思い出せなかったけど」
再び笑うみりあちゃん。きらきらと川が光を反射して、幻のように見える。そのくらい綺麗だった。
「ねぇ、かおくん。約束のこと、覚えている?」
それは時が止まったかのように感じる静かな声だった。俺は覚えていた。話に出そうか迷っていた最中だった。
「…多分…」
同じことを考えているのか自信が無かったから、言葉を濁した。
みりあちゃんは顔を覗いて来た。瞳と中に溢れる光が不安げに揺れている。俺は恥ずかしさを我慢しながら、小さな声で言った。
「…け…っ……こん、将来、しよう…って、やつだよね…?」
みりあちゃんの瞳をチラッと確認すると、それは抑えきれないとでも言うかのように、きらきら、きらきらと輝きを放っていた。
「覚えていてくれたんだ!嬉しいなぁ…」
数歩、早く行って振り返る。揺れる髪を耳にかけて、俺を伏し目がちに見つめる。どうしても心臓の高鳴りが抑えられない。誰でも鼓動を早くしてしまうくらい、綺麗な姿だった。
「みりあーーーーー!!」
もうすぐ桜並木通りは終わる。その奥の方でみりあちゃんの友達が手を振って待っていた。
「はーーいっ!」
みりあちゃんは返事をすると、俺の方を向いて手を振った。
「またね、かおくん」
そして小走りで友達の元へ向かって行った。俺は未だ鳴り止まない心臓の音を聞きながら、学校までの道のりを歩いた。
「かーおる!」
背中に重さを感じた。俺の肩に腕を回すのは桜だった。桜は誰にでも平等に接する。女子ともいつも通り接する優しい男。俺にも皆と同じように接してくれた。何度か話したことがあるだけだと思っていたので驚いたけれど、なんだか、今日は良い日な気がした。
「おはよう」
「おはよー!」
そんな気がしたことは言わずに、笑いながら挨拶した。
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