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1月30日 本当の気持ち
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落ち着いた私は、羅樹の肩越しに周りを見て今の状況に気付く。ほとんど人はいないとはいえ、ここは公共の場。急に恥ずかしさが込み上げて来て、慌てて羅樹から離れる。羅樹が驚いた様子を見せたので、悪態をつきそうになるのを堪えてしっかりと自分の意見を告げる。
「ここ、だと人目があるから…っな、慰めてくれて嬉しかったけど、恥ずかしくて…っ」
恐らく私の顔は真っ赤だろう。耳まで染まっているかもしれない。素直な気持ちは、口にするのにとても勇気がいる。悪態ついて誤魔化す方がよっぽど簡単だけど、そんなのは一時の救いにしかならない。長期的に見れば、素直な方が得なのだ。私は羅樹との長期戦を覚悟しているわけで、それなら私は少しでも素直にならなくてはならない。
ふぅ、と長く息を吐いて心を落ち着かせる。羅樹から何の返答もないので恐る恐る顔を上げると、羅樹は顔を真っ赤にして固まっていた。
「えっ!?」
「え!?」
驚く私に、羅樹も我に返ったように驚く。
「何で羅樹が真っ赤になってるの!?」
「えっ、だっ、だって夕音が可愛いこと言うから!」
「かわっ!?」
羅樹の爆弾発言に、今度は私が固まる。羅樹からそんなこと言われるなんて思っていなかったし、羅樹にそう思われることがあるなんて想像もしていなかった。確かにお洒落などに対して少しは思ってくれたら良いな、とは考えていたが実際のところは諦め半分だった。そうか、諦めなくていいのか。私達は恋人同士なのだから。
今更ながらその実感が湧いて来て、片想いを貫くつもりだった私の心に嬉しさが込み上げる。普通の恋人同士みたいに接しても良いんだ。憧れていたやり取りをしても許されるんだ。
昔みたいに羅樹を、「榊原くんを独占しないで」って言われても言い返せる立場にあるんだ。その事実が深く心の奥に染み渡る。とくんとくん、と心臓が優しく温かくリズムを刻む。気付いたら私は小さく声をあげて笑っていた。
「羅樹、私、羅樹が好きだよ」
繰り返すように、素直に。羅樹に言うように、自分に言うように。そんな風にポツリと呟いた。
「だから羅樹に嫌われるのが怖いの。…さっきね、羅樹を待ってた時に"女の子の買い物に付き合わされるのは嫌"って男の子達が話してるのが聞こえて、羅樹もそうなのかなって不安になったの。羅樹を買い物に付き合わせちゃ駄目だって思ったら、考えがまとまらなくて。それで多分話が耳に入ってなかった。ごめんなさい」
羅樹は私の話を黙って聞いてくれて、謝罪に合わせてふふっと笑ってくれた。それは私の大好きな顔。独り占めしたいと、何度も思った愛しい笑顔。
「僕も夕音が好きだよ」
呟かれたお返しの言葉に、一瞬で頬が熱を帯びる。
「僕は買い物に夢中な夕音も好きだよ。付き合わされてなんかないよ、僕が好きで夕音と一緒にいるんだから。ね?」
立ち上がった羅樹は、私に手を差し出した。
「一緒に行こう?」
「…うん!」
羅樹の手を取って、今度は離れないようにぎゅっと握った。
「ここ、だと人目があるから…っな、慰めてくれて嬉しかったけど、恥ずかしくて…っ」
恐らく私の顔は真っ赤だろう。耳まで染まっているかもしれない。素直な気持ちは、口にするのにとても勇気がいる。悪態ついて誤魔化す方がよっぽど簡単だけど、そんなのは一時の救いにしかならない。長期的に見れば、素直な方が得なのだ。私は羅樹との長期戦を覚悟しているわけで、それなら私は少しでも素直にならなくてはならない。
ふぅ、と長く息を吐いて心を落ち着かせる。羅樹から何の返答もないので恐る恐る顔を上げると、羅樹は顔を真っ赤にして固まっていた。
「えっ!?」
「え!?」
驚く私に、羅樹も我に返ったように驚く。
「何で羅樹が真っ赤になってるの!?」
「えっ、だっ、だって夕音が可愛いこと言うから!」
「かわっ!?」
羅樹の爆弾発言に、今度は私が固まる。羅樹からそんなこと言われるなんて思っていなかったし、羅樹にそう思われることがあるなんて想像もしていなかった。確かにお洒落などに対して少しは思ってくれたら良いな、とは考えていたが実際のところは諦め半分だった。そうか、諦めなくていいのか。私達は恋人同士なのだから。
今更ながらその実感が湧いて来て、片想いを貫くつもりだった私の心に嬉しさが込み上げる。普通の恋人同士みたいに接しても良いんだ。憧れていたやり取りをしても許されるんだ。
昔みたいに羅樹を、「榊原くんを独占しないで」って言われても言い返せる立場にあるんだ。その事実が深く心の奥に染み渡る。とくんとくん、と心臓が優しく温かくリズムを刻む。気付いたら私は小さく声をあげて笑っていた。
「羅樹、私、羅樹が好きだよ」
繰り返すように、素直に。羅樹に言うように、自分に言うように。そんな風にポツリと呟いた。
「だから羅樹に嫌われるのが怖いの。…さっきね、羅樹を待ってた時に"女の子の買い物に付き合わされるのは嫌"って男の子達が話してるのが聞こえて、羅樹もそうなのかなって不安になったの。羅樹を買い物に付き合わせちゃ駄目だって思ったら、考えがまとまらなくて。それで多分話が耳に入ってなかった。ごめんなさい」
羅樹は私の話を黙って聞いてくれて、謝罪に合わせてふふっと笑ってくれた。それは私の大好きな顔。独り占めしたいと、何度も思った愛しい笑顔。
「僕も夕音が好きだよ」
呟かれたお返しの言葉に、一瞬で頬が熱を帯びる。
「僕は買い物に夢中な夕音も好きだよ。付き合わされてなんかないよ、僕が好きで夕音と一緒にいるんだから。ね?」
立ち上がった羅樹は、私に手を差し出した。
「一緒に行こう?」
「…うん!」
羅樹の手を取って、今度は離れないようにぎゅっと握った。
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