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3月4日 解決策
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「何か…とは?」
「例えば…前に同じ表情をしていた時は好きな人が出来た時だったんだよね?ならまた好きな人が出来たとか…逆に告白された、とか…」
潮賀くんの問い掛けにあくまで推測だという程で返す。しかし頭の中では何度も爽が北原くんにキスをしたような、そう見えたあの光景がフラッシュバックしていた。
まだ陽の高い青い空をバックに、重なり合う2つの影。爽の強引な引き寄せ方にバランスを崩した北原くんが、唇から爽へと倒れ込む。
「…なるほど…」
潮賀くんの声に残像を振り払って、相槌代わりに頷く。
「ありそうです。前は好きな人が出来たと報告してくれたので、もしかしたら告白されたのかもしれませんね」
鋭い指摘に、うっと言葉に詰まりそうになったのを間一髪で飲み込む。本当に告白された現場を見たわけではないが、キスするということはほぼ同義だろう。それで北原くんが悩んでいるのなら、他の可能性を考慮する間も無くそういうことなのではないだろうか。
「だとすると、僕が手助けできることって何かあるんでしょうか…」
ポツリと呟かれた声が何処か悲しそうで、私と羅樹はパッと顔を上げて潮賀くんを見つめる。私達からの視線に気付いた潮賀くんは、眉尻を下げて笑った。
「僕はあまり恋愛ごとに詳しくありませんし、現状相談されてもいません。困っているなら助けたかったのですが、こういう話は部外者が変に首を突っ込むのも良くない気がしますし…」
突っ込みまくっている私としては何も言えなかった。しかしこの手の話題であれば、確かに潮賀くんには相談しにくいだろうし、潮賀くんも話を振りにくいだろう。助けたいという気持ちは立派でも、それに行動を伴わせることが出来なければただのお節介になってしまう。他者への親切とは難しいものだ。
「隣に居るだけじゃ、だめなの?」
ふと羅樹が、そんなことを口にした。きょとんとした様子の羅樹に、私と潮賀くんが疑問符を浮かべて首を傾げる。
「北原くんは悩んでいるみたいで、それを来くんは助けたいんだよね。でも相談内容は不得手だから難しい。でも力になりたい、そうだよね?」
「は、はい!北原くんにはいつもお世話になっているので!」
「じゃあ"何もしない"も手じゃない?」
「え?」
「きっと1人で悩むのは辛いし、分かんなくなることもたくさんあると思う。けどそんな時に隣に誰かがいてくれたらさ、言葉にしなくても楽になることってあると思うんだ。ね、夕音」
「え、な、何で私に…」
振るのよ、と続けようとしてはたっと止まった。確かに悩んでいた時に羅樹が、友達が、隣にいてくれて楽になったことは何度もある。稲荷様や恋音が近くにいてくれる安心感が前向きにしてくれことがある。いつでも相談出来る安心感は、確かに大切な人にしか任せられない、それでいてとても救いになることだ。
「…うん、そうだね。私が北原くんだったら、潮賀くんがいつでも力になってくれるって分かれば凄く嬉しいと思うな」
「何もしない…」
目から鱗だといった様子で、潮賀くんはふにゃっと頬を緩めた。
「そうですね、僕、待ちたいと思います。北原くんにちゃんと伝えて、それで隣に居ようと思います」
その後はすっきりした顔の潮賀くんと少しお話をして、おやつ時には帰ることになった。
「本当にありがとうございました」
「ううん、困ったらまた相談してね」
「きっと上手くいくと思うよ!」
「はい、それではまた」
手を振って、潮賀くんは羅樹の家を後にした。
「例えば…前に同じ表情をしていた時は好きな人が出来た時だったんだよね?ならまた好きな人が出来たとか…逆に告白された、とか…」
潮賀くんの問い掛けにあくまで推測だという程で返す。しかし頭の中では何度も爽が北原くんにキスをしたような、そう見えたあの光景がフラッシュバックしていた。
まだ陽の高い青い空をバックに、重なり合う2つの影。爽の強引な引き寄せ方にバランスを崩した北原くんが、唇から爽へと倒れ込む。
「…なるほど…」
潮賀くんの声に残像を振り払って、相槌代わりに頷く。
「ありそうです。前は好きな人が出来たと報告してくれたので、もしかしたら告白されたのかもしれませんね」
鋭い指摘に、うっと言葉に詰まりそうになったのを間一髪で飲み込む。本当に告白された現場を見たわけではないが、キスするということはほぼ同義だろう。それで北原くんが悩んでいるのなら、他の可能性を考慮する間も無くそういうことなのではないだろうか。
「だとすると、僕が手助けできることって何かあるんでしょうか…」
ポツリと呟かれた声が何処か悲しそうで、私と羅樹はパッと顔を上げて潮賀くんを見つめる。私達からの視線に気付いた潮賀くんは、眉尻を下げて笑った。
「僕はあまり恋愛ごとに詳しくありませんし、現状相談されてもいません。困っているなら助けたかったのですが、こういう話は部外者が変に首を突っ込むのも良くない気がしますし…」
突っ込みまくっている私としては何も言えなかった。しかしこの手の話題であれば、確かに潮賀くんには相談しにくいだろうし、潮賀くんも話を振りにくいだろう。助けたいという気持ちは立派でも、それに行動を伴わせることが出来なければただのお節介になってしまう。他者への親切とは難しいものだ。
「隣に居るだけじゃ、だめなの?」
ふと羅樹が、そんなことを口にした。きょとんとした様子の羅樹に、私と潮賀くんが疑問符を浮かべて首を傾げる。
「北原くんは悩んでいるみたいで、それを来くんは助けたいんだよね。でも相談内容は不得手だから難しい。でも力になりたい、そうだよね?」
「は、はい!北原くんにはいつもお世話になっているので!」
「じゃあ"何もしない"も手じゃない?」
「え?」
「きっと1人で悩むのは辛いし、分かんなくなることもたくさんあると思う。けどそんな時に隣に誰かがいてくれたらさ、言葉にしなくても楽になることってあると思うんだ。ね、夕音」
「え、な、何で私に…」
振るのよ、と続けようとしてはたっと止まった。確かに悩んでいた時に羅樹が、友達が、隣にいてくれて楽になったことは何度もある。稲荷様や恋音が近くにいてくれる安心感が前向きにしてくれことがある。いつでも相談出来る安心感は、確かに大切な人にしか任せられない、それでいてとても救いになることだ。
「…うん、そうだね。私が北原くんだったら、潮賀くんがいつでも力になってくれるって分かれば凄く嬉しいと思うな」
「何もしない…」
目から鱗だといった様子で、潮賀くんはふにゃっと頬を緩めた。
「そうですね、僕、待ちたいと思います。北原くんにちゃんと伝えて、それで隣に居ようと思います」
その後はすっきりした顔の潮賀くんと少しお話をして、おやつ時には帰ることになった。
「本当にありがとうございました」
「ううん、困ったらまた相談してね」
「きっと上手くいくと思うよ!」
「はい、それではまた」
手を振って、潮賀くんは羅樹の家を後にした。
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