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3月15日 伝えたいこと全部
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幼い頃から他人には見えないモノが見えていたこと。そのせいで何度も神隠しに遭っていたこと。私に見えるそれがいつも良いモノとは限らないこと。私の中に神様の使が宿っており、その方が視界を塞いでくれたこと。そのお陰で私は自分の特異さを忘れていたこと。視界が変わっても他人には聞こえない音が聞こえていたこと。それを追って神様に出会ったこと。神様にこの世のことを教えるために使になったこと。そしてその中でたくさんの恋を見たこと。記憶を見て、辿って、悩んで、苦しんで、それでも前に進んで来たこと。
たくさんたくさん、私は羅樹に話した。突拍子もない話で、到底信じられない話。けれど私にとっては全て事実で、覆しようのない"本当"の話。
「私、ずっと忘れてたの。良くないモノに引き摺り込まれたら危ないことも、あっちの世界に入り浸る危険も。だから気付かなかった。私があっちの世界に関わる度に羅樹が苦しんでること」
羅樹の目がゆっくりと見開かれる。私は後悔と罪悪感を滲ませたまま、羅樹の頬に両手を伸ばした。包み込むように触れると、温度が溶けてここにいると実感出来る。それすらも、私は羅樹から奪っていたのかもしれない。あちらの世に触れた私の温度は、生者のものをしていたのだろうか。
「ごめんね、羅樹。たくさん怖い思いをさせてごめん。たくさん苦しませてごめん。自分勝手でごめん」
───羅樹を好きになって、
そう続けそうになって、無理やり飲み込んだ。それはもう後悔しても出来ない想いだ。私は何度だって羅樹のことを好きになるし、何度だって恋に落ちる。その全てを後悔するなんて出来そうにない。だから私は、言葉を噤んだ。
「私、何度も羅樹を傷付けて来たのに、羅樹の本当の気持ちを見てなかった。側にいるって言ったのに、いなかった。ごめんね、羅樹。謝って済むことじゃないけど、あれは紛れもない私の本心なの。そっちの方がタチ悪いんだけどさ、私は羅樹の側にいたいんだ。私は羅樹のことが好きだから」
誤魔化せない。騙せない。本心は零れ落ちて、虚勢なんて簡単に通り抜けていく。それならばいっそ、認めてしまった方が早いから。
「羅樹。私はきっとまた、同じように動いちゃうと思う。けどその時は止めて。羅樹に言われたら絶対気付くから。羅樹との約束を思い出させて」
出来ないって言われるかもしれない。頭がおかしくなったんじゃないかって両断されるかもしれない。たくさんの不安はあるけれど、私の中に羅樹がそうするビジョンは見えなかった。だからこそ伝えたい。私のそれが希望による盲目だとするなら尚更。私は最後になるかもしれない羅樹との会話の中で、私の本心を伝えたい。ずっと意地を張って来たから、ずっと言えなかったから。
「大好きだよ、羅樹」
私はとびっきりの笑顔を浮かべて、そう告げた。
たくさんたくさん、私は羅樹に話した。突拍子もない話で、到底信じられない話。けれど私にとっては全て事実で、覆しようのない"本当"の話。
「私、ずっと忘れてたの。良くないモノに引き摺り込まれたら危ないことも、あっちの世界に入り浸る危険も。だから気付かなかった。私があっちの世界に関わる度に羅樹が苦しんでること」
羅樹の目がゆっくりと見開かれる。私は後悔と罪悪感を滲ませたまま、羅樹の頬に両手を伸ばした。包み込むように触れると、温度が溶けてここにいると実感出来る。それすらも、私は羅樹から奪っていたのかもしれない。あちらの世に触れた私の温度は、生者のものをしていたのだろうか。
「ごめんね、羅樹。たくさん怖い思いをさせてごめん。たくさん苦しませてごめん。自分勝手でごめん」
───羅樹を好きになって、
そう続けそうになって、無理やり飲み込んだ。それはもう後悔しても出来ない想いだ。私は何度だって羅樹のことを好きになるし、何度だって恋に落ちる。その全てを後悔するなんて出来そうにない。だから私は、言葉を噤んだ。
「私、何度も羅樹を傷付けて来たのに、羅樹の本当の気持ちを見てなかった。側にいるって言ったのに、いなかった。ごめんね、羅樹。謝って済むことじゃないけど、あれは紛れもない私の本心なの。そっちの方がタチ悪いんだけどさ、私は羅樹の側にいたいんだ。私は羅樹のことが好きだから」
誤魔化せない。騙せない。本心は零れ落ちて、虚勢なんて簡単に通り抜けていく。それならばいっそ、認めてしまった方が早いから。
「羅樹。私はきっとまた、同じように動いちゃうと思う。けどその時は止めて。羅樹に言われたら絶対気付くから。羅樹との約束を思い出させて」
出来ないって言われるかもしれない。頭がおかしくなったんじゃないかって両断されるかもしれない。たくさんの不安はあるけれど、私の中に羅樹がそうするビジョンは見えなかった。だからこそ伝えたい。私のそれが希望による盲目だとするなら尚更。私は最後になるかもしれない羅樹との会話の中で、私の本心を伝えたい。ずっと意地を張って来たから、ずっと言えなかったから。
「大好きだよ、羅樹」
私はとびっきりの笑顔を浮かべて、そう告げた。
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