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8月10日 手を伸ばして
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しばらくして、やっと落ち着いてきた。ずっと手を握ってくれた羅樹にお礼を言う。
「体調悪いのに、ありがとうね」
「ううん。結構良くなったし、大丈夫だよ」
羅樹はそう言って笑った。
「じゃあ、次の荷物番交代が来たら遊ぼうか。無理しないように、適度に水分補給してね」
そんな話をして、最近の話をして、懐かしい話をして、時間を忘れた頃。
「あの、荷物番、代わっても大丈夫っすか…?」
申し訳なさそうに鹿宮くんが来た。ちょっと頬が赤いのは、暑さのせいだろう。私はちらっと時計を確認して、30分近く経っていることに気付いた。15分交代のはずが、羅樹と話していたら時間を忘れてしまっていた。
「あ、ごめんっありがとう」
「いやいや、大丈夫っすよ!むしろ結構な時間…早めに来るべきだったっすね」
にかっと太陽みたいに笑って、鹿宮くんは私達を海に行くよう促した。
「よろしくねー!」
「了解っすー!」
元気になった羅樹が、鹿宮くんに叫んだ。鹿宮くんも同じくらい大きな声で返事をしていた。
「鹿宮くんと仲良いの?」
「うん、そうだね。1番話すんじゃないかな?」
「そっか…私はまだどんな人か分からないから、後でお話し出来ると良いな」
「そうだね。僕も桜と話したい」
そうして海の近くまで行くと、何人かいないように見えた。1番近くにいた竜夜くんに話しかけると、
「あぁ…水奈月がお腹すいたって言ったから、他にも何人かそっちに行ったよ。ご飯食べて戻ってこなくなる気がするって」
と苦笑いしながら答えた。
「そっか。まぁ分かるような気がする」
「小野ちゃんがビーチボールもどきをしたいしたいって騒いでるよ。水奈月達が行っちゃったから相手がいないって。今は桐竜とか空原になだめられてるけど。行ってあげたら?」
「ビーチボールもどきって、ビーチでやらないから?」
「まぁ、そうだな」
「ビーチボールもどき…やりたい!行こう、夕音!」
羅樹が私に手を伸ばした。テンションが高いときの羅樹の癖だ。何かしたくてたまらなくなったら、私を連れて行こうとする。したいことに変わりなく、私の手を引いて一緒にやろう、と言う。
「変わらないなぁ…」
「ん、何?」
「なんでもないよ」
私はそう言って、羅樹の手を取った。
「あれで付き合ってないのかよ…」
竜夜くんの呟きには、聞こえないふりをした。
「僕もビーチボールもどきやりたい!」
きらきらと目を輝かせながら、羅樹が言う。すると、小野くんも同じように目を輝かせて、
「やっと仲間が来た!やろう!」
と言った。
「私達がやっていたことって…」
「まぁまぁ、やるならあたしもやりたいな」
「お疲れ様。私達もビーチボール…もどき?やろう」
羅樹、小野くん、由芽、亜美、それに私。
さっきとはメンバーがガラッと変わったこの5人で、ビーチボールもどきを始めた。
「体調悪いのに、ありがとうね」
「ううん。結構良くなったし、大丈夫だよ」
羅樹はそう言って笑った。
「じゃあ、次の荷物番交代が来たら遊ぼうか。無理しないように、適度に水分補給してね」
そんな話をして、最近の話をして、懐かしい話をして、時間を忘れた頃。
「あの、荷物番、代わっても大丈夫っすか…?」
申し訳なさそうに鹿宮くんが来た。ちょっと頬が赤いのは、暑さのせいだろう。私はちらっと時計を確認して、30分近く経っていることに気付いた。15分交代のはずが、羅樹と話していたら時間を忘れてしまっていた。
「あ、ごめんっありがとう」
「いやいや、大丈夫っすよ!むしろ結構な時間…早めに来るべきだったっすね」
にかっと太陽みたいに笑って、鹿宮くんは私達を海に行くよう促した。
「よろしくねー!」
「了解っすー!」
元気になった羅樹が、鹿宮くんに叫んだ。鹿宮くんも同じくらい大きな声で返事をしていた。
「鹿宮くんと仲良いの?」
「うん、そうだね。1番話すんじゃないかな?」
「そっか…私はまだどんな人か分からないから、後でお話し出来ると良いな」
「そうだね。僕も桜と話したい」
そうして海の近くまで行くと、何人かいないように見えた。1番近くにいた竜夜くんに話しかけると、
「あぁ…水奈月がお腹すいたって言ったから、他にも何人かそっちに行ったよ。ご飯食べて戻ってこなくなる気がするって」
と苦笑いしながら答えた。
「そっか。まぁ分かるような気がする」
「小野ちゃんがビーチボールもどきをしたいしたいって騒いでるよ。水奈月達が行っちゃったから相手がいないって。今は桐竜とか空原になだめられてるけど。行ってあげたら?」
「ビーチボールもどきって、ビーチでやらないから?」
「まぁ、そうだな」
「ビーチボールもどき…やりたい!行こう、夕音!」
羅樹が私に手を伸ばした。テンションが高いときの羅樹の癖だ。何かしたくてたまらなくなったら、私を連れて行こうとする。したいことに変わりなく、私の手を引いて一緒にやろう、と言う。
「変わらないなぁ…」
「ん、何?」
「なんでもないよ」
私はそう言って、羅樹の手を取った。
「あれで付き合ってないのかよ…」
竜夜くんの呟きには、聞こえないふりをした。
「僕もビーチボールもどきやりたい!」
きらきらと目を輝かせながら、羅樹が言う。すると、小野くんも同じように目を輝かせて、
「やっと仲間が来た!やろう!」
と言った。
「私達がやっていたことって…」
「まぁまぁ、やるならあたしもやりたいな」
「お疲れ様。私達もビーチボール…もどき?やろう」
羅樹、小野くん、由芽、亜美、それに私。
さっきとはメンバーがガラッと変わったこの5人で、ビーチボールもどきを始めた。
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