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初恋探し物 富
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俺の昔の恋愛の話をする。
小2の時の事。俺は学校に行く時にいつも見かける女の人に恋をした。名前は、多分、玲奈。
一度だけ、お父さんに球場に連れて行ってもらう時に駅で見かけた。その時隣にいた、横髪を花のバレッタでとめた女の人がそう呼んでいた。妙に、ひんやりした目をした人だったと思う。
その人の事はあまり興味が無かったので、あまり言うことは無い。だから玲奈さんの話をしよう。
玲奈さんは長い髪を後ろでポニーテールにして結んでいる。いつも太陽みたいな笑顔で、幸せそうに話している。背はそこそこで、160cm位だと思う。
出会いは学校に行く途中だった。
鼻歌を歌いながら歩いていると、目の前を歩く女の人が困っていた。
「どうしたのですかー?」
幼い声で聞いてみた。すると、苦笑いで振り向いて、
「ちょっと、大事なもの落としちゃって」
「だいじなもの?おれいっしょにさがします」
「そう?ありがとう」
にこっと微笑んだ。夏だった所為か、向日葵が目に浮かんだ。
「えぇと、猫のストラップなのだけれど…。向日葵のついた麦わら帽子をかぶった白い猫のストラップ」
困ったようにまた微笑んで、一礼をした。
花壇や道をがさりと探し、はぁと溜息をつく。余程大切なものだと感じられる。
10分くらい探しても見つからない。そろそろ学校に行かなくては遅刻してしまうかもしれない時間。
「はぁ…見つからないね。良いよ、遅刻したら困るよね。大丈夫だから、ありがとう」
「ほ、ほんとうにだいじょうぶ?」
「うんっ、平気。ありがとね」
手を振ってくれた後、ふっと泣きそうな顔になった。その顔をよく覚えている。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
帰り道、きらりと光る物が見えた。気になって近づくと、真っ白な猫が麦わら帽子をかぶったストラップが見えた。
「みつけた」
俺は嬉しくて、拾って帰った。
翌日、俺は昨日と同じ時間に同じ道をうろうろしていた。名前も知らない女の人だったが、危険だと思えなかったのだ。
今思えば、犯罪に巻き込まれてもしょうがない状態だと思う。
「あっ」
昨日と同じ、可愛らしい制服に身を包み長い髪を後ろでポニーテールに結んだ女の人が溜息をついて歩いていた。
「おねえさんっ!」
笑顔で話しかけた。お姉さんは俺を見て首を傾げたが、思い出したようで笑顔になった。
「こんにちは、昨日一緒にストラップを探してくれた子だよね?」
「はいっ、みつけました!」
得意げにストラップをかざし、胸を張る。女の人は驚いたが、ぱぁっと目を輝かせて微笑んだ。
「本当に?ありがとう!」
大切そうに手でストラップを包み、嬉しそうに頬にすり寄せた。
「ありがとう、本当にありがとう!!」
若干女の人の目に涙がたまっているように見えたが、その時の俺は「嬉し泣き」を知らなかったのでよく見なかった。
「またね」
手を振ってお別れをした。俺はその後ろ姿をドキドキしながら見送っていた。美しく、綺麗な女の人。これが俺の、小さな初恋だった。
小2の時の事。俺は学校に行く時にいつも見かける女の人に恋をした。名前は、多分、玲奈。
一度だけ、お父さんに球場に連れて行ってもらう時に駅で見かけた。その時隣にいた、横髪を花のバレッタでとめた女の人がそう呼んでいた。妙に、ひんやりした目をした人だったと思う。
その人の事はあまり興味が無かったので、あまり言うことは無い。だから玲奈さんの話をしよう。
玲奈さんは長い髪を後ろでポニーテールにして結んでいる。いつも太陽みたいな笑顔で、幸せそうに話している。背はそこそこで、160cm位だと思う。
出会いは学校に行く途中だった。
鼻歌を歌いながら歩いていると、目の前を歩く女の人が困っていた。
「どうしたのですかー?」
幼い声で聞いてみた。すると、苦笑いで振り向いて、
「ちょっと、大事なもの落としちゃって」
「だいじなもの?おれいっしょにさがします」
「そう?ありがとう」
にこっと微笑んだ。夏だった所為か、向日葵が目に浮かんだ。
「えぇと、猫のストラップなのだけれど…。向日葵のついた麦わら帽子をかぶった白い猫のストラップ」
困ったようにまた微笑んで、一礼をした。
花壇や道をがさりと探し、はぁと溜息をつく。余程大切なものだと感じられる。
10分くらい探しても見つからない。そろそろ学校に行かなくては遅刻してしまうかもしれない時間。
「はぁ…見つからないね。良いよ、遅刻したら困るよね。大丈夫だから、ありがとう」
「ほ、ほんとうにだいじょうぶ?」
「うんっ、平気。ありがとね」
手を振ってくれた後、ふっと泣きそうな顔になった。その顔をよく覚えている。
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帰り道、きらりと光る物が見えた。気になって近づくと、真っ白な猫が麦わら帽子をかぶったストラップが見えた。
「みつけた」
俺は嬉しくて、拾って帰った。
翌日、俺は昨日と同じ時間に同じ道をうろうろしていた。名前も知らない女の人だったが、危険だと思えなかったのだ。
今思えば、犯罪に巻き込まれてもしょうがない状態だと思う。
「あっ」
昨日と同じ、可愛らしい制服に身を包み長い髪を後ろでポニーテールに結んだ女の人が溜息をついて歩いていた。
「おねえさんっ!」
笑顔で話しかけた。お姉さんは俺を見て首を傾げたが、思い出したようで笑顔になった。
「こんにちは、昨日一緒にストラップを探してくれた子だよね?」
「はいっ、みつけました!」
得意げにストラップをかざし、胸を張る。女の人は驚いたが、ぱぁっと目を輝かせて微笑んだ。
「本当に?ありがとう!」
大切そうに手でストラップを包み、嬉しそうに頬にすり寄せた。
「ありがとう、本当にありがとう!!」
若干女の人の目に涙がたまっているように見えたが、その時の俺は「嬉し泣き」を知らなかったのでよく見なかった。
「またね」
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