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マサタケの話
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通りの方から物売りの声が聞こえる。
日が高くなっていた。
休日前夜だからと寝かせてやらなかったせいで妻はまだ眠そうだ。
俺の胸に鼻を埋めてうつらうつらしている。
大きな犬とでも思うのか、この胸毛をたいそう気に入ってくれた。
俺の悩みは小さかった。
くすぐったいのだが、たまらなく嬉しい。
その頭を撫でる。
鼻を埋めながら、恥ずかしそうに、小さな声で呟いた。
義姉と俺に何かあったと邪推していた、と。
あの日の顛末を正直に話す。
色恋はないのだと話すと詫びられた。
そしてまた鼻を埋めてくる。
たまらなく可愛い。
「お昼、なにを食べたいですか」
ここで、あなたを、と云ったら呆れられるだろうか。
赤くなって、それでも微笑んでくれるだろうか。
「こ、こういう事って、夜に、なのでは」
囁くように細い声が聞こえた。
吐息が胸毛を揺らすのでくすぐったい。
「愛しくてたまらない。
自分でも呆れている」
可愛らしい妻を、腹の虫が鳴るまで堪能してしまった。
ここまで色恋にうつつを抜かすとは思わなかった。
だが、今最高に幸せだ。
うとうとしている妻を布団に残し、自慢の手料理を振る舞おうと思いつく。
うどんなのだが。
※最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
日が高くなっていた。
休日前夜だからと寝かせてやらなかったせいで妻はまだ眠そうだ。
俺の胸に鼻を埋めてうつらうつらしている。
大きな犬とでも思うのか、この胸毛をたいそう気に入ってくれた。
俺の悩みは小さかった。
くすぐったいのだが、たまらなく嬉しい。
その頭を撫でる。
鼻を埋めながら、恥ずかしそうに、小さな声で呟いた。
義姉と俺に何かあったと邪推していた、と。
あの日の顛末を正直に話す。
色恋はないのだと話すと詫びられた。
そしてまた鼻を埋めてくる。
たまらなく可愛い。
「お昼、なにを食べたいですか」
ここで、あなたを、と云ったら呆れられるだろうか。
赤くなって、それでも微笑んでくれるだろうか。
「こ、こういう事って、夜に、なのでは」
囁くように細い声が聞こえた。
吐息が胸毛を揺らすのでくすぐったい。
「愛しくてたまらない。
自分でも呆れている」
可愛らしい妻を、腹の虫が鳴るまで堪能してしまった。
ここまで色恋にうつつを抜かすとは思わなかった。
だが、今最高に幸せだ。
うとうとしている妻を布団に残し、自慢の手料理を振る舞おうと思いつく。
うどんなのだが。
※最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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