十三夜

櫟 真威

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「……っく……」

うつ伏せのまま、かかる重みに耐えた。
枕に顔を埋めて悲鳴を呑み込もうとしたけれど、背後の存在に顎を捕まれ阻止される。
窓から淡い月の光が差している。

「もっと啼け」

秘所に熱い楔を打ち込まれてどのくらい時間が経ったのだろう。
彼の胸が背中に体温を伝えてくる。
だからこれは、夢などではなく現実なのだと思い知らされる。
最初の頃は痛みが勝り辛いだけだったが、徐々に快楽を刻み付けられている。
他を知っているわけではないが、この楔は定形外の大きさだと断言できた。
彼が器用に腰を動かし、楔をより深く打ち込む。
私の身体はずん、と衝撃を受ける。
私はその度に喘ぎとも悲鳴ともつかない声を漏らす。

「相変わらずいい声だ」

彼は手を下腹部に滑り込ませ、蕾に触れた。
幾度かの愛撫で剥き出しになったそれは、刺激に敏感だ。

「ひぁぁっ!
いやぁ!」

爪でしごくようにされると私の全身は痙攣した。
その痙攣に合わせて腰の突き上げが激しくなる。
私は無理矢理絶頂に導かれる。
心がついていかない。

最近の彼はうつ伏せの私を背後から苛むこの行為がお気に入りだ。
動きがより激しくなり、私の耳元で彼が切なく喘ぐ。
儀式が終わりに近づいている。
ひたすら耐えた。

熱いものが私の中に吐き出され、彼は私の上で脱力した。

やっと終わった。
私も身体の力を抜く。
彼の重みと体温が私を包む。
……本当に愛されているのだろうか。
口にすると第2ラウンドが始まってしまうので言葉にはしない。
前にうっかり彼に思いをぶつけてしまい、一晩中抱き潰された実績がある。
思い出したくない。

「お前の身体は本当にいやらしいな。
私一人では満足できないと見える」

「そっ、そんなことありません!」

「誰か二三人、見繕うか。
一度に攻められているお前は嬉しそうに乱れるだろう」

「嫌っ、やめてくださいっ」

彼は私の秘所に触れ、楽しそうに嗤う。

「話を聞いただけでこれほど濡れるのにか」

「こっ、これは貴方がっ今っ」

「すぐ私のせいにする……お前が淫乱なせいだというのに」

「嫌……」

耳を塞ぐと首を横に振り、声を拒絶する。
身体を慰みものにされるよりも言葉でいたぶられる方が辛い。
何も知らない私に淫らな刻印を与えたのは彼だというのに。
それでも、涙を流すのは耐えた。
泣けば敗けを認める気がする。

「そうだな、眞島はどうだ?
最近のお前の気に入りなのだろう?」

私は目を見開いた。

「ち、違っ……運転手がなぜかいなくて……」

いつも私に付き添う高齢の運転手がその日は不在で、仕方なし申し出た若い人に頼んだ。

「嬉しそうだったな?」

「違いますっ」

彼は寝転び、私を上に乗せた。
彼のそれは、私をいたぶったことで熱が集まり始めていた。
……終わりじゃなかった。
私は愕然とした。
私は再び貫かれた。
自分の重みも手伝って、深いところへ到達する。

「……っく……ぅ」

必死に声を耐えた。
啼き声は彼の好物なので。
彼は私の腰を持ち上げ、入り口付近で楔の頭を擦らせる。
焦らすように少し入れては出し、を繰り返す。
異質の刺激に私はぶるっと震えた。
彼は勢いをつけて私の身体を落とす。
最奥まで一息に貫かれ、悲鳴をあげる。
彼は私の腰を掴み前後に揺する。
彼に開発された身体は、それだけでもう耐えられなかった。
電撃に襲われたように痙攣を繰り返す。

「目を瞑ってみろ。
眞島に抱かれていると思え」

「嫌ぁ!」

酷い。
私の淡い恋心を汚された気がした。

「締め付けがきつくなった。
やはりお前は淫乱だな」

「嫌ぁ……ふぅ……ひぁぁぁんっ!」

彼は下から手を伸ばし乳房を掴む。
乱暴にしたかと思えばやわやわと優しく揉みしだく。
腰からの衝撃も休みなく続いている。

「眞島にお前の痴態を見せてやるか?
やつもお前を好きなんだろ。
……絶対触らせてなどやらんが」

「ふゃぁぁぁ!
ひゃぁん!」

「とろとろだな。
……もう私の声は聞こえないか」

目の焦点が合わない私を横たえ、彼は幾度目かの精を吐き出した。
朦朧としている私を彼は見下ろす。
その彼がどんな顔をしているのか、私は知らない。


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