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第一章 入学編
『アリア』との出会い 〜レオンハルト視点〜
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・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
ヴヴヴヴヴ・・・・。
『殿下、『ヨークスカ』市街地で魔導機甲による戦闘が始まったようです』
「ちっ・・間に合わないか」
私達は『アーティナイ連邦軍』から『ヨークスカ』襲撃の報告を聞き、母艦である『サイナード』から発艦して援護に向かっていた。
魔導機甲の火力は絶大だ。
魔導機甲を常駐していない『ヨークスカ』では襲撃に対抗できる戦力を首都『カームクラン』から派遣しなければならない。
事態は一刻を争っていた。
「ちっ・・『女神様』によって平定された世界を乱す愚か者共めがっ!」
私は思わず悪態をついた。
『女神様』によって全人類が統治されてから一千年余り。
すっかり平和ボケしてしまったことも、襲撃への対処が出遅れた原因となった。
このままでは『ヨークスカ』が壊滅してしまう。
「やむを得ない、私が先行して向かう!」
『っ!?殿下、危険です!お待ちを!』
私の専属騎士であるアーヴィンが焦り始める。
「問題ない、私が乗るのは人工女神だ!敵が幾らいたとしても滅多なことにはならない!」
人工女神は『女神様』が生み出した対『邪神』用決戦兵器だ。
つまり、相手が『邪神』でなく同じ人間なら、私の『プラタナ』に傷一つ付けることはできないだろう。
それに、『プラタナ』は標準機の三倍以上の速度で飛行できる。
心配するアーヴィンには気の毒だが、先に行かせてもらおう。
意を決めた私は操縦レバーを一気に前方へ押し出した。
ババーン!!
直後、衝撃波を放ち空気の壁を突破した『プラタナ』が弾丸のように飛び出した。
『あ、ちょ!?殿下ぁぁぁぁぁ!!』
私は悲鳴を上げるアーヴィン達を置き去って『ヨークスカ』上空へと辿り着いた。
「っ!あれか!!」
私が到着した時、既に市街地は火の海と化していた。
「くそっ!『魔導増幅杖』か!・・早くなんとかしないと・・っ!?あれは何だ!?」
私が悔しさに歯を食いしばっていた時、赤熱する大地の中心に立つ一機の魔導機甲を発見した。
そして、どう見ても普通の魔導機甲とは思えない外観に私は息を呑んだ。
その魔導機甲が何よりも異質だったのは、装甲全体が淡く光り輝いていることであった。
それは、動作に必要なマナを機体の装甲で伝達しているということになる。
つまり、全てが神白銀によって作られた機体という何よりの証拠だ。
私の予想が正しければ、圧倒的な存在感を放つ漆黒の機体は、間違いなく人工女神だ。
問題は、黒の人工女神・・いや、『メルティーナ』が敵なのか、味方なのか、だ。
仮に敵であったとすれば最悪だ。
人工女神が敵というだけでまともに相手できる戦力は限られてしまう。
更に言えば、『メルティーナ』は『騎士』自身のマナを動力とする。
そして、『メルティーナ』が問題なく動いている以上、それを駆る『騎士』は間違いなく只の人間ではない。
私が息を呑みながら『メルティーナ』の動きを注視していた時、『メルティーナ』がゆっくりとした動作で、相対する魔導機甲へ掌を向けはじめた。
直後、『メルティーナ』の掌から魔導式が展開する。
まずい!
『メルティーナ』が放とうとしているのが炎属性魔導である事はわかったが、そのマナ出力が尋常じゃない。
もし、あれ程大規模な魔導が放たれてしまったら、『ヨークスカ』が無事で済まないのは火を見るよりも明らかだった。
『ファイヤーボール!!』
しかし、絶対的な破壊の魔道が今、放たれようとしていた。
「ええい!ままよ!」
私は『プラタナ』の防御魔導を信じて、『メルティーナ』に立ちはだかった。
「やめるんだっ!」
私は腹の底から声を出した。
『っ!?』
すると、『メルティーナ』はひどく驚きながら明後日の方向へ魔導を放った。
ピカッ!!
チュドォォォォン!!!
直後、『メルティーナ』から放たれた魔導は彼方の山を丸ごと消しとばした。
「まさか・・『メルティーナ』の力がこれ程とは・・な」
私は思わず呟いた。
殆ど詠唱という詠唱をしないまま無茶苦茶な威力の魔導を放った『メルティーナ』の『騎士』は、全くマナ切れを起こす気配がない。
つまり、この程度の攻撃など呼吸をするかのように容易いと言っているようなものであった。
私はその事実に戦慄した。
『っ!かっ・・頭ァ!別働隊から入電があった!無事『ヨークスカ』造船所にあった新型『飛行魔導神殿』の奪取に成功したようだぜ!』
『・・陽動はひとまず成功・・といえるのか・・どちらにせよ潮時だな、この件も『黒の君』に報告しなければ』
『よし、全機退却だ!』
『『了解!』』
キィィィ!!
そして、私が呆けている間に『ヨークスカ』を襲ったと思われる魔導機甲が退却しはじめる。
『っ!?』
それを見た『メルティーナ』は、逃げる為に離陸した魔導機甲を追いかけようとしていた。
確かに魔導機甲を取り逃す訳にはいかない。
だが、それよりも私にとってはこのまま『メルティーナ』を行かせる方が問題だと思った。
「待ってくれ!!」
だから、私は思わず『メルティーナ』を呼び止めた。
キイィィィン・・・。
ちょうどその時、『アーティナイ連邦軍』と合流した騎士達が到着したようであった。
『殿下!ご無事ですか!!』
「ああ、問題ない。だが、報告にあった五年前に奪われた魔導機甲は取り逃したようだ」
そのあと、しばらく私が騎士達と情報を共有していた時。
ギウゥゥゥゥン・・。
突然『メルティーナ』が動き出した。
ジャキッ!!
『そこの黒い魔導機甲!!勝手に動くことは認めない!!大人しく武装解除して投降しろ!!』
それをいち早く察知したアーヴィンが『メルティーナ』へと武器を向ける。
やめろ!『メルティーナ』を刺激するんじゃない!
私は叫びたくなるのを必死で抑えた。
何せ『メルティーナ』に乗る『騎士』は、ほぼノーチャージで山を一つ消しとばす程の魔導を放って尚、平然としている魔導士だ。
下手に刺激などしたら、何が起こるかわからない。
「何をしている!!アーヴィン!!その機体は私の『プラタナ』と同じ人工女神だ!先程の魔導を見ただろう!お前達が束になってかかっても相手にもならないぞ!」
「それに、『メルティーナ』が本当に遺された資料と同じ性能だとしたら、仮に生身の『騎士』相手でも太刀打ちできない筈だ」
『・・・・!』
その名を聞いて騎士達は私の意を汲んだようであった。
『『プラタナ』・・!』
それにしても、『メルティーナ』から発せられた『拡声魔導』・・。
改めて聴くと、なんて美しくて可憐な声なのだろうか。
そして、私は『メルティーナ』に女性が乗っていることに驚いた。
いや、二機の人工女神を駆った伝説の勇者は二人とも女性だった。
とすれば、『メルティーナ』の『騎士』が女性であってもおかしな話ではないのかもしれない。
私は慎重に言葉を選びながら『メルティーナ』へ語りかけた。
「レディ、私の部下が失礼した。見ての通り、私達は『ヨークスカ』の襲撃を聞いて駆けつけた者だ」
「先程の出来事を君に詳しく聞きたい。それに、君の乗るその機体、『メルティーナ』についてもね」
バシュウ・・・。
そう言うと、私はコクピットを解放して外に出て、『プラタナ』の肩部装甲までワイヤーフックを使って登った。
『っ!?殿下!!危ないですよ!!』
私はアーヴィンの言葉を無視して『メルティーナ』へと目を向けた。
まずは何より、私達に敵意がないことを示さなければならなかった。
だから、私は『プラタナ』から降りたのだ。
バシュウ・・ウィィィン!
すると、背部ハッチを解放した『メルティーナ』から一人の女の子が出てきた。
直後、その人物は少女とは思えない軽やかな身のこなしで、肩部装甲の上へと降り立った。
「ほぅ・・・」
私はその動きを見て、思わず声を漏らした。
そして、彼女の姿を目の当たりにした瞬間・・。
「っ!?」
私の中に稲妻が走ったような錯覚を覚えた。
私の想像に反して、『メルティーナ』に乗っていたのは同じ年くらいの少女だった。
風に靡く漆黒のロングヘアは濡れたように艶やか。
雪のように白い顔に収まる大きな双眸は黒曜石のよう。
そして、赤く染まった頬があどけなさを感じさせる。
身に纏っている純白のワンピースは庶民の着るシンプルなものだったが、それが逆に彼女の無垢さを際立たせていた。
私はその姿に一瞬で虜になってしまった。
「私の名は『レオンハルト・サークレット・イルティア』!!『神聖イルティア自治国』の第一王子だ!!」
私は高鳴る胸を抑え、なるべく平静を装いながら話した。
落ち着け・・第一印象は大事だ。
自慢じゃないが、今まで私の顔を見てきた女性はもれなくすり寄ってきたり私に気に入られようとしていた。
そんな私が、初めて会う女の子にここまで動揺するとは。
「失われた『黒の人工女神』の騎士よ!!!君の名は何という!?」
格好良く言ってるが、その実純粋に彼女の名前が知りたかっただけだ。
実は『メルティーナ』を見た瞬間、何とか私達の戦力として取り込めないかという打算も少し生まれた。
だが、彼女を目の当たりにして気持ちはガラリと変わった。
私は彼女が欲しい。
何が何でも、だ。
そう思わせる程、彼女は魅力的だった。
そして、目の前の可憐な美少女は『すぅ』と可愛らしく息を吸って、小さな口を開いた。
「私の名は・・・・『アリア』です!!!」
その瞬間、私は必ず『アリア』を手に入れると決意した。
・・・・・・・・・・。
ヴヴヴヴヴ・・・・。
『殿下、『ヨークスカ』市街地で魔導機甲による戦闘が始まったようです』
「ちっ・・間に合わないか」
私達は『アーティナイ連邦軍』から『ヨークスカ』襲撃の報告を聞き、母艦である『サイナード』から発艦して援護に向かっていた。
魔導機甲の火力は絶大だ。
魔導機甲を常駐していない『ヨークスカ』では襲撃に対抗できる戦力を首都『カームクラン』から派遣しなければならない。
事態は一刻を争っていた。
「ちっ・・『女神様』によって平定された世界を乱す愚か者共めがっ!」
私は思わず悪態をついた。
『女神様』によって全人類が統治されてから一千年余り。
すっかり平和ボケしてしまったことも、襲撃への対処が出遅れた原因となった。
このままでは『ヨークスカ』が壊滅してしまう。
「やむを得ない、私が先行して向かう!」
『っ!?殿下、危険です!お待ちを!』
私の専属騎士であるアーヴィンが焦り始める。
「問題ない、私が乗るのは人工女神だ!敵が幾らいたとしても滅多なことにはならない!」
人工女神は『女神様』が生み出した対『邪神』用決戦兵器だ。
つまり、相手が『邪神』でなく同じ人間なら、私の『プラタナ』に傷一つ付けることはできないだろう。
それに、『プラタナ』は標準機の三倍以上の速度で飛行できる。
心配するアーヴィンには気の毒だが、先に行かせてもらおう。
意を決めた私は操縦レバーを一気に前方へ押し出した。
ババーン!!
直後、衝撃波を放ち空気の壁を突破した『プラタナ』が弾丸のように飛び出した。
『あ、ちょ!?殿下ぁぁぁぁぁ!!』
私は悲鳴を上げるアーヴィン達を置き去って『ヨークスカ』上空へと辿り着いた。
「っ!あれか!!」
私が到着した時、既に市街地は火の海と化していた。
「くそっ!『魔導増幅杖』か!・・早くなんとかしないと・・っ!?あれは何だ!?」
私が悔しさに歯を食いしばっていた時、赤熱する大地の中心に立つ一機の魔導機甲を発見した。
そして、どう見ても普通の魔導機甲とは思えない外観に私は息を呑んだ。
その魔導機甲が何よりも異質だったのは、装甲全体が淡く光り輝いていることであった。
それは、動作に必要なマナを機体の装甲で伝達しているということになる。
つまり、全てが神白銀によって作られた機体という何よりの証拠だ。
私の予想が正しければ、圧倒的な存在感を放つ漆黒の機体は、間違いなく人工女神だ。
問題は、黒の人工女神・・いや、『メルティーナ』が敵なのか、味方なのか、だ。
仮に敵であったとすれば最悪だ。
人工女神が敵というだけでまともに相手できる戦力は限られてしまう。
更に言えば、『メルティーナ』は『騎士』自身のマナを動力とする。
そして、『メルティーナ』が問題なく動いている以上、それを駆る『騎士』は間違いなく只の人間ではない。
私が息を呑みながら『メルティーナ』の動きを注視していた時、『メルティーナ』がゆっくりとした動作で、相対する魔導機甲へ掌を向けはじめた。
直後、『メルティーナ』の掌から魔導式が展開する。
まずい!
『メルティーナ』が放とうとしているのが炎属性魔導である事はわかったが、そのマナ出力が尋常じゃない。
もし、あれ程大規模な魔導が放たれてしまったら、『ヨークスカ』が無事で済まないのは火を見るよりも明らかだった。
『ファイヤーボール!!』
しかし、絶対的な破壊の魔道が今、放たれようとしていた。
「ええい!ままよ!」
私は『プラタナ』の防御魔導を信じて、『メルティーナ』に立ちはだかった。
「やめるんだっ!」
私は腹の底から声を出した。
『っ!?』
すると、『メルティーナ』はひどく驚きながら明後日の方向へ魔導を放った。
ピカッ!!
チュドォォォォン!!!
直後、『メルティーナ』から放たれた魔導は彼方の山を丸ごと消しとばした。
「まさか・・『メルティーナ』の力がこれ程とは・・な」
私は思わず呟いた。
殆ど詠唱という詠唱をしないまま無茶苦茶な威力の魔導を放った『メルティーナ』の『騎士』は、全くマナ切れを起こす気配がない。
つまり、この程度の攻撃など呼吸をするかのように容易いと言っているようなものであった。
私はその事実に戦慄した。
『っ!かっ・・頭ァ!別働隊から入電があった!無事『ヨークスカ』造船所にあった新型『飛行魔導神殿』の奪取に成功したようだぜ!』
『・・陽動はひとまず成功・・といえるのか・・どちらにせよ潮時だな、この件も『黒の君』に報告しなければ』
『よし、全機退却だ!』
『『了解!』』
キィィィ!!
そして、私が呆けている間に『ヨークスカ』を襲ったと思われる魔導機甲が退却しはじめる。
『っ!?』
それを見た『メルティーナ』は、逃げる為に離陸した魔導機甲を追いかけようとしていた。
確かに魔導機甲を取り逃す訳にはいかない。
だが、それよりも私にとってはこのまま『メルティーナ』を行かせる方が問題だと思った。
「待ってくれ!!」
だから、私は思わず『メルティーナ』を呼び止めた。
キイィィィン・・・。
ちょうどその時、『アーティナイ連邦軍』と合流した騎士達が到着したようであった。
『殿下!ご無事ですか!!』
「ああ、問題ない。だが、報告にあった五年前に奪われた魔導機甲は取り逃したようだ」
そのあと、しばらく私が騎士達と情報を共有していた時。
ギウゥゥゥゥン・・。
突然『メルティーナ』が動き出した。
ジャキッ!!
『そこの黒い魔導機甲!!勝手に動くことは認めない!!大人しく武装解除して投降しろ!!』
それをいち早く察知したアーヴィンが『メルティーナ』へと武器を向ける。
やめろ!『メルティーナ』を刺激するんじゃない!
私は叫びたくなるのを必死で抑えた。
何せ『メルティーナ』に乗る『騎士』は、ほぼノーチャージで山を一つ消しとばす程の魔導を放って尚、平然としている魔導士だ。
下手に刺激などしたら、何が起こるかわからない。
「何をしている!!アーヴィン!!その機体は私の『プラタナ』と同じ人工女神だ!先程の魔導を見ただろう!お前達が束になってかかっても相手にもならないぞ!」
「それに、『メルティーナ』が本当に遺された資料と同じ性能だとしたら、仮に生身の『騎士』相手でも太刀打ちできない筈だ」
『・・・・!』
その名を聞いて騎士達は私の意を汲んだようであった。
『『プラタナ』・・!』
それにしても、『メルティーナ』から発せられた『拡声魔導』・・。
改めて聴くと、なんて美しくて可憐な声なのだろうか。
そして、私は『メルティーナ』に女性が乗っていることに驚いた。
いや、二機の人工女神を駆った伝説の勇者は二人とも女性だった。
とすれば、『メルティーナ』の『騎士』が女性であってもおかしな話ではないのかもしれない。
私は慎重に言葉を選びながら『メルティーナ』へ語りかけた。
「レディ、私の部下が失礼した。見ての通り、私達は『ヨークスカ』の襲撃を聞いて駆けつけた者だ」
「先程の出来事を君に詳しく聞きたい。それに、君の乗るその機体、『メルティーナ』についてもね」
バシュウ・・・。
そう言うと、私はコクピットを解放して外に出て、『プラタナ』の肩部装甲までワイヤーフックを使って登った。
『っ!?殿下!!危ないですよ!!』
私はアーヴィンの言葉を無視して『メルティーナ』へと目を向けた。
まずは何より、私達に敵意がないことを示さなければならなかった。
だから、私は『プラタナ』から降りたのだ。
バシュウ・・ウィィィン!
すると、背部ハッチを解放した『メルティーナ』から一人の女の子が出てきた。
直後、その人物は少女とは思えない軽やかな身のこなしで、肩部装甲の上へと降り立った。
「ほぅ・・・」
私はその動きを見て、思わず声を漏らした。
そして、彼女の姿を目の当たりにした瞬間・・。
「っ!?」
私の中に稲妻が走ったような錯覚を覚えた。
私の想像に反して、『メルティーナ』に乗っていたのは同じ年くらいの少女だった。
風に靡く漆黒のロングヘアは濡れたように艶やか。
雪のように白い顔に収まる大きな双眸は黒曜石のよう。
そして、赤く染まった頬があどけなさを感じさせる。
身に纏っている純白のワンピースは庶民の着るシンプルなものだったが、それが逆に彼女の無垢さを際立たせていた。
私はその姿に一瞬で虜になってしまった。
「私の名は『レオンハルト・サークレット・イルティア』!!『神聖イルティア自治国』の第一王子だ!!」
私は高鳴る胸を抑え、なるべく平静を装いながら話した。
落ち着け・・第一印象は大事だ。
自慢じゃないが、今まで私の顔を見てきた女性はもれなくすり寄ってきたり私に気に入られようとしていた。
そんな私が、初めて会う女の子にここまで動揺するとは。
「失われた『黒の人工女神』の騎士よ!!!君の名は何という!?」
格好良く言ってるが、その実純粋に彼女の名前が知りたかっただけだ。
実は『メルティーナ』を見た瞬間、何とか私達の戦力として取り込めないかという打算も少し生まれた。
だが、彼女を目の当たりにして気持ちはガラリと変わった。
私は彼女が欲しい。
何が何でも、だ。
そう思わせる程、彼女は魅力的だった。
そして、目の前の可憐な美少女は『すぅ』と可愛らしく息を吸って、小さな口を開いた。
「私の名は・・・・『アリア』です!!!」
その瞬間、私は必ず『アリア』を手に入れると決意した。
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