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第六章『運命の天正十年!本能寺カウントダウン』

9『信長、引退宣言』

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【おわび】――《彌介VS武田軍》突然の終了のお知らせ。


三月十日 織田、徳川、北条の三か国軍に攻められた武田軍は、呆気なく崩壊。武田勝頼の自刃にて、甲斐の武田氏滅亡。


なんと信長率いる軍が甲斐に到着する前に、

勝頼は家臣達の裏切りにあい弱体化していたこともあり――

嫡男信忠率いる先発軍が武田軍を倒してしまったのだ。


……ということで、信長と同行していた彌介は今回出番無しに……。

拙者も彌介の活躍を伝えたかったのですが、期待していた方々、本当にすいません。

……でも、勝頼が弱すぎて彌介の出番が無かったんだ。

文句は勝頼に言ってね?!


三月二六日 諏訪法花寺

――陣内で信長に戦勝報告をする、今回の武田攻め総大将信忠。


「ようやった信忠、天下の儀、御与奪であるぞ」※『信長公記』

ここでの御与奪とは一般に、譲るという意味で解釈されてますので――信長は突然、《引退宣言》をしたことになる。


すでに信忠に織田家の家督を譲っていた信長は、

二十六歳の若武者に、天下を譲ると言ったのである。

「はっ、有り難き幸せ」

突然信長に天下を任されたのに、顔色一つ変えずはっきりと返事をする精悍な信忠。


このやりとりは『信長公記』に、

武功を立てた信忠に、信長が『天下の儀御与奪』と述べたシーンですが、その信長の意図には実は……いろんな説があるのだ。


息子が活躍したので、嬉しすぎてリップサービスで、天下を譲ると誉めた説。


信忠を関白にすることで、天下人とする説。

つまり、後の関白・そして太閤となり豊臣秀吉が天下人になったように、嫡男信忠を天下人することを信長が考えていた。


そして最後に――

拙者が提唱するのが――


織田信忠、驚愕の《エヴァンゲリオン》計画、参加説である!


詳細は当然、本作の核心中の核心になりますので、後述になりますが――


ここまで読んで頂いた皆様の為に、少しだけリップサービスを!


《エヴァンゲリオン》計画には、三人の参画者がいる。

その一人は、織田信長。

その一人は、明智光秀。

その一人は、彌介……あっ間違えた。

その一人は、織田信忠。

――である!


そうつまり、この三人によって『本能寺の変』は、

――計画的に実行させたのである。




四月十二日

「……」

山頂に雪積もる富士山を見上げる――彌介。

――信長は信忠と別れ、帰路富士山によったのであった。

『信長公記』には、信長は富士山麓で馬駆けをしたとある。


それにしても……

一体誰が、後二ヶ月後に、彼が“天に帰る”事など……

……想像できたであろうか……


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