129 / 310
第七章『愛宕百韻』と光秀謀反の句の謎
12 『2ページで崩れさる、光秀決意表明説』(1)
しおりを挟む
○光秀発句『謀反決意表明説』への反論
先の場面――
羽柴秀吉が、愛宕神社から奉納された『愛宕百韻』の記された懐紙の本物を持ち出したシーンは、記録が無い為に当然……フィクションとなります。
――しかし、
そもそも、連歌を神社等に奉納する行為というのは、当然その連歌が記されたる懐紙を――
燃やして無くすとか、棄てるという意味ではありませんよね?
「そういうことか!」
「確かにこれが、決意表明なんておかしい」
とここまでで気付かれた読者様……ありがとうございます。
――正解です!
……確かに奉納と公開とは違います。
しかし、まさに奉納されたものは、神社にあるのです。
そうです、
もし明智光秀がこの『愛宕百韻』で謀反を決意したとしてもです、しっかりと懐紙に記録される、そして神社に奉納されると解っている連歌興行で――
『謀反の決意表明』を連歌で詠う発句の形ではあるとしても、
そんな“犯行の証拠”みたいなものを……
後世にわざわざ残すでしょうか?――ということです!
しかも今、後世と書きましたが、
もし光秀の発句が仮に『犯行決意文』として、それが奉納されたのは本能寺の変の前日ではなくて、なんと三日も前です!
つまり、本能寺事件前に光秀が謀反を決意したことが――
この『発句』から事件前に露見する可能性がかなりあり、つまり計画が失敗する可能性が高くなってしまいます。
何故なら……
そもそも、愛宕神社も織田信長の勢力下であり、そもそも光秀が参加した連歌興行――
『愛宕百韻』を信長側が全く知らなかったということが……
……あり得るでしょうか?
先の場面――
羽柴秀吉が、愛宕神社から奉納された『愛宕百韻』の記された懐紙の本物を持ち出したシーンは、記録が無い為に当然……フィクションとなります。
――しかし、
そもそも、連歌を神社等に奉納する行為というのは、当然その連歌が記されたる懐紙を――
燃やして無くすとか、棄てるという意味ではありませんよね?
「そういうことか!」
「確かにこれが、決意表明なんておかしい」
とここまでで気付かれた読者様……ありがとうございます。
――正解です!
……確かに奉納と公開とは違います。
しかし、まさに奉納されたものは、神社にあるのです。
そうです、
もし明智光秀がこの『愛宕百韻』で謀反を決意したとしてもです、しっかりと懐紙に記録される、そして神社に奉納されると解っている連歌興行で――
『謀反の決意表明』を連歌で詠う発句の形ではあるとしても、
そんな“犯行の証拠”みたいなものを……
後世にわざわざ残すでしょうか?――ということです!
しかも今、後世と書きましたが、
もし光秀の発句が仮に『犯行決意文』として、それが奉納されたのは本能寺の変の前日ではなくて、なんと三日も前です!
つまり、本能寺事件前に光秀が謀反を決意したことが――
この『発句』から事件前に露見する可能性がかなりあり、つまり計画が失敗する可能性が高くなってしまいます。
何故なら……
そもそも、愛宕神社も織田信長の勢力下であり、そもそも光秀が参加した連歌興行――
『愛宕百韻』を信長側が全く知らなかったということが……
……あり得るでしょうか?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる