上 下
231 / 310
第十章 『新説【本能寺の変】~“旧説”が、全て消え去る日~』

1 『【諸説争乱】本能寺の変』〈1〉

しおりを挟む
○《本能寺の変》には、数多の説が存在する


拙者が提唱する『信長による福音書』計画説の根拠は、

前章までで大筋すでに述べてきた。


……しかし、しかしである。


これがこの説が本当に《真実》なら……

実は、というか当然、とんでもないことが起きる、起こってしまうのである!


それは……


現在確認されているだけでも、細かく分けると100説以上あるのではないかという……

《本能寺の変》の真相、つまりその数多の説が――


全て否定されるからである!


そう、その数多の説全てが間違っていることになり、この世からいつしか消え去ることとなろう。


――ということで、まずその検証の為に、

《本能寺の変》の真相を語った諸説をできるだけ網羅してみます。

(『Wikipedia』の『本能寺の変』の項を参照に製作)


【明智光秀に起因する説】


1《光秀の個人的感情》説

○野望説

『信長の野望』ならぬ、『光秀の野望』。

戦国時代の武将なら、多かれ少なかれ“下克上”の気持ちがありそう。

「信長の次は、俺が天下人だ」by光秀


○突発説(・光秀偶発説・信長油断説)

もともと信長を討つこと等、考えてもいなかったが、たまたま信長が少人数しか連れず本能寺に宿泊したことを知り、

「これは千載一遇の好機だ!」と思い立ったら即実行の光秀。


――逆にいうと、『油断大敵』!

謀反をおこしたくなるような機会を……

たまたま?つくってしまった信長の人生最大の失敗。


○怨恨説(私憤説)

「よくも皆の前で、殴打したな!」等の怨み怒りから。


○不安説(・焦慮説・窮鼠説)


「このままでは自分も用済みになったら捨てられるだろう。

それが嫌なら、今裏切るしかない!」


○ノイローゼ説

悩みすぎて正常な判断ができず。

「気づいたら……殺っちゃった……」


――以上は、『本能寺の変』の後の、光秀のあまりに計画性の無い杜撰な行動を考えると、以外とありそうな説。


○武田氏等との内通露顕説

「信長は、裏切り者は許さない。信長が私の裏切りを確信する前に、裏切るしかない」


○人間性不一致説

「やはり、あのような狂暴な魔王はついていけぬ」


○秀吉ライバル視説

「このまま秀吉が毛利を倒してしまえば、秀吉が信長第一の家臣になる。猿の下だけは嫌だ」


2《大義名分存在》説

○救世主説

一瞬、文字だけだと本作と同じ主張かな?と感じるかもしれませんが……

主語が光秀なので、

『魔王信長を倒すことで、私は民の為に救世主になる!』

と、本気で信長を嫌っているという説。


○神格化阻止説

「人間が神に成るなど、あってはならぬ!」


○非道・暴君討伐説

「仏を恐れぬ比叡山焼き討ち等の非道、そして家臣への厳しい仕打ち、こんな酷い主君は打ち倒すべし!」


○朝廷守護説

「天皇を安土に拉致する計画とは、さすがに我慢できん。

――朝敵信長を成敗する!」


○源平交代説

「平氏を名乗る信長の次は、源氏の私が天下人だ!」


○四国征伐回避説・面目丸潰れ説

「家老斎藤利三と婚戚の長宗我部を討たせる訳にはいかぬ」

「今まで長宗我部の取り次ぎは私がやってきたのに……

しかも今度の四国征伐の任からも外せれ、面目丸潰れ」


○その他、〈不安説+朝廷守護〉説、等の複合説




――次回、驚きの《真犯人》の数々!

しおりを挟む

処理中です...