276 / 310
第十二章《エデンの東》~東の果てで魔王と出会った者~
3『ドラゴン・クエスト?』
しおりを挟む
安土城城内・総見寺参道をを闊歩する、一際目を引くその“不思議なパーティー”のメンバーは――
日本人・織田信長、
イタリア人・ ヴァリニャーノ、
アフリカ人・彌介(ヤスケ)であった。
文献によるとこの三人のパーティー、
白人で身長2mのヴァリニャーノと、
これまた身長2mの黒人彌介の間に――
身長165cmの信長がいるから、この日本において一際目を引くのである。
そう、
だから白と黒の――巨大“ツインタワー”を引き連れて信長が歩いているという――
ありえない様な面白い構図が“目の前”にあるのだ。
しかも、この日ヴァリニャーノが安土をさり、九州からローマに帰国するための別れの挨拶をしに安土城に途上したと実際に『日本巡察記』にあるのだ!
そう、これはフィクションではなく――
黄色人種の信長と家臣の黒人彌介、白人宣教師ヴァリニャーノ、そして通訳のロレンソというこの組み合わせは、実に国際色豊かなメンバーでありながら、戦国時代に実在したパーティーなのである。
そう、この信長時代というのは、幕末明治の開国に先駆けた第一の開国時代と呼ばれるほどに、緒外国との貿易が盛んな時代なのであった。
――それにしても、この集団構成って、
あの超有名なゲーム――
《ドラゴンクエスト》
のパーティ構成にそっくりじゃない!?
威風堂々――他を圧倒するような信長を《勇者》とするなら――
身長2mあり金髪碧眼のヴァリニャーノはその南蛮人の服装もあり――正に《魔法使い》☆★
その鍛え抜かれた強靭な黒い肌を持つ彌介は当然――
《戦士》と呼ぶにふさわしい。
おまけに、剃髪の修道士で黒いカッパを着ている日本人のロレンソは――
そう、《僧侶》だ!
――そう、だから信長一向はこんなに奇妙な集団なのだから、市民が騒ぐのも当然なのであった。
しかももこの信長パーティのキャラクターは全員、実際に実在しているのである!
この戦国時代に、“ドラクエ”パーティが日本全土をかっぽする。
こんな、ゲームどうですか?
「見せたかったのはこれである」
信長が歩みを止めて指を指す前方には――三重の塔が見えた。
信長とそのパーティは百々橋口道から天主に向かって安土山を上ってきたのであある。
しかし、天主に行き着く前に――天主とは別の建物が建っていたのであった。
「立派な建物ですね」
ヴァリニャーノは辺りを見回しながら言った。
辺りには沢山の建物がある。
さっき上ってきた時に見えた三重の塔は右手に、そしてこの数々の建築物の中で一番大きい建物は左手にあった。
そう、百々橋口道はこの建築群を突抜ているのである。
――つまり、百々橋口道で天主に向かうにはこの建築物を必ず通り抜けねばならないのであった。
「――信長様、ここ一帯はなんと言う場所なのですか?」ヴァリニャーノは興味深そうに尋ねる。
「――《総見寺そうけんじ》である。そして左手にある大きな建物が、その本堂である」
信長は辺りを眺めながら満足そうに答える。
それをロレンソから訳され聞いたヴァリニャーノは、しかし表情を曇らせた。
「――という事は“仏教寺院”ですよね……」
次回、いぶかるにヴァリニャーノに織田信長は、恐るべき計画を伝える。
その計画とは……?
日本人・織田信長、
イタリア人・ ヴァリニャーノ、
アフリカ人・彌介(ヤスケ)であった。
文献によるとこの三人のパーティー、
白人で身長2mのヴァリニャーノと、
これまた身長2mの黒人彌介の間に――
身長165cmの信長がいるから、この日本において一際目を引くのである。
そう、
だから白と黒の――巨大“ツインタワー”を引き連れて信長が歩いているという――
ありえない様な面白い構図が“目の前”にあるのだ。
しかも、この日ヴァリニャーノが安土をさり、九州からローマに帰国するための別れの挨拶をしに安土城に途上したと実際に『日本巡察記』にあるのだ!
そう、これはフィクションではなく――
黄色人種の信長と家臣の黒人彌介、白人宣教師ヴァリニャーノ、そして通訳のロレンソというこの組み合わせは、実に国際色豊かなメンバーでありながら、戦国時代に実在したパーティーなのである。
そう、この信長時代というのは、幕末明治の開国に先駆けた第一の開国時代と呼ばれるほどに、緒外国との貿易が盛んな時代なのであった。
――それにしても、この集団構成って、
あの超有名なゲーム――
《ドラゴンクエスト》
のパーティ構成にそっくりじゃない!?
威風堂々――他を圧倒するような信長を《勇者》とするなら――
身長2mあり金髪碧眼のヴァリニャーノはその南蛮人の服装もあり――正に《魔法使い》☆★
その鍛え抜かれた強靭な黒い肌を持つ彌介は当然――
《戦士》と呼ぶにふさわしい。
おまけに、剃髪の修道士で黒いカッパを着ている日本人のロレンソは――
そう、《僧侶》だ!
――そう、だから信長一向はこんなに奇妙な集団なのだから、市民が騒ぐのも当然なのであった。
しかももこの信長パーティのキャラクターは全員、実際に実在しているのである!
この戦国時代に、“ドラクエ”パーティが日本全土をかっぽする。
こんな、ゲームどうですか?
「見せたかったのはこれである」
信長が歩みを止めて指を指す前方には――三重の塔が見えた。
信長とそのパーティは百々橋口道から天主に向かって安土山を上ってきたのであある。
しかし、天主に行き着く前に――天主とは別の建物が建っていたのであった。
「立派な建物ですね」
ヴァリニャーノは辺りを見回しながら言った。
辺りには沢山の建物がある。
さっき上ってきた時に見えた三重の塔は右手に、そしてこの数々の建築物の中で一番大きい建物は左手にあった。
そう、百々橋口道はこの建築群を突抜ているのである。
――つまり、百々橋口道で天主に向かうにはこの建築物を必ず通り抜けねばならないのであった。
「――信長様、ここ一帯はなんと言う場所なのですか?」ヴァリニャーノは興味深そうに尋ねる。
「――《総見寺そうけんじ》である。そして左手にある大きな建物が、その本堂である」
信長は辺りを眺めながら満足そうに答える。
それをロレンソから訳され聞いたヴァリニャーノは、しかし表情を曇らせた。
「――という事は“仏教寺院”ですよね……」
次回、いぶかるにヴァリニャーノに織田信長は、恐るべき計画を伝える。
その計画とは……?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる