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第十二章《エデンの東》~東の果てで魔王と出会った者~
32 『……ついに、キリスト教最大の敵サタン登場?!』
しおりを挟むムッギョギョギョギョ……
黒い大蛇の群れは、周囲を漆黒の闇に変えながら東の空に昇っていく……。
「ウッ……」あまりの圧倒的なプレッシャーに、フランシスコ・ザビエルの円形に剃り上げた頭頂部は、ヒリヒリ度Maxで悲鳴を上げているかのように痺れて痛い!
ゴグルグルッ……
そして、東の空でうようよと集まり集まり、大きな大きな渦と化していく……。
そしてその大きな黒い一つの渦と化したそれは、まるで……
「《黒き龍》!……これこそが、我が師ロヨラ様の見た……」
しかも、その渦のそう黒き龍が渦巻き渦巻き、その周辺部からどんどん中心部に近付くほど――
何故だか……何故だか……
黒き龍のとぐろの中心部は、鮮やかな色彩を放ちながら何かの映像……いやはっきりした《風景》に変わっていく。
そう、まるで黒くて丸い巨大な額縁の中に描かれた風景画のように……はっきりとザビエルには見えた。
「ロヨラ様、これはいったい……」
これから暗黒の魔王が登場ではないのですか?
しかし……これでは、この風景では……。
そして大きな黒き渦の中心の風景は――
明らかにこの瓦礫の町にはふさわしくない――
――お花畑を映し出していた、……。
こ、これは一体……
風が見えるなんてもんじゃない……
明らかに渦の中に花畑が……
「アーメン」
サビエルは神に助けを求めるように十字をきった。
するとまるで――
その言葉に反応したように……風が一瞬揺らめき……
そして、渦の中の花畑の奥に……人影が現れた。
「なんだこの風景は……」
わ、私がいつも思い描いていた風景ではないか……
そ、そう永遠の“エデン”……
はっということは――
あの人影は……
我が主――
――イエス・キリスト様!
――その者が、こちらに近付いてくる――
「……はっ!」
サビエルが気が付くと、
もうそこには“楽園”はなく、ただの荒涼とした京の風景……
――いや、問題はそこでは無い!
――“その者”が目の前に立っているのだ。
ザビエルは驚き叫んだ――
「あ、あなた様は……いえす……」
「いえ……お、お前は……!」
……――さ、サタン!!
次回、はたしてサタン?!の正体は……
やはり我らがヒーロー織田信長なのであろうか?
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