【短編】ザ・ライジング・猿~the Rising “salu”~日本史上最大のサクセスストーリーはここから始まった!

枢木卿弼

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7『呻き声』

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そう、分かりやすいターゲット――
農民出身の彼――
秀吉をいじめ、奴らは安心しているのだ。


――あいつよりは上だと。


――度重なるいじめに、冷静な判断ではおられなくなっていたのかもしれない……


もう自暴自棄になった彼は……自らの指を……



……捨てる事にした……。


「……もうえぇわ!」


秀吉はそううめくと、石を握り締めた左手をとっさに振り上げ――
地面に右手を押し付けると……

その一本多い指めがけて思いっきり石を降り下ろした――



グチャ……



……飛び散る血しぶき。


「うぐぅっ……」



そして秀吉は痛みを堪え切れず呻いた……


と、なるはずが……


……あれ、ちょっと待てよ……




……今の声……


……俺の声じゃないぞ………?


驚き恐怖からつむっていた目を開けると……



……何と目の前に手の平があった。
そして……



――指は五本になっていた!



ではなく、それは



――その血まみれの手の平は……



秀吉の降り下ろした石を……
手の平で受け止めていたのであった。



慌てて、しかし恐る恐る……その手の持ち主の顔を見る秀吉――



「……と、殿……」



……何と、石を受け止めたのは、
――主君織田信長の手であった。
    
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