1 / 6
序章 紅蓮の炎と漆黒の…
黒き者
しおりを挟む
……魔王信長が倒れている……。
紅蓮の炎が、ゴォオっとまるで生き物のように奥座敷を包んでいくなかで……
……あの魔王と自称し、そして恐れられた織田信長が、うつ伏せに倒れている。
そしてその首は……その首は、
……もうすでに無く、あたりを包む炎のように赤い鮮血が、ポタリポタリと滴り落ちて周りを染めていた。
『我が敵は本能寺にあり』
天正十年六月二日早朝──
織田信長随一の家臣であった明智光秀の号令により、本能寺の変は幕を開けた。
だがその戦闘は長く続かなかった……
本能寺にいるのは信長のとりまき六十人あまり、対する光秀軍は一万、多勢に無勢、完全な奇襲となったこの戦いはもう終わりを向かえようとしていた。
そう、織田信長というこの時代の支配者の死をもって……
「信長はどこだ?」
ドタドタと走りながら叫ぶ、将の声が聞こえる。
そして兵たちが廊下を走り回る音も……
「見つけ次第、首をとるのじゃ、信長の首があれば我が光秀様が次の主じゃ」「おぉ」
……しかしその声もすぐに聞こえなくなっていた。
本能寺に上がった火の手は、瞬く間に寺の全体を覆い尽くしていったからだ。
めらめらと、炎が薄暗い部屋を照らしている。
その炎は激しさを増し、その紅蓮の炎はまるで生きているようにうねり、部屋の全てを覆い尽くしていく。
そう、その部屋に佇む一人の者をも飲み込もうとしている。
そして驚くことにその炎を照らされたその者は、紅蓮の炎に照らされたその肌は……
黒く輝いていた。
そしてその者の手に持つものは……
……信長の首であった。
紅蓮の炎が、ゴォオっとまるで生き物のように奥座敷を包んでいくなかで……
……あの魔王と自称し、そして恐れられた織田信長が、うつ伏せに倒れている。
そしてその首は……その首は、
……もうすでに無く、あたりを包む炎のように赤い鮮血が、ポタリポタリと滴り落ちて周りを染めていた。
『我が敵は本能寺にあり』
天正十年六月二日早朝──
織田信長随一の家臣であった明智光秀の号令により、本能寺の変は幕を開けた。
だがその戦闘は長く続かなかった……
本能寺にいるのは信長のとりまき六十人あまり、対する光秀軍は一万、多勢に無勢、完全な奇襲となったこの戦いはもう終わりを向かえようとしていた。
そう、織田信長というこの時代の支配者の死をもって……
「信長はどこだ?」
ドタドタと走りながら叫ぶ、将の声が聞こえる。
そして兵たちが廊下を走り回る音も……
「見つけ次第、首をとるのじゃ、信長の首があれば我が光秀様が次の主じゃ」「おぉ」
……しかしその声もすぐに聞こえなくなっていた。
本能寺に上がった火の手は、瞬く間に寺の全体を覆い尽くしていったからだ。
めらめらと、炎が薄暗い部屋を照らしている。
その炎は激しさを増し、その紅蓮の炎はまるで生きているようにうねり、部屋の全てを覆い尽くしていく。
そう、その部屋に佇む一人の者をも飲み込もうとしている。
そして驚くことにその炎を照らされたその者は、紅蓮の炎に照らされたその肌は……
黒く輝いていた。
そしてその者の手に持つものは……
……信長の首であった。
0
あなたにおすすめの小説
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
【戦国時代小説】 甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助
蔵屋
歴史・時代
わたしは、以前、甲斐国を観光旅行したことがある。
何故、甲斐国なのか?
それは、日本を象徴する富士山があるからだ。
さて、今回のわたしが小説の題材にした『甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助』はこの甲斐国で殆どの戦国乱世の時代を生き抜いた。そして越後の雄•上杉謙信との死闘は武田信玄、山本勘助にとっては人生そのものであったことだろう。
そんな彼らにわたしはスポットライトを当て読者の皆さんに彼らの素顔を知って頂く為に物語として執筆したものである。
なお、この小説の執筆に当たり『甲陽軍鑑』を参考にしていることを申し述べておく。
それでは、わたしが執筆した小説を最後までお楽しみ下さい。
読者の皆さんの人生において、お役に立てれば幸いです。
【読者賞】江戸の飯屋『やわらぎ亭』〜元武家娘が一膳でほぐす人と心〜
旅する書斎(☆ほしい)
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 読者賞(読者投票1位)受賞】
文化文政の江戸・深川。
人知れず佇む一軒の飯屋――『やわらぎ亭』。
暖簾を掲げるのは、元武家の娘・おし乃。
家も家族も失い、父の形見の包丁一つで町に飛び込んだ彼女は、
「旨い飯で人の心をほどく」を信条に、今日も竈に火を入れる。
常連は、職人、火消し、子どもたち、そして──町奉行・遠山金四郎!?
変装してまで通い詰めるその理由は、一膳に込められた想いと味。
鯛茶漬け、芋がらの煮物、あんこう鍋……
その料理の奥に、江戸の暮らしと誇りが宿る。
涙も笑いも、湯気とともに立ち上る。
これは、舌と心を温める、江戸人情グルメ劇。
【最新版】 日月神示
蔵屋
歴史・時代
最近日月神示の予言本に不安を抱いている方もあると思うがまったく心配いらない。
何故なら日月神示では「取り越し苦労や過ぎ越し苦労はするな!」
「今に生きよ!」
「善一筋で生きよ!」
「身魂磨きをせよ!」
「人間の正しい生き方」
「人間の正しい食生活」
「人間の正しい夫婦のあり方」
「身も心も神さまからお借りしているのじゃから夜になって寝る前に神さまに一旦お返しするのじゃ。そうしたら身と心をどのようにしたらよいか、分かるじゃろ!」
たったのこれだけを守れば良いということだ。
根拠のない書籍や情報源等に惑わされてはダメだ。
日月神示も出口王仁三郎もそのようなことは一切言っていない。
これらの書籍や情報源は「日月神示」が警告する「臣民を惑わすものが出てくるから気をつけよ!」
という言葉に注目して欲しい。
今回、私は読者の皆さんに間違った解釈をされている日月神示を分かりやすく解説していくことにしました。
どうか、最後までお読み下さい。
日月神示の予言については、私が執筆中の「神典日月神示の真実」をお読み下さい。
楽将伝
九情承太郎
歴史・時代
三人の天下人と、最も遊んだ楽将・金森長近(ながちか)のスチャラカ戦国物語
織田信長の親衛隊は
気楽な稼業と
きたもんだ(嘘)
戦国史上、最もブラックな職場
「織田信長の親衛隊」
そこで働きながらも、マイペースを貫く、趣味の人がいた
金森可近(ありちか)、後の長近(ながちか)
天下人さえ遊びに来る、趣味の達人の物語を、ご賞味ください!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる