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アリ
しおりを挟む甘いにおいがする…。
この家には子供がいるから、お菓子をしょっちゅう
こぼしている。
みんなでお菓子の食べこぼしにまっしぐらに向かって、
僕も甘い塊を担ぐ。
重い…。
正直、このの甘い塊を食べたいが、
いやいやいや!!
周りの仲間も頑張ってるのに!!
と、自分だけズルするのも気が引けた。
冬になればコレが食べられるんだ!!
と…考えていたら、目の前に
大きな音をたて、大きな壁が立ちふさがった。
そして、その壁が消えたと思ったら…
仲間が潰されて、もがき苦しんでいた。
……………。
ありがとう…さようなら…。
壁は人間の足だった…。
僕はこの光景がいつも不思議に思う。
アリという弱い立場に生まれたために、
どうしてこうも強い立場に
人生を、仲間を奪われなくてはならないんだろう。
あーあ…早く生まれ変わりたい…。
どうせなら、人間がいいな…楽だろうな…。
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