47 / 93
47.羞恥プレイと生徒会室の攻防戦
しおりを挟む
「⋯⋯お仕置きだな。約束を破って心配をかけた悪い子には必要だろ?」
「はっ、はい?」
顔を引き攣らせたセアラに悪どい顔をしたリチャード王子がニヤリと笑った。
「と、アリエノールなら言いそうだ。本当に心配させないでくれよ、聞いた時は心臓が止まるかと思ったんだぞ。
で、セアラは寮に直行な。しっかりと覚悟しといた方がいいぞ」
思わせぶりな台詞を吐いたリチャード王子がセアラの頭をわしゃわしゃと撫でた後アーチャーに声をかけにいった。
(吃驚したわ、お仕置きなんて仰るんだもの。寮で覚悟って何かしら?)
リチャード王子に抱えられ寮の入り口でメアリーアンに引き渡されるまでセアラは真っ赤な顔で俯いていた。
「セアラ様、お顔はこっちですよ」
「セアラ様、アーンですよ」
「セアラ様、抱っこしますよ」
(こっ、コレがお仕置きかしら? 羞恥プレイって言うやつよね)
リチャードが言っていた『寮に直行、しっかりと覚悟』はメアリーアンの意外な行動を予測してのことだった。
怪我をして抱き抱えられたセアラをリチャード王子の腕からもぎ取ったメアリーアンはガンガンと階段を登り部屋のベッドにセアラを放り込んだ。
(重くないの? 重いわよね、ごめんなさい)
と、縮こまっていたセアラにメアリーアンの怒涛のお世話攻撃がはじまった。言葉つきまで若干赤ちゃん言葉になっている。
夜着に着替えさせられベッドで布団に包まれるまでに、左手は使えるからと言っても聞かず問答無用とばかりに顔を拭かれ紅茶のカップが口元に運ばれ、トイレは勿論抱っこで連れて行かれた。
ベッドでうとうとしていると蒼白の顔に目を潤ませたアリエノールが飛び込んできた。
「セアラ、生きてる!?」
「アリエノール様、授業は?」
「それどころではありません! セアラが死にかけていたなんて、わたくし⋯⋯」
「あの、転んで少し怪我をしただけですから」
「いいえ、運が悪ければ頭を打っていたかもしれませんし腰を打って半身不随とか! そんな事になったらわたくしも生きてはおりません!! 絶対安静ですわ、メアリーアンの監視からは逃れられませんからね!」
(ああ、なんだかこのリアクション、メアリーアンと似てるかも。主従は似てくると言うけれど正に⋯⋯)
「アリエノール様、ワシにセアラ様の診察をお望みだったのでは?」
アリエノールの勢いで気付かなかったがドアの近くに白髪の紳士が女性を従えて立っていた。
「まあ、すっかり忘れておりましたわ。この方はリチャード・ホルン様で王宮付きの侍医長ですの。全身隈無くしっかり診察していただきましょうね」
「初めてお目にかかりますな。リチャード・ホルンと申します」
普段は国王の体調管理と王宮付きの侍医や薬師の管理育成を担当していると言うホルンは、この国で最も優秀な医師と言える。
(陛下の体調管理!? そんな方に診ていただくなんて、転んでちょっとぶつけただけなのに)
こっそりポニーに乗ろうとして落馬したり木に登ろうとして落っこちたりしても、舐めたら治るが信条のセアラは『コレも王族の流儀かしら』と虚な目をして侍医の診察を受け入れた。
暇を持て余したセアラが剣技大会参加者の集計くらいならできると言うと、アリエノールからお仕置きだと言って苦い栄養剤が届けられメアリーアンはお風呂上がりの包帯を5割増しにしてきた。
週末までメアリーアンの羞恥プレイに付き合わされ心身共に疲労したセアラは翌週の月曜日から授業に出られるようになった。休んでいた間の授業のノートやプリント類は毎日ルークが寮の受付に届けてくれていたので戸惑うことはなかったが、未だに右手が上手く使えない。
「ノートはこれからも俺が書いて渡すから、セアラは座っているだけでいいよ」
「移動教室だね、ほら(抱っこしよう)」
セアラへの羞恥プレイはメアリーアンからルークに引き継がれクラスメイトの視線が痛い。
「あの、ノートは助かりますが足はもう治ったので歩けますから」
両手を差し出して抱き上げようとするルークを真っ赤な顔で拒絶するセアラを憎々しげな目で睨みつけるシャーロットが『バン!』と机を叩いて立ち上がった。
「セアラ、いい加減になさいませ! 大袈裟に騒いで悲劇のヒロインでも気取るおつもりですの!?」
「シャーロット嬢、俺がやりたくてやってる事だ。口を出さないでもらえるかな」
「ルーク様、あまり甘やかさない方が宜しいですわ。人に迷惑をかけなければならないならお休みすれば良いのです。態々出てきて哀れを装うなんて恥ずかしすぎて見ていられません」
先週一週間ルークを追いかけ回して玉砕し続けた令嬢達が頷いている。
「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。先ほども申しましたように足はもう治りましたし、手もかなり良くなっていると言ってもらっておりますの。なるべくご迷惑をおかけしないように気をつけるつもりです」
怪我の功名かルークが常に周りに侍っているせいなのかセアラに対する虐めは鳴りを潜めた。
剣技大会練習の初日を迎えた今日、生徒会室にはリチャード王子とアリエノール・ウルリカ・セアラ・ルークの5人が集まる予定だった。
マーカスは既に練習場で会計や広報のメンバーと一緒に騒ぎ立てる生徒達の警備に行っているが、ローランドだけが警備に行かず生徒会室に勝手に残っていた。
「では私がリチャード王子殿下を練習場にご案内いたします」
リチャード王子に向かい礼をしたローランドは張り切って顔を高揚させている。
「ああ、うん。そうだね」
歯切れの悪いリチャード王子がチラチラとセアラを見ているが、アリエノールと話し込んでいるセアラは気付いていなかった。
「お兄様、どうかされたの?」
「いや、別に」
ローランドがリチャード王子を促して生徒会室を出ようとした時、書類を読んでいたウルリカが顔を上げた。
「ローランド、殿下の案内は別の人に任せて至急この書類を作り直してくれませんか?」
「それはタイラーかアイシュタインに頼んでいただけますか? 書類の作り直し程度であれば私でなくても事足りると思いますので」
「そうですか。他校に出す案内状の不備を見つけたので書記の仕事だと判断したのですが⋯⋯秘書が自分で仕事を選ぶと言うのであれば仕方ありませんね。マーカスを呼んで彼に頼みましょう。
秘書の管理は担当役員の責任ですからローランドが仕事の選り好みをするのを許しているのは彼の責任においての事でしょう。ルーク、急いでマーカスに声をかけてきて下さい」
ウルリカの正論にぐっと歯を食いしばったローランドは言い返すことができなかった。ルークが小さく頷いて生徒会室を出ようとするのをローランドが止めた。
「いえ、それには及びません。修正箇所の説明をお願いします」
ウルリカとローランドを生徒会室に残しリチャード王子達は練習場となるグラウンドに向かったが、グラウンドに近付く毎に予想以上の騒めきと大声で叫ぶ声が聞こえてきた。
「はっ、はい?」
顔を引き攣らせたセアラに悪どい顔をしたリチャード王子がニヤリと笑った。
「と、アリエノールなら言いそうだ。本当に心配させないでくれよ、聞いた時は心臓が止まるかと思ったんだぞ。
で、セアラは寮に直行な。しっかりと覚悟しといた方がいいぞ」
思わせぶりな台詞を吐いたリチャード王子がセアラの頭をわしゃわしゃと撫でた後アーチャーに声をかけにいった。
(吃驚したわ、お仕置きなんて仰るんだもの。寮で覚悟って何かしら?)
リチャード王子に抱えられ寮の入り口でメアリーアンに引き渡されるまでセアラは真っ赤な顔で俯いていた。
「セアラ様、お顔はこっちですよ」
「セアラ様、アーンですよ」
「セアラ様、抱っこしますよ」
(こっ、コレがお仕置きかしら? 羞恥プレイって言うやつよね)
リチャードが言っていた『寮に直行、しっかりと覚悟』はメアリーアンの意外な行動を予測してのことだった。
怪我をして抱き抱えられたセアラをリチャード王子の腕からもぎ取ったメアリーアンはガンガンと階段を登り部屋のベッドにセアラを放り込んだ。
(重くないの? 重いわよね、ごめんなさい)
と、縮こまっていたセアラにメアリーアンの怒涛のお世話攻撃がはじまった。言葉つきまで若干赤ちゃん言葉になっている。
夜着に着替えさせられベッドで布団に包まれるまでに、左手は使えるからと言っても聞かず問答無用とばかりに顔を拭かれ紅茶のカップが口元に運ばれ、トイレは勿論抱っこで連れて行かれた。
ベッドでうとうとしていると蒼白の顔に目を潤ませたアリエノールが飛び込んできた。
「セアラ、生きてる!?」
「アリエノール様、授業は?」
「それどころではありません! セアラが死にかけていたなんて、わたくし⋯⋯」
「あの、転んで少し怪我をしただけですから」
「いいえ、運が悪ければ頭を打っていたかもしれませんし腰を打って半身不随とか! そんな事になったらわたくしも生きてはおりません!! 絶対安静ですわ、メアリーアンの監視からは逃れられませんからね!」
(ああ、なんだかこのリアクション、メアリーアンと似てるかも。主従は似てくると言うけれど正に⋯⋯)
「アリエノール様、ワシにセアラ様の診察をお望みだったのでは?」
アリエノールの勢いで気付かなかったがドアの近くに白髪の紳士が女性を従えて立っていた。
「まあ、すっかり忘れておりましたわ。この方はリチャード・ホルン様で王宮付きの侍医長ですの。全身隈無くしっかり診察していただきましょうね」
「初めてお目にかかりますな。リチャード・ホルンと申します」
普段は国王の体調管理と王宮付きの侍医や薬師の管理育成を担当していると言うホルンは、この国で最も優秀な医師と言える。
(陛下の体調管理!? そんな方に診ていただくなんて、転んでちょっとぶつけただけなのに)
こっそりポニーに乗ろうとして落馬したり木に登ろうとして落っこちたりしても、舐めたら治るが信条のセアラは『コレも王族の流儀かしら』と虚な目をして侍医の診察を受け入れた。
暇を持て余したセアラが剣技大会参加者の集計くらいならできると言うと、アリエノールからお仕置きだと言って苦い栄養剤が届けられメアリーアンはお風呂上がりの包帯を5割増しにしてきた。
週末までメアリーアンの羞恥プレイに付き合わされ心身共に疲労したセアラは翌週の月曜日から授業に出られるようになった。休んでいた間の授業のノートやプリント類は毎日ルークが寮の受付に届けてくれていたので戸惑うことはなかったが、未だに右手が上手く使えない。
「ノートはこれからも俺が書いて渡すから、セアラは座っているだけでいいよ」
「移動教室だね、ほら(抱っこしよう)」
セアラへの羞恥プレイはメアリーアンからルークに引き継がれクラスメイトの視線が痛い。
「あの、ノートは助かりますが足はもう治ったので歩けますから」
両手を差し出して抱き上げようとするルークを真っ赤な顔で拒絶するセアラを憎々しげな目で睨みつけるシャーロットが『バン!』と机を叩いて立ち上がった。
「セアラ、いい加減になさいませ! 大袈裟に騒いで悲劇のヒロインでも気取るおつもりですの!?」
「シャーロット嬢、俺がやりたくてやってる事だ。口を出さないでもらえるかな」
「ルーク様、あまり甘やかさない方が宜しいですわ。人に迷惑をかけなければならないならお休みすれば良いのです。態々出てきて哀れを装うなんて恥ずかしすぎて見ていられません」
先週一週間ルークを追いかけ回して玉砕し続けた令嬢達が頷いている。
「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。先ほども申しましたように足はもう治りましたし、手もかなり良くなっていると言ってもらっておりますの。なるべくご迷惑をおかけしないように気をつけるつもりです」
怪我の功名かルークが常に周りに侍っているせいなのかセアラに対する虐めは鳴りを潜めた。
剣技大会練習の初日を迎えた今日、生徒会室にはリチャード王子とアリエノール・ウルリカ・セアラ・ルークの5人が集まる予定だった。
マーカスは既に練習場で会計や広報のメンバーと一緒に騒ぎ立てる生徒達の警備に行っているが、ローランドだけが警備に行かず生徒会室に勝手に残っていた。
「では私がリチャード王子殿下を練習場にご案内いたします」
リチャード王子に向かい礼をしたローランドは張り切って顔を高揚させている。
「ああ、うん。そうだね」
歯切れの悪いリチャード王子がチラチラとセアラを見ているが、アリエノールと話し込んでいるセアラは気付いていなかった。
「お兄様、どうかされたの?」
「いや、別に」
ローランドがリチャード王子を促して生徒会室を出ようとした時、書類を読んでいたウルリカが顔を上げた。
「ローランド、殿下の案内は別の人に任せて至急この書類を作り直してくれませんか?」
「それはタイラーかアイシュタインに頼んでいただけますか? 書類の作り直し程度であれば私でなくても事足りると思いますので」
「そうですか。他校に出す案内状の不備を見つけたので書記の仕事だと判断したのですが⋯⋯秘書が自分で仕事を選ぶと言うのであれば仕方ありませんね。マーカスを呼んで彼に頼みましょう。
秘書の管理は担当役員の責任ですからローランドが仕事の選り好みをするのを許しているのは彼の責任においての事でしょう。ルーク、急いでマーカスに声をかけてきて下さい」
ウルリカの正論にぐっと歯を食いしばったローランドは言い返すことができなかった。ルークが小さく頷いて生徒会室を出ようとするのをローランドが止めた。
「いえ、それには及びません。修正箇所の説明をお願いします」
ウルリカとローランドを生徒会室に残しリチャード王子達は練習場となるグラウンドに向かったが、グラウンドに近付く毎に予想以上の騒めきと大声で叫ぶ声が聞こえてきた。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした
きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。
全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。
その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。
失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
無事にバッドエンドは回避できたので、これからは自由に楽しく生きていきます。
木山楽斗
恋愛
悪役令嬢ラナトゥーリ・ウェルリグルに転生した私は、無事にゲームのエンディングである魔法学校の卒業式の日を迎えていた。
本来であれば、ラナトゥーリはこの時点で断罪されており、良くて国外追放になっているのだが、私は大人しく生活を送ったおかげでそれを回避することができていた。
しかしながら、思い返してみると私の今までの人生というものは、それ程面白いものではなかったように感じられる。
特に友達も作らず勉強ばかりしてきたこの人生は、悪いとは言えないが少々彩りに欠けているような気がしたのだ。
せっかく掴んだ二度目の人生を、このまま終わらせていいはずはない。
そう思った私は、これからの人生を楽しいものにすることを決意した。
幸いにも、私はそれ程貴族としてのしがらみに縛られている訳でもない。多少のわがままも許してもらえるはずだ。
こうして私は、改めてゲームの世界で新たな人生を送る決意をするのだった。
※一部キャラクターの名前を変更しました。(リウェルド→リベルト)
婚約破棄された悪役令嬢、実は最強聖女でした〜辺境で拾った彼に一途に愛され、元婚約者が泣きついてきてももう遅い〜
usako
恋愛
王太子の婚約者でありながら「悪女」と呼ばれ婚約破棄された公爵令嬢リディア。
国外追放されたその日、命を救ってくれたのは無骨な騎士ルークだった。
彼に導かれた辺境の地で、本来の力――“聖女”としての奇跡が目覚める。
新たな人生を歩み始めた矢先、かつて自分を貶めた王太子が後悔とともに現れるが……。
もう遅い。彼女は真の愛を知ってしまったから――。
ざまぁと溺愛が交錯する、爽快逆転ラブファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる