【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます

との

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オークリー&カルム

6.膠着状態

「くそ、アイツらマジで馬鹿なのか? んな事やったらただじゃ済まねぇって分かってんのかよ」

 ニールが連絡に来た男達を引き連れて駆け出して行った。


 カルムの町に閉じ込められたリディア達。

 マーサは先程から皿の中の魚と睨み合いを続けている。

「マーサ、暫くここに逗留する事になったみたい。
それ食べても大丈夫。かなり美味しかったから頑張ってね」

「はい、食べてみます。鮮度やお味より衛生面が不安でつい。
それよりお嬢様、大丈夫でしょうか。戦いになったら危険では?」

「うーん、邪魔にならないようにお部屋に籠るとかしかないかしら」

「お嬢様にしては賢明な判断ですわ」

「? 管理局に怒鳴り込むと思ったの? 確かに、それもありよね」

 セオが慌てて立ち上がる。

「マーサ、リディア様に余計な知恵をつけちゃダメだ。俺達の仕事はリディア様を守る事だからな」

「セオ、落ち着いてお部屋が空いているか聞いてきてちょうだい。マーサは少し腹ごしらえしてね」


 その後数日経ったが、町は膠着状態が続いている。

 管理局は傭兵や冒険者を雇い、着々とバリケードを積み上げている。
 ニール達もバリケードを積み対抗しているそうだ。

 時折銃声が聞こえてくるが、どちらの陣営にも被害は出ていない。

「うーん、これじゃあ全然前に進めないわね」

 リディアが部屋の窓から外を眺めながら呟いた。

「ダーリントン侯爵に連絡するのが一番だと思うんだけど、もうマナーハウスに戻られたかしら」

「間道を通って侯爵様宛に手紙を出すとか」

「そろそろニールが食事に戻ってくる頃じゃないかしら。ちょっと見てくるわ」

「お一人では駄目です。一緒に行きましょう。それと笑顔禁止ですよ」

「それがよく分かんないけど、できる限り真顔でいくわね」


 部屋を出ると、一階の酒場で男達が揉めている大声が聞こえてきた。

「だから、いつまでこんなこと続けるんだって言ってんだよ!」
「船出が遅れるほど借金が嵩んじまう」
「とっとと片を付けようぜ」

 そっと階段から下を覗くと、険しい顔をしたニールとレオが男達に囲まれていた。
 リディア達が音を立てないように階段を降りて行ったが、目敏いレオが気付いて声をかけてきた。

「お嬢さん、腹でも減ったか?」

「いえ、それ程でも。ちょっとニールに用事があって来たのだけど、忙しい様なら出直しますわね」

「いや、大丈夫だ。こっち来いよ後はレオ頼んだぞ」

「えっ、オレ? マジかよ」


 店の一番端の小さなテーブルに3人で座り、小声で話し出した。

「このまま膠着状態が続くのは不味いでしょう?」
「ああ、奴らかなり気が立ってる。
船員なんて元々気の短い奴らが多いからな、よく持った方だと思う」

「でね、間道を通って領主様に連絡するべきじゃないかと思うの」

「それも考えてはいるんだが、あのジジイが管理局の肩を持ったらますますやばい事になるだろ?」

「だから、盗みに行きましょう。裏帳簿を」


 リディアが満面の笑みを浮かべた。

感想 13

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