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オークリー&カルム
8.膝蹴り
「ゆっくりと前に出て来てもらおう」
男は3人。1人は銃をセオ達に向けている。2人目はリディアの腕を捕まえ、ナイフをリディアの顔に当てている。
「てめえ、裏切ったのか」
3人目の男は何度か見かけたことのある船員の1人だった。
1人目の男が顎をしゃくると、船員がセオ達に近づきポケットの中を探り、帳簿を引っ張り出した。
「それだけか? もっとよく探せ」
ポケット以外にも背中やお腹など隈なく探し、
「これだけです。他には持ってません」
裏帳簿を局長に手渡し、男が裏帳簿を確認しようとした時、
「あっ」
リディアが突然気絶しかけた。ナイフを持っていた男は慌てて、崩れ落ちそうになっているリディアを支えようとした。
ナイフが顔から離れた瞬間、リディアが膝蹴りを放ちナイフの男が崩れ落ちた。
体をくの字に曲げて悶絶している。
ニールが船員に掴みかかり、セオは銃を持った男に向けて殴りかかる。
男が銃を撃ったが狙いが定まっておらず天井のシャンデリアの近くを撃ち抜いた。
セオが怯んだ隙に男は1人逃げ出した。
「お嬢、何で格好してんだ?」
リディアは男物のシャツとズボン姿。
かなりサイズが大きいようで、袖と足元を巻き上げウエストをリボンで縛っている。
「セオの荷物を漁りましたの。
手伝うことができた時、この方が動きやすいでしょう?
思った以上に動きやすくて助かりましたわ」
リディアの膝蹴りを受けた男はほぼ失神状態でヒクヒクしている。
「だろうな、そのおっさんもう使いもんになんねえかもな。
男としては、あれだ。ちっと可哀想な気がするぜ」
ニールとセオ、船員の3人は酷く顔を引き攣らせていた。
悶絶していた男は放置して宿屋に帰って行く。
「証人として連れてった方がいいのかもしれねぇが、あれじゃ動かせねぇよな」
「宿に着いたら医者に連絡して、動かせそうになったら連れてくるのが良さそうですね」
「コイツに話をじっくりと聞かせて貰わんとなあ」
「すんません、管理局で雇ってくれるって言われて」
「アホか、んな事嘘に決まってんだろうが」
「すげぇ高給だったんす。これなら船降りても余裕でやってけるって」
「そんなに厳しかったのか?」
「俺、力もないし手先不器用なんで。いつも怒られてばっかりで、飯もらえない時とか」
「覚悟は出来てんだろうな」
「・・はい」
宿に着くと煌々と灯が灯され、まだかなりの人が酒を飲んでいた。
ここにいる者の殆どは、このまま朝まで飲み明かすかそのまま酔い潰れてしまうのだろう。
「どなたが船長さんなのか教えてくださるかしら?」
「はい、あそこにいる茶色の上着で髭を生やしてるのがそうです」
「リディア様、駄目です」
腕を掴もうとしたセオの手をすり抜けて、
「失礼ですが、あそこに立っている船員さんは船長さんの船で働いておられますの?」
「ん? ああ、ありゃうちの役立たずだ」
酒で顔を赤くした大男がフラフラと立ち上がった。
「リディア様、駄目ですって」
セオの怒鳴り声が響くと同時に、リディアの膝蹴りが船長を直撃した。
男は3人。1人は銃をセオ達に向けている。2人目はリディアの腕を捕まえ、ナイフをリディアの顔に当てている。
「てめえ、裏切ったのか」
3人目の男は何度か見かけたことのある船員の1人だった。
1人目の男が顎をしゃくると、船員がセオ達に近づきポケットの中を探り、帳簿を引っ張り出した。
「それだけか? もっとよく探せ」
ポケット以外にも背中やお腹など隈なく探し、
「これだけです。他には持ってません」
裏帳簿を局長に手渡し、男が裏帳簿を確認しようとした時、
「あっ」
リディアが突然気絶しかけた。ナイフを持っていた男は慌てて、崩れ落ちそうになっているリディアを支えようとした。
ナイフが顔から離れた瞬間、リディアが膝蹴りを放ちナイフの男が崩れ落ちた。
体をくの字に曲げて悶絶している。
ニールが船員に掴みかかり、セオは銃を持った男に向けて殴りかかる。
男が銃を撃ったが狙いが定まっておらず天井のシャンデリアの近くを撃ち抜いた。
セオが怯んだ隙に男は1人逃げ出した。
「お嬢、何で格好してんだ?」
リディアは男物のシャツとズボン姿。
かなりサイズが大きいようで、袖と足元を巻き上げウエストをリボンで縛っている。
「セオの荷物を漁りましたの。
手伝うことができた時、この方が動きやすいでしょう?
思った以上に動きやすくて助かりましたわ」
リディアの膝蹴りを受けた男はほぼ失神状態でヒクヒクしている。
「だろうな、そのおっさんもう使いもんになんねえかもな。
男としては、あれだ。ちっと可哀想な気がするぜ」
ニールとセオ、船員の3人は酷く顔を引き攣らせていた。
悶絶していた男は放置して宿屋に帰って行く。
「証人として連れてった方がいいのかもしれねぇが、あれじゃ動かせねぇよな」
「宿に着いたら医者に連絡して、動かせそうになったら連れてくるのが良さそうですね」
「コイツに話をじっくりと聞かせて貰わんとなあ」
「すんません、管理局で雇ってくれるって言われて」
「アホか、んな事嘘に決まってんだろうが」
「すげぇ高給だったんす。これなら船降りても余裕でやってけるって」
「そんなに厳しかったのか?」
「俺、力もないし手先不器用なんで。いつも怒られてばっかりで、飯もらえない時とか」
「覚悟は出来てんだろうな」
「・・はい」
宿に着くと煌々と灯が灯され、まだかなりの人が酒を飲んでいた。
ここにいる者の殆どは、このまま朝まで飲み明かすかそのまま酔い潰れてしまうのだろう。
「どなたが船長さんなのか教えてくださるかしら?」
「はい、あそこにいる茶色の上着で髭を生やしてるのがそうです」
「リディア様、駄目です」
腕を掴もうとしたセオの手をすり抜けて、
「失礼ですが、あそこに立っている船員さんは船長さんの船で働いておられますの?」
「ん? ああ、ありゃうちの役立たずだ」
酒で顔を赤くした大男がフラフラと立ち上がった。
「リディア様、駄目ですって」
セオの怒鳴り声が響くと同時に、リディアの膝蹴りが船長を直撃した。
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