【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます

との

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イーサンを探せ

7.奴隷と農奴と農民と

 スペンサー商会の保証にグリューニーの商業ギルド、長老ウォルフ・マンクがやって来た。

「間違いございません。こちらの方はポーレット伯爵令嬢にしてスペンサー商会の商会長であらせられます」


 スペンサー商会との契約完了後、お布令の撤廃が告知された。


 ランカスター伯爵とリディアの前には、今回購入された奴隷が全員並んでいる。

「お前達のうち犯罪奴隷以外の者は今日より我が領地の農奴となり、労働及び納税の義務が課せられる。
5年間勤勉に働いたものは、その後農民としての自由が与えられる」


 奴隷達が騒めき始めた。

 一人の奴隷が手を挙げた。
「あの、開放されると言うことでしょうか?」

「5年間は住居や職業の移動は禁止だ。その間に逃げ出したものがいた場合は奴隷に逆戻りすると心得ておけ」


 別の奴隷が声をあげる。
「私達には自身を買い取るだけの金がありません」

「それについては不問とする。その事に不満があるとでも?
今後についての詳しい説明はこの者達が行う。以上だ」


 ランカスター伯爵に指差された、イーサンを含めた5人の男達が前に出てきた。

「全員の今後についての説明を行う。質問のある者は手を挙げるように・・」



 リディアは、ランカスター伯爵と共に屋敷に入った。

「暫くの間、イーサンはこちらでの作業に専従させて頂きます」

「監視役か?」

「その様にお考えいただいて宜しいかと。
こちらとしてもかなりの大金が関わっておりますから、定期的な監査をさせていただく権利は持っていると思いますの」


「随分と手回しが良かったが、あれこれ根回し済みだったと言うことか?」

「とんでもありませんわ。商売は生馬の目を抜くと申しますでしょう? 何事も無駄は省きませんと」



 リディアとマーサは領主の屋敷を出て、酒場でイーサンを待つ事にした。

 酒場に入ると亭主が感涙している。
「あんた、マジでやっちまったな。
ありがとう、助かったぜ」

 代表者達が頭を下げた。

「この間は失礼な事を申し上げてしまい、どの様にお詫びすれば良いものやら」

「私達がした事は、問題を先延ばしにしただけかもしれません。どうぞこれからも頑張ってくださいませ」


「しかし奴隷を解放したなんて聞いた事もないぜ。
一体幾ら注ぎ込んだんだ?」

「秘密ですけど、損はしておりませんの」


 酒場の2階の部屋で、リディアはずっと窓に張り付いていた。

「お嬢様、お食事をされませんと」

「そうね、でももう少し待ってみるわ。
イーサンが帰って来たら何か教えてくれるかも。
私たちがした事、スペンサーはなんて思ったかしら」

「ご本人にお聞きするのが一番だと思いますよ」

「でも、会ってくれるのかも分からないでしょう?」


 後ろから見知らぬ声がした。

「本人に聞いたらどうだい?」

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