【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます

との

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琥珀のネックレス

3.遠のく田舎暮らし?

「諦めるの?」

「・・何でリディアだけ」

「私達には兄がいるの」
「えっ?」

「私は彼を探すために商売を始めたの。
彼が誘拐された当時、伯爵家は物凄く貧乏で捜索に回す資金も人手もなかった。

あなた達が伯爵家にきた頃は、お父様は領地の立て直しに必死だったし、私は商売を軌道に乗せる事しか考えられなかったの。

申し訳ない事をしたと思ってる。
あなたがいつも爪を噛んでた事気付いてたのに」

 ミリアーナは爪を噛みかけて止め、
「・・いつだって一人ぼっちだったわ」

「ステラ達に専用の乳母をつける余裕がなかったから、お義母様はあの子達にかかりきりだったしね」

「何にも教えてくれないんだもの」

「これから宜しくね」

「商会の事は無理だけど。
ロバート様の事どうしよう、リディアの婚約者を奪ってしまって」

 リディアが突然目を泳がせた。

「えーっと、あの。それに関してはありがとうって言ってもいいかしら?」

 ミリアーナにオドオドと話しかけた。


「未来の公爵様なのに、ロバート様と結婚したくなかったの?
だからパレードの時、あんなに嬉しそうに両手を振っていたのね」

 ミリアーナが口を尖らせた。


「今のところ誰とも結婚したくないの。
ミリアーナのお陰で時間の猶予ができたから、新しい事も始められたしお兄様も見つけられたわ」

 ミリアーナが身を乗り出し、
「見つかったの? どこにいるの?」

「今はまだ遠くにいるけど、時々なら会えるしいつか一緒に暮らせるかも」

「凄い、リディアやったわね。私も会ってみたいわ」

「ありがとう。スペンサーが帰ってきたら商会は彼に任せて悠々自適で田舎暮らしするつもりよ」


「スペンサー商会のスペンサーって、お兄様の名前だったのね」

「だって元々騾馬は凄いって言い出したのはスペンサーだもの。
お兄様に責任取ってもらわなくちゃ」

「本人の希望は聞かないの?」

「えっ? そうね、一応聞かないと不味いわよね。嫌だって言われたらどうしよう。
そこまで考えてなかったわ」

 長閑な田舎暮らしが遠のく予感に青くなった。


 新しく紅茶を入れ直し、二人で糖菓をつまみ、
「ネックレスどうしよう。あんな大金払えないわ」

「今回は新しい琥珀を手に入れて、今加工してもらってるの。
傷がついた琥珀は今度細工師に相談してみるわ」

「それでも結構な額になるわよね」

 ミリアーナは肩を落とし、爪を噛みかけて糖菓に手を伸ばした。

「家族の誤解を解けたって事で終わりにしましょう」
「それで本当に良いの?」
「ミリアーナはそれよりもロバート様との事何とかしなくちゃでしょ?」


 突然ドアがバタンと大きな音を立てて開き、

「リディア様、貞操の危機って今度は何をしでかしたんですか!」

 髪が乱れ、痩せ細ったセオが立っていた。

感想 13

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