【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます

との

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マッケンジー邸

2.顔合わせ

「・・・・」

「お父様?」

 突然ライリーが頭を下げた。

「辛い思いをさせてすまなかった。
不甲斐ない親で申し訳ない。
無事で・・無事でいてくれてありがとう」

 スペンサーが冷たい声で、
「許してくれとは言わないんですか?」

「言わん、言えるわけがない。
リディアが商会を立ち上げなければ、お前に会う事も出来なかった不甲斐ない親だ。
赦しを乞うのは間違っている」


 漸く緊張が解けたのかスペンサーが、
「会いに来てくれてありがとうございます。
俺が生き残れたのはあなたのおかげだ。頭を上げて下さい」


 ライリーがゆっくり顔を上げ、リディアがハンカチを手渡した。

「さあ、皆様お座り下さい。
料理が冷めてしまいます」

 セオが一人ひとりに椅子を引き、ワインを注いだが誰も手を出せないでいた。

「お兄様? お父様のお陰で助かったって、何があったのですか?」

「聞いて余り楽しい話じゃないから」

「出来れば教えてくれないか?
その、お前の事を少しでも教えて貰えたら」


「誘拐された直後、もう少しで宦官か稚児にされそうになったんだが、帳簿付けが出来るのを知ったある貿易会社の人が俺を買ってくれたんです」

「宦官・・お兄様、宦官か稚児って何?」

「後で父上に聞くといいよ」
「えっ、あっいや。マーサが教えてくれるだろう。
そう言うのは女同士の方が話しやすかろう」

 マーサが小声で、
「旦那様、酷い」


「ガレー船にも乗ったし、漕ぎ手もしたことがある。
リディアは河川交易を始めるんだろう?」

「まだ検討中ですの」

「交易の事なら少しは教えられる事もあるよ」
「では、いずれ一緒にお仕事できますの?」

「まだ先の事だからゆっくり考えていこう」

「はい」


 ポーレット伯爵家の事や商会の事をポツリぽつりと話しながら食事が進んでいった。


 穏やかな時間が流れ全員がほっと気を許し始めた頃、ドンドンと大きな音でドアがノックされ、ランカスター伯爵が従者と共に入ってきた。


「これはこれは、ポーレット伯爵。初めましてですな」

「随分と不躾な登場ですな」

「このような場所で平民の振りをして、何をしておいでなのかお聞きしてもよろしいですかな?
しかもリディア殿は男装までしておられる」

「・・」

「そこにいるのは監査役のイーサンと奴隷の一人ですなぁ。
一体何の相談やら」

「ランカスター伯爵、彼は奴隷ではなく農奴となったはずではありませんの?」

「我が領内に巣食うネズミなら、犯罪奴隷と同様の扱いで構いますまい」

「「!」」

「その者を連れて帰って、じっくりとポーレット伯爵家との繋がりを聞かせてもらうとしよう」


 ランカスター伯爵に掴み掛かろうとした父親の腕を掴み、
「お待ち下さい。お父様ここは正直になって、ランカスター伯爵の善意に縋りましょう」

「リディア! それは」



「ランカスター伯爵、実はイーサンがこの者のことを・・その、とても言いにくいのですがイーサンがこの者を好きになったと連絡してきましたの」




「「「はあ?」」」

感想 13

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