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ティルスへ
13.諸刃の刃だけど
ベレルがリディアに殴りかかろうとしたが、ケビンと一緒に入ってきたルーカスが駆け寄りベルンを殴りつけた。
尻餅をついたベレルは、
「きさま、わしを殴ってただで済むと思うなよ」
「勿論、ただで済ませる気はありませんわ。ご領主様に裁いて頂きますから」
「ふん、やれるもんならやってみるがいい。
お前らなんぞが領主に面会できるもんか」
「まずはこの方を何処かに片付けておかなくては。
絶対に逃げられない場所ってありません?」
リディアはケビンに聞いた。
「使ってない漁師小屋があります。
そこなら誰も近寄りません」
「念の為に猿轡をして騒げないようにしておいてくださいね。
早くても明日の午後くらいまでかかると思いますの」
「承知いたしました。
どうかよろしくお願いいたします」
ベレルをケビンに預かってもらい、夜の街を港に向けて歩いていた。
ガンズのお気に入りの酒場は、港の近くでかなりタチの悪いところらしく、毎日のように喧嘩が起きると聞いている。
「お嬢様、ガンズはどうすんの?」
「勿論、これから捕まえに行きますわ」
「どうやるの? あいつは仲買人より厄介だと思うよ?
それに店は超ヤバい。
お嬢様が入ってったら二度と出てこれなくなる」
「大丈夫よ、アレクがヒントをくれたじゃない」
「?」
リディアはにっこり笑い、
「大人は子供を囮にするって」
アレクが顔を青褪めさせた。
「まっまさかと思うけどさあ、囮役の子供って誰のことかなーって」
「頑張って誘き出してね。
中で騒がれて喧嘩でも始まったら収拾がつかなくなっちゃうから」
「酷えよ。俺めちゃめちゃ可哀想じゃん」
「捕まらないで出てきてね」
「可愛く “ね” なんて言われてもなあ」
「じゃあ、上手くいったら後でご褒美あげるわ」
アレクはパッと顔を輝かせ、
「えっ? 何々、それってもしかして・・」
「うんと美味しい糖菓を買ってあげるわね」
「・・酷、期待させんなよ」
「アレク、子供のくせにおかしなこと考えるな。リディア様の膝蹴り喰らいたいか?
速攻で宦官に就職できるらしいぞ」
「マジかよ・・いやー、俺糖菓大好きだなあ」
アレクの棒読み発言に不信感を抱いたリディアは、
「だから宦官って何?」
店に近づくと、古くなった魚の匂いと安物の酒の匂いが混ざり合って漂い、リディアとマーサは思わず口元をハンカチで押さえた。
店の中からは大声や怒鳴り声と一緒に、女の下品な嬌声が聞こえている。
「凄そう、こんなの初めて聞いたわ。
中をちょっとだけ覗いてくるわね」
嬉しそうに店に近づくリディアの腕をルーカスが捕まえ無理矢理引き戻し、
「リディア様、お仕置きされたいんですか?」
目を細めたルーカスの低い声に、
「ごっごめんなさい。
マーサ、どうしよう。ルーカスがまた変身したわ。
ルーカス、見たことのない様子だったからちょっと見てみたかっただけなの」
ルーカスは未だ変身したままで、
「そう言う軽率な行為は慎んでいただきます」
リディアは思わず、
「はい」
素直に返事をしていた。
それを近くで見ていたマーサは、
(ルーカスの迫力凄い。
諸刃の刃って感じはするけど、非常事態には使えるかも)
尻餅をついたベレルは、
「きさま、わしを殴ってただで済むと思うなよ」
「勿論、ただで済ませる気はありませんわ。ご領主様に裁いて頂きますから」
「ふん、やれるもんならやってみるがいい。
お前らなんぞが領主に面会できるもんか」
「まずはこの方を何処かに片付けておかなくては。
絶対に逃げられない場所ってありません?」
リディアはケビンに聞いた。
「使ってない漁師小屋があります。
そこなら誰も近寄りません」
「念の為に猿轡をして騒げないようにしておいてくださいね。
早くても明日の午後くらいまでかかると思いますの」
「承知いたしました。
どうかよろしくお願いいたします」
ベレルをケビンに預かってもらい、夜の街を港に向けて歩いていた。
ガンズのお気に入りの酒場は、港の近くでかなりタチの悪いところらしく、毎日のように喧嘩が起きると聞いている。
「お嬢様、ガンズはどうすんの?」
「勿論、これから捕まえに行きますわ」
「どうやるの? あいつは仲買人より厄介だと思うよ?
それに店は超ヤバい。
お嬢様が入ってったら二度と出てこれなくなる」
「大丈夫よ、アレクがヒントをくれたじゃない」
「?」
リディアはにっこり笑い、
「大人は子供を囮にするって」
アレクが顔を青褪めさせた。
「まっまさかと思うけどさあ、囮役の子供って誰のことかなーって」
「頑張って誘き出してね。
中で騒がれて喧嘩でも始まったら収拾がつかなくなっちゃうから」
「酷えよ。俺めちゃめちゃ可哀想じゃん」
「捕まらないで出てきてね」
「可愛く “ね” なんて言われてもなあ」
「じゃあ、上手くいったら後でご褒美あげるわ」
アレクはパッと顔を輝かせ、
「えっ? 何々、それってもしかして・・」
「うんと美味しい糖菓を買ってあげるわね」
「・・酷、期待させんなよ」
「アレク、子供のくせにおかしなこと考えるな。リディア様の膝蹴り喰らいたいか?
速攻で宦官に就職できるらしいぞ」
「マジかよ・・いやー、俺糖菓大好きだなあ」
アレクの棒読み発言に不信感を抱いたリディアは、
「だから宦官って何?」
店に近づくと、古くなった魚の匂いと安物の酒の匂いが混ざり合って漂い、リディアとマーサは思わず口元をハンカチで押さえた。
店の中からは大声や怒鳴り声と一緒に、女の下品な嬌声が聞こえている。
「凄そう、こんなの初めて聞いたわ。
中をちょっとだけ覗いてくるわね」
嬉しそうに店に近づくリディアの腕をルーカスが捕まえ無理矢理引き戻し、
「リディア様、お仕置きされたいんですか?」
目を細めたルーカスの低い声に、
「ごっごめんなさい。
マーサ、どうしよう。ルーカスがまた変身したわ。
ルーカス、見たことのない様子だったからちょっと見てみたかっただけなの」
ルーカスは未だ変身したままで、
「そう言う軽率な行為は慎んでいただきます」
リディアは思わず、
「はい」
素直に返事をしていた。
それを近くで見ていたマーサは、
(ルーカスの迫力凄い。
諸刃の刃って感じはするけど、非常事態には使えるかも)
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