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11.鍵がバレました
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旧ロクサーナの記憶を探っているが2回目がいつ来るのか思い出せなかった。
(仕方ない、出たとこ勝負かな)
鍵を掛けはじめて1週間経った頃夕食を貰いに厨房へ行くと、メイドや料理人が怪訝な顔をしてチラチラとロクサーナを見ては目を逸らしている。
何があったのか思い当たらないので取り敢えず定位置の調理台の隅、パンとスープが置いてあるところにスツールを持って行ってスプーンを取りに行った。
「なあ、何で部屋に鍵を付けたんだ?」
腕組みをした料理長が問いただしてきた。
「何で・・危険防止?」
ロクサーナの答えを聞いたメイドや料理人達が顔を見合わせて首を傾げている。
「この間ブローチが部屋に歩いて来たみたいだから」
にっこり笑って話を打ち切ったロクサーナは、スプーンを棚から出して椅子に座り晩御飯を食べた。
お皿とスプーンを洗って片付けて、厨房の入り口でペコリと挨拶して部屋に戻った。
その間誰も口を開かなかった。
ロクサーナは部屋に乗り込まれた時製品を見つけられないようにする為の隠し場所を作った。
木箱の側面が開くようにして留金をつけ、壁にする為に積み上げた木箱の一番下の段の隅に配置。部屋を出る時はここに全ての材料を片付けている。
徹底的な家探しをされたら見つかってしまうが、彼らの目的はロクサーナを貶めて虐める事だから多分木箱の中までは確認しない・・と思いたい。
大きな物やすぐには使わない物はコナーの小屋に預けている。
(コナーがいなかったら何にもできなかったなあ)
コナーは先代の侯爵にとても気に入られていた為、先代が亡くなる時かなりの遺産を贈られている。しかも、生涯庭を守るよう遺言に書かれていたので首を切られる心配もない。
メリッサはかなり不満のようだが、侯爵から「クビにはできない」と言われた為コナーをいない者として扱う事で耐えているらしい。
ロクサーナにとってはありがたい話だが、コナーの気持ちはどうなのだろうと時々不安になる。
コナーの口癖、
「嬢ちゃんが気にすることはねえ」
に、甘えさせてもらっているが。
翌日朝食の後チクチクしているとドタドタと大きな足音が近づいて来たので、大急ぎで荷物を片付けた。
ガタガタ、ドンドンと誰かがドアを乱暴にこじ開けようとしている。
「何か御用ですか?」
ロクサーナは声を張り上げた。
「サッサとここを開けなさいよ!」
苛立ったメイドの声がしてドンドンとドアを叩く音がした。
そっと閂を外してチェストの陰に隠した。
ドンドン・・バタン! とドアが開くと般若の形相のメリッサのメイドが入って来た。
「ドアに鍵をつけるなんてどういう事?」
「・・」
部屋の真ん中に立ったロクサーナは何のことだか訳がわからないという風に首を傾げた。
「鍵を寄越しなさい」
「そうだ! お父さまに聞いてきます」
走り出そうとしたロクサーナをメイドがガシッと捕まえた。
「なっ、何で大旦那様が関係あんのよ」
「あなた、この間ブローチを見つけたメイドでしょう? お父さまにここに来て頂いて詳しく調べて頂けば良いなって」
「どっどう言う・・」
「待っててね、直ぐにお願いをし「待って! 分かったから」」
ロクサーナから手を離し部屋を出ようとするメイドに後ろから声をかけた。
「鍵が壊れたりしたらまたブローチが歩き出したってことだと思うから、その時はお父さまにちゃんと調べて貰うから安心してね」
肩を怒らせたメイドが出て行った後、ロクサーナはすかさず閂をかけた。
(侯爵の名前を出して助かるのは悔しいけど、メリッサを黙らせるには仕方ないわよね)
メリッサにとってチャールズにロクサーナの部屋を知られるのはとてつもなく都合が悪いだろうから。
(仕方ない、出たとこ勝負かな)
鍵を掛けはじめて1週間経った頃夕食を貰いに厨房へ行くと、メイドや料理人が怪訝な顔をしてチラチラとロクサーナを見ては目を逸らしている。
何があったのか思い当たらないので取り敢えず定位置の調理台の隅、パンとスープが置いてあるところにスツールを持って行ってスプーンを取りに行った。
「なあ、何で部屋に鍵を付けたんだ?」
腕組みをした料理長が問いただしてきた。
「何で・・危険防止?」
ロクサーナの答えを聞いたメイドや料理人達が顔を見合わせて首を傾げている。
「この間ブローチが部屋に歩いて来たみたいだから」
にっこり笑って話を打ち切ったロクサーナは、スプーンを棚から出して椅子に座り晩御飯を食べた。
お皿とスプーンを洗って片付けて、厨房の入り口でペコリと挨拶して部屋に戻った。
その間誰も口を開かなかった。
ロクサーナは部屋に乗り込まれた時製品を見つけられないようにする為の隠し場所を作った。
木箱の側面が開くようにして留金をつけ、壁にする為に積み上げた木箱の一番下の段の隅に配置。部屋を出る時はここに全ての材料を片付けている。
徹底的な家探しをされたら見つかってしまうが、彼らの目的はロクサーナを貶めて虐める事だから多分木箱の中までは確認しない・・と思いたい。
大きな物やすぐには使わない物はコナーの小屋に預けている。
(コナーがいなかったら何にもできなかったなあ)
コナーは先代の侯爵にとても気に入られていた為、先代が亡くなる時かなりの遺産を贈られている。しかも、生涯庭を守るよう遺言に書かれていたので首を切られる心配もない。
メリッサはかなり不満のようだが、侯爵から「クビにはできない」と言われた為コナーをいない者として扱う事で耐えているらしい。
ロクサーナにとってはありがたい話だが、コナーの気持ちはどうなのだろうと時々不安になる。
コナーの口癖、
「嬢ちゃんが気にすることはねえ」
に、甘えさせてもらっているが。
翌日朝食の後チクチクしているとドタドタと大きな足音が近づいて来たので、大急ぎで荷物を片付けた。
ガタガタ、ドンドンと誰かがドアを乱暴にこじ開けようとしている。
「何か御用ですか?」
ロクサーナは声を張り上げた。
「サッサとここを開けなさいよ!」
苛立ったメイドの声がしてドンドンとドアを叩く音がした。
そっと閂を外してチェストの陰に隠した。
ドンドン・・バタン! とドアが開くと般若の形相のメリッサのメイドが入って来た。
「ドアに鍵をつけるなんてどういう事?」
「・・」
部屋の真ん中に立ったロクサーナは何のことだか訳がわからないという風に首を傾げた。
「鍵を寄越しなさい」
「そうだ! お父さまに聞いてきます」
走り出そうとしたロクサーナをメイドがガシッと捕まえた。
「なっ、何で大旦那様が関係あんのよ」
「あなた、この間ブローチを見つけたメイドでしょう? お父さまにここに来て頂いて詳しく調べて頂けば良いなって」
「どっどう言う・・」
「待っててね、直ぐにお願いをし「待って! 分かったから」」
ロクサーナから手を離し部屋を出ようとするメイドに後ろから声をかけた。
「鍵が壊れたりしたらまたブローチが歩き出したってことだと思うから、その時はお父さまにちゃんと調べて貰うから安心してね」
肩を怒らせたメイドが出て行った後、ロクサーナはすかさず閂をかけた。
(侯爵の名前を出して助かるのは悔しいけど、メリッサを黙らせるには仕方ないわよね)
メリッサにとってチャールズにロクサーナの部屋を知られるのはとてつもなく都合が悪いだろうから。
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