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17.エリンとジェイクの相談
約束した週末になり、エリンとジェイクはお昼過ぎに執務室に集まった。
「ローダナムか・・確かにあれならインパクトはあると思う。では回復薬と両方でいったらどうかな?
失敗したり陛下の下知に時間がかかればエリンの危険は増える一方だから安全策を取ろう。
謁見した時から、奴らにエリンの存在を知らしめる事になるんだから用心しないと」
「ご心配頂くのはありがたいのですが、問題を解決するには手緩い方法では誤魔化されてしまいかねません」
「以前教えてくれた教会について調べたんだが、右腕にあざのある子供の情報は司祭から司教に報告されていた。
各地の司教全てが関わってくるとしたら、その上がいるはずなんだ」
「大司教様ですか?」
ジェイクは頷きながら、
「今、大司教と王宮錬金術師の金の流れを追いかけているところなんだ。
その二つが繋がれば奴らを追い詰められる」
「私の方はローダナムと回復薬と火の薬の精度を上げて、陛下の前でご披露できる位の品質の物を作れるようになったと思います」
「では、報告が来たら直ぐに拝謁の願いを出そう」
「はい、宜しくお願いします」
2人の話が一段落した後ジェイクが、
「お茶を入れ替えさせるので少し別の事も話さないか?」
「別の事と言いますと?」
「結婚してから殆ど話をしたことがないだろう? お互いの事を少し話したらどうかと思ってね。気になっている事もあるし」
「気になっている事ですか?」
「風邪を引いた時、びしょ濡れで帰って来たと聞いたんだが何があった?」
学園での虐めは今も続いているが、ジェイクに話す事ではないと思った。
「もう終わった事ですし、特にお耳に入れるようなことではないので気にしないで下さい」
ジェイクは手に持っていたコーヒーカップを置き、首を傾げてエリンを見つめた。
「不思議なんだ・・初めて会った時と、最近のエリンは別人のようだと思ってね」
「これが・・いつもの私です。あの時の方が珍しかったんです」
エリンとジェイクは境遇は違うものの、二人とも誰かと心を開いて話をするのに慣れていなかった。
二人の話が途切れ居心地の悪い空気が流れた。
「エリン、君になら話しても。いや、話したい・・」
ジェイクが意を決してエリンに話し始めた時、執務室のドアがノックされ執事が来客を告げた。
「・・お義母様とバイオレットが?」
「はい、応接室にお通ししました。旦那様にご挨拶したいと仰っておいでです」
「分かった。お二人は確かご実家に帰られたんだよね」
「ええ、わたし一人で会った方が良いと思うので・・」
「何だかいわくがありそうだね。一緒に行くよ、偶にはエリンの役に立ちたいんだ」
内心気の進まないエリンはジェイクと一緒に応接室に入って行った。
いつも通り濃い化粧と胸元の大きく空いた派手なドレスを着た義母と、夜会になら似合いそうな沢山の宝石が散りばめられたゴージャスなドレス姿のバイオレット。
義母がソファから立ち上がりエリンをハグする。
「久しぶりね、エリン。長い間会えなくて寂しかったのよ、どうして連絡をくれなかったのかしら」
「申し訳ありません」
「いいのよ、これからは以前のようになんでも相談してちょうだいね。
リーガン公爵様、ジェイクとお呼びしても宜しくて? ご挨拶が遅れ申し訳ありませんでした。スールベリー侯爵夫人イライザと申します」
イライザは優雅な仕草でカーテシーをしてから、隣に控えているバイオレットを紹介した。
「この子はエリンの妹のバイオレットと申しますのよ。ジェイクにお会いするのをとても楽しみにしておりましたの」
「初めまして、エリンの夫のジェイク・リーガンです」
全員がソファに座りメイドがお茶の準備を済ませると、イライザの売り込みがはじまった。
「ローダナムか・・確かにあれならインパクトはあると思う。では回復薬と両方でいったらどうかな?
失敗したり陛下の下知に時間がかかればエリンの危険は増える一方だから安全策を取ろう。
謁見した時から、奴らにエリンの存在を知らしめる事になるんだから用心しないと」
「ご心配頂くのはありがたいのですが、問題を解決するには手緩い方法では誤魔化されてしまいかねません」
「以前教えてくれた教会について調べたんだが、右腕にあざのある子供の情報は司祭から司教に報告されていた。
各地の司教全てが関わってくるとしたら、その上がいるはずなんだ」
「大司教様ですか?」
ジェイクは頷きながら、
「今、大司教と王宮錬金術師の金の流れを追いかけているところなんだ。
その二つが繋がれば奴らを追い詰められる」
「私の方はローダナムと回復薬と火の薬の精度を上げて、陛下の前でご披露できる位の品質の物を作れるようになったと思います」
「では、報告が来たら直ぐに拝謁の願いを出そう」
「はい、宜しくお願いします」
2人の話が一段落した後ジェイクが、
「お茶を入れ替えさせるので少し別の事も話さないか?」
「別の事と言いますと?」
「結婚してから殆ど話をしたことがないだろう? お互いの事を少し話したらどうかと思ってね。気になっている事もあるし」
「気になっている事ですか?」
「風邪を引いた時、びしょ濡れで帰って来たと聞いたんだが何があった?」
学園での虐めは今も続いているが、ジェイクに話す事ではないと思った。
「もう終わった事ですし、特にお耳に入れるようなことではないので気にしないで下さい」
ジェイクは手に持っていたコーヒーカップを置き、首を傾げてエリンを見つめた。
「不思議なんだ・・初めて会った時と、最近のエリンは別人のようだと思ってね」
「これが・・いつもの私です。あの時の方が珍しかったんです」
エリンとジェイクは境遇は違うものの、二人とも誰かと心を開いて話をするのに慣れていなかった。
二人の話が途切れ居心地の悪い空気が流れた。
「エリン、君になら話しても。いや、話したい・・」
ジェイクが意を決してエリンに話し始めた時、執務室のドアがノックされ執事が来客を告げた。
「・・お義母様とバイオレットが?」
「はい、応接室にお通ししました。旦那様にご挨拶したいと仰っておいでです」
「分かった。お二人は確かご実家に帰られたんだよね」
「ええ、わたし一人で会った方が良いと思うので・・」
「何だかいわくがありそうだね。一緒に行くよ、偶にはエリンの役に立ちたいんだ」
内心気の進まないエリンはジェイクと一緒に応接室に入って行った。
いつも通り濃い化粧と胸元の大きく空いた派手なドレスを着た義母と、夜会になら似合いそうな沢山の宝石が散りばめられたゴージャスなドレス姿のバイオレット。
義母がソファから立ち上がりエリンをハグする。
「久しぶりね、エリン。長い間会えなくて寂しかったのよ、どうして連絡をくれなかったのかしら」
「申し訳ありません」
「いいのよ、これからは以前のようになんでも相談してちょうだいね。
リーガン公爵様、ジェイクとお呼びしても宜しくて? ご挨拶が遅れ申し訳ありませんでした。スールベリー侯爵夫人イライザと申します」
イライザは優雅な仕草でカーテシーをしてから、隣に控えているバイオレットを紹介した。
「この子はエリンの妹のバイオレットと申しますのよ。ジェイクにお会いするのをとても楽しみにしておりましたの」
「初めまして、エリンの夫のジェイク・リーガンです」
全員がソファに座りメイドがお茶の準備を済ませると、イライザの売り込みがはじまった。
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