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18.強烈なイライザ
「多分エリンから、バイオレットの事お聞きになっておられないでしょう? いつもそうなんですのよ。
バイオレットの事がとても羨ましいらしくて、僻んでるとまでは申しませんけどね。色々困ったものですわ。
女性の良さは見た目以外にもあるのだから、努力なさいと慰めてもあまり効果がなくて」
ジェイクが隣に座っているエリンを見ると、少し俯き加減だが背筋を伸ばし無表情で座っている。
「エリンと少し2人だけで話したいのですが、ジェイクにバイオレットの事をお願いできますかしら?」
「構いません。タイラー、二人を談話室にお連れしてくれ」
ジェイクがタイラーに目配せした。
「畏まりました」
談話室に入った途端、イライザは目を吊り上げて怒り出した。
「全く何を考えているの!」
「・・」
「いつジェイクとお近づきになったのかおっしゃい」
「3年生になって少しした頃に偶々お会いしました」
「嘘をつくもんじゃありませんよ。私が鞭を持っていないからって、誤魔化せると思ったら大間違いよ。
あなたのような薄ぼんやりの役立たずが筆頭公爵家の妻だなんて」
エリンが黙っていると、イライザがバシンと頬を叩いた。
「何か言ったらどうなの。素直に謝れば許してあげます。
謝ってジェイクとバイオレットの仲をとりもちなさい」
「バイオレットはラルセル公爵子息と婚約したはずですが」
「そんなのお断りすれば済むことよ。
リーガン公爵家からの要望となれば、ラルセル公爵なんて直ぐに引っ込んでくれるわ。
そんな事も分からないなんて、愚図はいつまで経っても愚図のままね。
さっさと部屋に引っ込んでジェイクには会わないで。いいですね」
言いたい事を言い終えたイライザは、さっさと応接室に戻って行った。
「はぁ、疲れた」
ソファに座り込んだエリンが思わず独り言を呟いていると、ノックの後に執事が入ってきた。
「冷たいタオルをお持ちしました」
慌てて振り返るエリン。
「ありがとう。まさか聞いてたの?」
「はい、旦那様のご指示がありましたので。旦那様はエリン様の事が心配だったようですよ」
「そう。お優しい方ね」
頬にタオルを当てて俯いたエリンは、
「ややこしいことになっちゃった」
「旦那様にご相談されては如何でしょうか」
「そうねぇ、でもうちの問題でこれ以上ご迷惑をおかけするのは気が引けるの。
バイオレットがいくら頑張っても、ジェイクにはあの方がいらっしゃるのだし」
「あの方と申しますと?」
「離れにいらっしゃる方。私が気がついてるのをジェイクもご存知だから」
「エリン様はもしかして何か勘違いを」
エリンはパッと立ち上がり、
「ジェイクに報告する時は、変わった事は何もなかったって伝えてね」
「しかし、それでは嘘をつくことになります」
「もうじき私はここを出て離婚か、婚姻の無効になるの。
ジェイクにはお父様の事助けて頂いてとても感謝してるのに、これ以上面倒はかけられないわ」
バイオレットの事がとても羨ましいらしくて、僻んでるとまでは申しませんけどね。色々困ったものですわ。
女性の良さは見た目以外にもあるのだから、努力なさいと慰めてもあまり効果がなくて」
ジェイクが隣に座っているエリンを見ると、少し俯き加減だが背筋を伸ばし無表情で座っている。
「エリンと少し2人だけで話したいのですが、ジェイクにバイオレットの事をお願いできますかしら?」
「構いません。タイラー、二人を談話室にお連れしてくれ」
ジェイクがタイラーに目配せした。
「畏まりました」
談話室に入った途端、イライザは目を吊り上げて怒り出した。
「全く何を考えているの!」
「・・」
「いつジェイクとお近づきになったのかおっしゃい」
「3年生になって少しした頃に偶々お会いしました」
「嘘をつくもんじゃありませんよ。私が鞭を持っていないからって、誤魔化せると思ったら大間違いよ。
あなたのような薄ぼんやりの役立たずが筆頭公爵家の妻だなんて」
エリンが黙っていると、イライザがバシンと頬を叩いた。
「何か言ったらどうなの。素直に謝れば許してあげます。
謝ってジェイクとバイオレットの仲をとりもちなさい」
「バイオレットはラルセル公爵子息と婚約したはずですが」
「そんなのお断りすれば済むことよ。
リーガン公爵家からの要望となれば、ラルセル公爵なんて直ぐに引っ込んでくれるわ。
そんな事も分からないなんて、愚図はいつまで経っても愚図のままね。
さっさと部屋に引っ込んでジェイクには会わないで。いいですね」
言いたい事を言い終えたイライザは、さっさと応接室に戻って行った。
「はぁ、疲れた」
ソファに座り込んだエリンが思わず独り言を呟いていると、ノックの後に執事が入ってきた。
「冷たいタオルをお持ちしました」
慌てて振り返るエリン。
「ありがとう。まさか聞いてたの?」
「はい、旦那様のご指示がありましたので。旦那様はエリン様の事が心配だったようですよ」
「そう。お優しい方ね」
頬にタオルを当てて俯いたエリンは、
「ややこしいことになっちゃった」
「旦那様にご相談されては如何でしょうか」
「そうねぇ、でもうちの問題でこれ以上ご迷惑をおかけするのは気が引けるの。
バイオレットがいくら頑張っても、ジェイクにはあの方がいらっしゃるのだし」
「あの方と申しますと?」
「離れにいらっしゃる方。私が気がついてるのをジェイクもご存知だから」
「エリン様はもしかして何か勘違いを」
エリンはパッと立ち上がり、
「ジェイクに報告する時は、変わった事は何もなかったって伝えてね」
「しかし、それでは嘘をつくことになります」
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ジェイクにはお父様の事助けて頂いてとても感謝してるのに、これ以上面倒はかけられないわ」
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