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19.決起集会?
バイオレットが学校帰りのエリンについてリーガン公爵家にやってくるようになった。
「ジェイク様は今日もいらっしゃらないの?」
「お忙しい方だから、滅多に帰ってこられないのよ」
「あんたがいるからじゃないの? とっくに飽きられてるのよ」
ジェイクに会えない日が続いて堪忍袋の緒が切れたバイオレットは、
「ジェイク様に夕食をご一緒したいから日程を決めてくださいって伝えるのよ。いいわね」
バイオレットはジェイクに断られるとは微塵も考えていないようで、さっさと馬車に乗り帰って行った。
『お父様に連絡してなんとかして貰うしかなさそう。まだ準備に時間がかかるようなら、私がうちに帰るのが良いかも』
屋敷には来なくなったが今度は学園で、
『いつお会いできるの?』
『さっさと決めて来なさいよ、この愚図」
と、バイオレットの猛攻がはじまった。
父親に連絡を入れたが、イライザはのらりくらりと誤魔化しているようで埒があかない。
学園から帰って部屋で一息ついていると、ようやく準備が整ったとジェイクがエリンの部屋に駆け込んで来た。
「今日、拝謁を願い出た。じきに日程が決まる」
「では、証拠が見つかったのですね」
「ああ、大司教と王宮錬金術師の癒着の証拠がガッツリ。
それだけでも奴らを凹ませられる。
後はエリン、君の錬金術師の腕にかかってる」
「はい、多くの錬金術師の方々の為にも頑張ります。
お母様の死の真相には辿り着けませんが、一石を投じられたらいつか解決出来るかもしれませんし」
「謁見までの間、学園を休んでもらう事は出来ないかな。念には念を入れたい」
「分かりました。学園には風邪を引いたと連絡を入れておきます」
「それと、今日こそ夕食を一緒にどうかな。と言うか、是非頼む。今度こそエリンに話しておきたいんだ」
「分かりました。後で食堂に伺います」
ステラが淡い紫色のペチコートとそれより濃い紫のガウンをクローゼットから出してきた。
繊細な刺繍と小さな宝石が散りばめられ、胸元にはレースが飾られている。
「ステラ、そんなに粧し込まなくてもいいの。そのドレスは仰々しすぎるわ」
「このくらいなさいませんと。お二人が夕食を共にされるのは今日が初めてなんですから」
ステラはエリンを風呂場で磨き上げた後に全身のマッサージ、普段より念入りに化粧をして髪を結い上げていく。
「大した意味はないのよ。ほら、決起集会みたいなものだし」
鏡の中のステラに不満を言うエリン。
「でしたら、益々張り切ってお支度致しませんとね」
「そんなに気合を入れてたら、ジェイクに笑われてしまうわ」
「笑ったりなさいませんとも」
エリンは溜息をついて小声で呟いた。
「この状態はもうすぐ終わるの。変に期待なんてしたくないのよ。
思い出はない方が忘れやすいのに・・」
「お嬢様・・だったら一番綺麗なお嬢様を見て頂きましょう。後でジェイク様が後悔なされるくらいに」
にっこり笑うステラの力強い言葉を聞いてしばらく考え込んだエリンは、
「そうか、そうよね。私だって磨けばちょっとは捨てたもんじゃないって思わせて帰るのも良いわね」
「はい、その意気です」
はじめの勢いはどこへやら、ドレスを着る頃にはエリンはヘトヘトに疲れ果てていた。
「食事の最中に寝ちゃわないよう気をつけなくちゃ」
「ジェイク様が楽しい話題をして下さいますから、寝る暇なんてありませんよ」
「一晩だけのシンデレラは、パーティーを楽しめたのかしら」
やっぱり不安を隠しきれないエリンだった。
食堂につくと、いつもの従僕がドアを開けてくれた。
入り口を入った所でカーテシーをしたエリンを見たジェイクが呆然としている。
やっぱり粧し込みすぎたかとエリンが慌てていると、
「エリン、すごく似合っているよ。贈ったドレスを着てくれたのは初めてだね」
「素敵なドレスやアクセサリーを沢山いただいたのにお礼も言ってなくて、ありがとうございました」
いつにも増して豪華な料理が運ばれてきた。ジェイクはステラの言葉通り楽しい話題をふり、エリンは終始笑い続けていた。
「エリン、今度の謁見が終わったら会って欲しい人がいるんだ。
本当はもっと早くきちんと話したかったんけど。
今まで誰にも話した事がなくて、情けない話だが・・」
楽しい時間は終わり、エリンが席を立つとジェイクが部屋まで送ってくれると言う。
「ジェイク様は今日もいらっしゃらないの?」
「お忙しい方だから、滅多に帰ってこられないのよ」
「あんたがいるからじゃないの? とっくに飽きられてるのよ」
ジェイクに会えない日が続いて堪忍袋の緒が切れたバイオレットは、
「ジェイク様に夕食をご一緒したいから日程を決めてくださいって伝えるのよ。いいわね」
バイオレットはジェイクに断られるとは微塵も考えていないようで、さっさと馬車に乗り帰って行った。
『お父様に連絡してなんとかして貰うしかなさそう。まだ準備に時間がかかるようなら、私がうちに帰るのが良いかも』
屋敷には来なくなったが今度は学園で、
『いつお会いできるの?』
『さっさと決めて来なさいよ、この愚図」
と、バイオレットの猛攻がはじまった。
父親に連絡を入れたが、イライザはのらりくらりと誤魔化しているようで埒があかない。
学園から帰って部屋で一息ついていると、ようやく準備が整ったとジェイクがエリンの部屋に駆け込んで来た。
「今日、拝謁を願い出た。じきに日程が決まる」
「では、証拠が見つかったのですね」
「ああ、大司教と王宮錬金術師の癒着の証拠がガッツリ。
それだけでも奴らを凹ませられる。
後はエリン、君の錬金術師の腕にかかってる」
「はい、多くの錬金術師の方々の為にも頑張ります。
お母様の死の真相には辿り着けませんが、一石を投じられたらいつか解決出来るかもしれませんし」
「謁見までの間、学園を休んでもらう事は出来ないかな。念には念を入れたい」
「分かりました。学園には風邪を引いたと連絡を入れておきます」
「それと、今日こそ夕食を一緒にどうかな。と言うか、是非頼む。今度こそエリンに話しておきたいんだ」
「分かりました。後で食堂に伺います」
ステラが淡い紫色のペチコートとそれより濃い紫のガウンをクローゼットから出してきた。
繊細な刺繍と小さな宝石が散りばめられ、胸元にはレースが飾られている。
「ステラ、そんなに粧し込まなくてもいいの。そのドレスは仰々しすぎるわ」
「このくらいなさいませんと。お二人が夕食を共にされるのは今日が初めてなんですから」
ステラはエリンを風呂場で磨き上げた後に全身のマッサージ、普段より念入りに化粧をして髪を結い上げていく。
「大した意味はないのよ。ほら、決起集会みたいなものだし」
鏡の中のステラに不満を言うエリン。
「でしたら、益々張り切ってお支度致しませんとね」
「そんなに気合を入れてたら、ジェイクに笑われてしまうわ」
「笑ったりなさいませんとも」
エリンは溜息をついて小声で呟いた。
「この状態はもうすぐ終わるの。変に期待なんてしたくないのよ。
思い出はない方が忘れやすいのに・・」
「お嬢様・・だったら一番綺麗なお嬢様を見て頂きましょう。後でジェイク様が後悔なされるくらいに」
にっこり笑うステラの力強い言葉を聞いてしばらく考え込んだエリンは、
「そうか、そうよね。私だって磨けばちょっとは捨てたもんじゃないって思わせて帰るのも良いわね」
「はい、その意気です」
はじめの勢いはどこへやら、ドレスを着る頃にはエリンはヘトヘトに疲れ果てていた。
「食事の最中に寝ちゃわないよう気をつけなくちゃ」
「ジェイク様が楽しい話題をして下さいますから、寝る暇なんてありませんよ」
「一晩だけのシンデレラは、パーティーを楽しめたのかしら」
やっぱり不安を隠しきれないエリンだった。
食堂につくと、いつもの従僕がドアを開けてくれた。
入り口を入った所でカーテシーをしたエリンを見たジェイクが呆然としている。
やっぱり粧し込みすぎたかとエリンが慌てていると、
「エリン、すごく似合っているよ。贈ったドレスを着てくれたのは初めてだね」
「素敵なドレスやアクセサリーを沢山いただいたのにお礼も言ってなくて、ありがとうございました」
いつにも増して豪華な料理が運ばれてきた。ジェイクはステラの言葉通り楽しい話題をふり、エリンは終始笑い続けていた。
「エリン、今度の謁見が終わったら会って欲しい人がいるんだ。
本当はもっと早くきちんと話したかったんけど。
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