【完結】何度出会ってもやっぱり超絶腹黒聖職者

との

文字の大きさ
25 / 191
一回目 (過去)

25.大小様々な紋章

しおりを挟む
「はい、とても小さなものから大きなものまで色々でした。虹色と金色が一番大きく黒と水色と白はとても小さかったです。白い紋章は最初気付かなかったくらい」

「紋章の大きさは加護の力を示しているのでローザリア様は水の精霊と光の精霊の加護が一番大きいと言う事です。それ以外にも両者の繋がりが強いと紋章は大きくなります。
因みに黒や水色は資料にしか残っていない紋章です。今までに見落としがあったとは思えませんが白もですね」

 黒は闇の精霊で水色は空間の精霊、初めは気付かなかった白い紋章は無の精霊または創造の精霊と呼ばれている。

「次に神託の儀を受けたら変わる可能性もあるんですか?」

「はい、学園の卒業時には7歳の時より大きくなっている人もいます。加護の強さや種類によって卒業後の就職先が決まるので2度目の神託を受けるまでみなさんとても頑張って訓練されるのでそのせいでしょう。
その後は余程の理由がない限り行わないのであまりわかっていないのです。
気軽に神託の儀を受け付けていたら教会の仕事が回らなくなりますから」

 新たに神託を受けようとすると平民の家族が数年暮らせるほどの寄付と複数の推薦人が必要になる。神託を受け直したい理由が認められた後に身辺調査と複数回の面接が行われる。

「一度授かった加護は消えないと言うのが通例ですから何かしらの功績を残された方が希望される事がほとんどです。まあ、審査を通ることは滅多にありませんし今まで紋章が大きくなった方もおられないので申し込み自体ほとんどないのが現状です」

「大きくなる可能性があると思うのに小さくなる可能性は考えないんですね」

「はい。もし考える人がいたとしても口には出さないでしょう。そんなことになれば仕事も何もかも失う可能性がありますから」

 精霊師達が力を発揮できない状況が続いても体調不良で片付けられてしまうそうで、最悪でも一時的な配置転換される程度にとどまる。



「精霊の言葉を疑うわけではないんですが⋯⋯本当に精霊王の加護が私にあるんでしょうか? その、イメージしていたのは精霊王の紋章だけが現れるのかと」

「聖布を縁取るように全ての紋章を囲む模様があったのを覚えていますか? あの紋様が精霊王の紋章だと言われています。紋様の中に含まれているのは精霊王がその人に行使を許している力や精霊の種類だと考えられています」

「でも私なんかがそんな凄い加護を戴いているのがどうしても信じられなくて」

 古参の使用人の話によるとローザリアは一度も母に抱かれた事がないらしい。産まれた瞬間に『見たくもない』『さっさとどこかへやって』と言われたとか。そこまで嫌われている自分の周りに沢山の精霊がいて話しかけてきたり助けてくれたりするのが不思議でならなかった。

(精霊に同情されているのかもと思ったりもしたけど)

「私は忌み子とか役立たずとか言われてきたので加護があるなんて思ってもいなかったと言うか、その逆で精霊に嫌われてるんじゃないかと思ってました」

 エリサとセバス以外に自分を人として扱ってくれる人がいないのは何故だろうと思っていた。

「リリアーナが精霊師と練習する時にそばに来るなと何度も叱られたことがあるんです。私が近くにいると精霊が逃げちゃうそうで、精霊師も私には加護の力を失わせる邪悪な何があるんじゃないかと言ってました」

「そんな扱いをしていたのにオーレアンに連れて行ったんですね」

「リリアーナの凄さを見て自分がどれほど公爵家に相応しくないのか知るようにと。役に立たない私が存在すること自体間違ってるからそれを自覚しろと言われました」

「公爵家もその精霊師も最悪です。呆れてものも言えません。
ローザリア様に加護があるかどうか調べもせずそのような事ばかり言うなど。仮に加護がなかったとしても許せない言葉です。
加護のある者が公爵家に相応しいのならカサンドラ様は資格なしですね。トーマック公爵は力を使えませんし」

 魔力はあるが加護のないカサンドラと弱い加護はあるが魔力のないウォレス。

「そうか、今まで考えたこともありませんでした」

「可能性は色々考えられる気がしますがローザリア様のせいだというのだけはあり得ません。精霊は心正しき者に力を貸してくれるのですから自信を持って下さい」

「はい、ありがとうございます」


「精霊王の加護も複数の精霊の紋章も王家に知られないようにしなくてはなりませんね。現国王は野心家で黒い噂が絶えません。数年後の⋯⋯」


 ドーン!! メリメリ バタン! 




 ローザリア達の部屋のドアが大きな音を立てて倒れ込んできた。

しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

二周目聖女は恋愛小説家! ~探されてますが、前世で断罪されたのでもう名乗り出ません~

今川幸乃
恋愛
下級貴族令嬢のイリスは聖女として国のために祈りを捧げていたが、陰謀により婚約者でもあった王子アレクセイに偽聖女であると断罪されて死んだ。 こんなことなら聖女に名乗り出なければ良かった、と思ったイリスは突如、聖女に名乗り出る直前に巻き戻ってしまう。 「絶対に名乗り出ない」と思うイリスは部屋に籠り、怪しまれないよう恋愛小説を書いているという嘘をついてしまう。 が、嘘をごまかすために仕方なく書き始めた恋愛小説はなぜかどんどん人気になっていく。 「恥ずかしいからむしろ誰にも読まれないで欲しいんだけど……」 一方そのころ、本物の聖女が現れないため王子アレクセイらは必死で聖女を探していた。 ※序盤の断罪以外はギャグ寄り。だいぶ前に書いたもののリメイク版です

婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました

日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。 だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。 もしかして、婚約破棄⁉

ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜

嘉神かろ
恋愛
 魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。  妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。  これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。

【完結】離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~

猫燕
恋愛
「――そなたとの婚姻を破棄する。即刻、王宮を去れ」 王妃としての5年間、私はただ国を支えていただけだった。 王妃アデリアは、側妃ラウラの嘘と王の独断により、「毒を盛った」という冤罪で突然の離縁を言い渡された。「ただちに城を去れ」と宣告されたアデリアは静かに王宮を去り、生まれ故郷・ターヴァへと向かう。 しかし、領地の国境を越えた彼女を待っていたのは、驚くべき光景だった。 迎えに来たのは何百もの領民、兄、彼女の帰還に歓喜する侍女たち。 かつて王宮で軽んじられ続けたアデリアの政策は、故郷では“奇跡”として受け継がれ、領地を繁栄へ導いていたのだ。実際は薬学・医療・農政・内政の天才で、治癒魔法まで操る超有能王妃だった。 故郷の温かさに癒やされ、彼女の有能さが改めて証明されると、その評判は瞬く間に近隣諸国へ広がり── “冷徹の皇帝”と恐れられる隣国の若き皇帝・カリオンが現れる。 皇帝は彼女の才覚と優しさに心を奪われ、「私はあなたを守りたい」と静かに誓う。 冷徹と恐れられる彼が、なぜかターヴァ領に何度も通うようになり――「君の価値を、誰よりも私が知っている」「アデリア・ターヴァ。君の全てを、私のものにしたい」 一方その頃――アデリアを失った王国は急速に荒れ、疫病、飢饉、魔物被害が連鎖し、内政は崩壊。国王はようやく“失ったものの価値”を理解し始めるが、もう遅い。 追放された王妃は、故郷で神と崇められ、最強の溺愛皇帝に娶られる!「あなたが望むなら、帝国も全部君のものだ」――これは、誰からも理解されなかった“本物の聖女”が、 ようやく正当に愛され、報われる物語。 ※「小説家になろう」にも投稿しています

運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。

ぽんぽこ狸
恋愛
 気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。  その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。  だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。  しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。  五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。

聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる

夕立悠理
恋愛
 ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。  しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。  しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。 ※小説家になろう様にも投稿しています ※感想をいただけると、とても嬉しいです ※著作権は放棄してません

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...