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リプロの大冒険
第83話 天使
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「リプロ王子殿下、この場所がルシス王女殿下を転送した場所になります」
「うん、わかったよ」
リプロは笑顔で返事をした。
「これをお持ちください」
ラファンは黒く輝く禍々しい形の小さな石を渡す。
「帰還の魔石だね」
「はい。私の転移魔法が込められています。お帰りになる時お使いください」
「うん」
「では、私は空の領域を見回りしてきます」
そう述べるとラファンは消えた。
「ほんとラファンはバカだな」
リプロは冷笑する。
「この一帯には全く魔獣がいないのになぜ気付かないのかな」
リプロはシュティルの森の近くへ転送された瞬間にすぐに察知した。
「ラファンはルシスお姉ちゃんを魔獣のエサにしたと言ったけど肝心の魔獣は全くいない」
リプロは簡単に答えへと辿り着く。
「ルシスお姉ちゃんは生きているんだぁ」
リプロは私が生きていると確信を得て欣喜雀躍した。
「でも、魔力を失ったルシスお姉ちゃんがどのようにして魔獣を倒したのだろうか?」
リプロは私が魔力を回復したことを知らない。
「まぁ、いいか!ルシスお姉ちゃんは僕の想像の斜め上を行く奇天烈破天荒な魔族だからなぁ」
前世の知識でいろんなおもちゃなどを作ったことで、弟2人からは型破りな魔族だと認識されていることに私は気付いていなかった。
「ルシスお姉ちゃんは魔力を失っているので探知はできない。どうしたら良いのだろう」
魔族の魔石から作られる闇の魔力は特別なので、リプロなら私の居場所を探知できるのである。しかし、私の魔石は黒から金色へと変貌したことで、闇の魔力を生み出していないので探知することができない。だがこれは私が闇魔法を使えないというわけではない。私は魔族しか使えない闇魔法だけでなく天使や神が使う光魔法すら使える万能タイプの魔石に変貌したのだ。
「ラファンはルシスお姉ちゃんを森の奥へ誘導する手紙を残したと言っていたから森の奥へ進んでみよう」
リプロは禍々しい黒い翼を広げて空へと翔けた。
「私の運命を左右するこの2日間。私は自分の計画を実行するだけです」
ラファンは私が死んでいると確信している。このままでは2日後には無間地獄が待っている。それを回避するためにラファンは一計を案じていた。
「ラファンさん、わざわざ足を運んでくれてありがとう」
ラファンが訪れていたのは空に浮かぶ巨大な島【天穹の大地ルミナス】であり、島の中心部には真っ白な大理石で作られた巨大なルミナス神殿がある。
ここはルミナス神殿の最上階にある禁断の部屋。神人さえ入ることが許されてない聖域である。そして、ラファンに声をかけたのは天穹の大地ルミナスを実質的に支配する主天使ザトキエルである。天使であるザトキエルの頭には黄金に輝く天使の輪が浮かんでいる。
※ ザトキエル 身長2m10㎝ 性別不詳(両性具有) 年齢不詳(寿命なし永遠の20代) 長い青い髪 青い瞳 ギリシャ彫刻のような肉体 美青年。
「急な訪問で申し訳ない。実は不測の事態が発生したのです」
「奇遇ですね。私も不測の事態が発生しているのです」
天穹の大地ルミナスは神から神力を授かった人間が住む大地である。神力を授かった人間は自らを神人と名乗り人間とは別の種族であることを強調する。神力を授かった赤子は、神人の手によって天穹の大地ルミナスへと連れ去られて神人として教育を受ける。天穹の大地ルミナスには神人と神人の世話をする奴隷の人間、そして、天穹の大地ルミナスを統治する主天使ザトキエルが住んでいる。
人界で神力を授かったとされる天空神12使徒は、神人から神力を間借りした人間であり、生まれつき神力を授かった人間ではない偽物である。本物の神力を持つ神人は成長するにつれて、背中から天使の翼が生えてくる。神人と偽物の違いは翼のあるなしで判断できる。そして、最初に神人を天穹の大地ルミナスへ招いたのがザトキエルであった。しかし、神人の中でもザトキエルの存在を知る者は少ない。
「それはお互いに困りものですね」
「そうですね」
2人とも浮かない顔をする。
「先にそちらの要件を聞きましょう」
ラファンは相手の様子を伺うことにした。
「実は神人が力を与えた人間達がことごとく敗北をしてしまい人界征服の第一歩が失敗したのですよ」
ザトキエルは苦い笑みを浮かべる。
「ほほう。あの天空伸12使徒と名付けた人間たちが敗北したのですね」
「はい。あの者達には人間の中では突出した力を与えたのですが、初陣の5名と手助けをした1名が完全敗北したようです」
「それは残念でしたね。次の作戦は練っているのでしょうか」
「今回は神人のゼーウスに全権を与えておりましたが私自ら作戦を練り直すことにしました。つきましてはラファンさんから頂いた例の物を追加で頂けないでしょうか」
「フフフフフ、少し考えさせてください」
ラファンは不気味な笑みを浮かべた。
ラファンはよからぬことを考えているのです。
「うん、わかったよ」
リプロは笑顔で返事をした。
「これをお持ちください」
ラファンは黒く輝く禍々しい形の小さな石を渡す。
「帰還の魔石だね」
「はい。私の転移魔法が込められています。お帰りになる時お使いください」
「うん」
「では、私は空の領域を見回りしてきます」
そう述べるとラファンは消えた。
「ほんとラファンはバカだな」
リプロは冷笑する。
「この一帯には全く魔獣がいないのになぜ気付かないのかな」
リプロはシュティルの森の近くへ転送された瞬間にすぐに察知した。
「ラファンはルシスお姉ちゃんを魔獣のエサにしたと言ったけど肝心の魔獣は全くいない」
リプロは簡単に答えへと辿り着く。
「ルシスお姉ちゃんは生きているんだぁ」
リプロは私が生きていると確信を得て欣喜雀躍した。
「でも、魔力を失ったルシスお姉ちゃんがどのようにして魔獣を倒したのだろうか?」
リプロは私が魔力を回復したことを知らない。
「まぁ、いいか!ルシスお姉ちゃんは僕の想像の斜め上を行く奇天烈破天荒な魔族だからなぁ」
前世の知識でいろんなおもちゃなどを作ったことで、弟2人からは型破りな魔族だと認識されていることに私は気付いていなかった。
「ルシスお姉ちゃんは魔力を失っているので探知はできない。どうしたら良いのだろう」
魔族の魔石から作られる闇の魔力は特別なので、リプロなら私の居場所を探知できるのである。しかし、私の魔石は黒から金色へと変貌したことで、闇の魔力を生み出していないので探知することができない。だがこれは私が闇魔法を使えないというわけではない。私は魔族しか使えない闇魔法だけでなく天使や神が使う光魔法すら使える万能タイプの魔石に変貌したのだ。
「ラファンはルシスお姉ちゃんを森の奥へ誘導する手紙を残したと言っていたから森の奥へ進んでみよう」
リプロは禍々しい黒い翼を広げて空へと翔けた。
「私の運命を左右するこの2日間。私は自分の計画を実行するだけです」
ラファンは私が死んでいると確信している。このままでは2日後には無間地獄が待っている。それを回避するためにラファンは一計を案じていた。
「ラファンさん、わざわざ足を運んでくれてありがとう」
ラファンが訪れていたのは空に浮かぶ巨大な島【天穹の大地ルミナス】であり、島の中心部には真っ白な大理石で作られた巨大なルミナス神殿がある。
ここはルミナス神殿の最上階にある禁断の部屋。神人さえ入ることが許されてない聖域である。そして、ラファンに声をかけたのは天穹の大地ルミナスを実質的に支配する主天使ザトキエルである。天使であるザトキエルの頭には黄金に輝く天使の輪が浮かんでいる。
※ ザトキエル 身長2m10㎝ 性別不詳(両性具有) 年齢不詳(寿命なし永遠の20代) 長い青い髪 青い瞳 ギリシャ彫刻のような肉体 美青年。
「急な訪問で申し訳ない。実は不測の事態が発生したのです」
「奇遇ですね。私も不測の事態が発生しているのです」
天穹の大地ルミナスは神から神力を授かった人間が住む大地である。神力を授かった人間は自らを神人と名乗り人間とは別の種族であることを強調する。神力を授かった赤子は、神人の手によって天穹の大地ルミナスへと連れ去られて神人として教育を受ける。天穹の大地ルミナスには神人と神人の世話をする奴隷の人間、そして、天穹の大地ルミナスを統治する主天使ザトキエルが住んでいる。
人界で神力を授かったとされる天空神12使徒は、神人から神力を間借りした人間であり、生まれつき神力を授かった人間ではない偽物である。本物の神力を持つ神人は成長するにつれて、背中から天使の翼が生えてくる。神人と偽物の違いは翼のあるなしで判断できる。そして、最初に神人を天穹の大地ルミナスへ招いたのがザトキエルであった。しかし、神人の中でもザトキエルの存在を知る者は少ない。
「それはお互いに困りものですね」
「そうですね」
2人とも浮かない顔をする。
「先にそちらの要件を聞きましょう」
ラファンは相手の様子を伺うことにした。
「実は神人が力を与えた人間達がことごとく敗北をしてしまい人界征服の第一歩が失敗したのですよ」
ザトキエルは苦い笑みを浮かべる。
「ほほう。あの天空伸12使徒と名付けた人間たちが敗北したのですね」
「はい。あの者達には人間の中では突出した力を与えたのですが、初陣の5名と手助けをした1名が完全敗北したようです」
「それは残念でしたね。次の作戦は練っているのでしょうか」
「今回は神人のゼーウスに全権を与えておりましたが私自ら作戦を練り直すことにしました。つきましてはラファンさんから頂いた例の物を追加で頂けないでしょうか」
「フフフフフ、少し考えさせてください」
ラファンは不気味な笑みを浮かべた。
ラファンはよからぬことを考えているのです。
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