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クラーケン討伐編
第106話 ある秘策
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「クラちゃん、もう十分にお食事とお酒を堪能しているようなので、次の町へ行ったほうが良いのです」
私はクラちゃんにキューカンバから旅立つように促した。
「まだお腹と心が満たされないゲソー」
クラちゃんはシュンとする。
「クラちゃん、実はキューカンバには美味しい料理を作る材料が不足しているので、どのお店に行っても料理を食べることはできないのです」
「ゲソ――――」
私は思い切って真実を告げるとクラちゃんは尻もちをついて驚いた。
「町の住人はクラちゃんが港にいるので、怖くて漁へ出ることができないのです。漁へ出ることができないので料理の材料が不足しているのです」
「私は怖くないゲソ――」
クラちゃんはタコのように顔を膨らまして真っ赤になった。
「私は神獣ゲソ――。全然怖くないゲソ!」
神獣とは敬われることはあっても怖がられることなどないとクラちゃんは思っている。
「クラちゃん、人界の生き物はクラちゃんの神獣の姿に畏怖を感じているのです」
「ゲソン」
クラちゃんは自分が恐れられていると理解してしんみりとする。
「クラちゃん、町の人が漁へ出られるように一旦別の場所へ行くのです」
「まだ美味しいフルーツも食べていないゲソ」
キューカンバは気候が良いのでフルーツを生産に適している。そのため様々なフルーツを栽培している。特に有名なのがブドウとイチゴだ。クラちゃんの次の目的はキューカンバのフルーツを食べつくすことである。しかし、これ以上のクラちゃんの滞在はキューカンバの観光業に大ダメージを与えることとなるだろう。
「クラちゃん、1つ私に提案があるのです」
私はある秘策を思いついていた。もしもクラちゃんがすんなりキューカンバの港から姿を消してもすぐには漁は再開されないだろう。完全にクラーケンが出現しないと判断するには1週間は様子を見ることになる。あと1週間も漁に出ることができないことは、漁師だけではなく飲食店など観光業に大ダメージを与えることになる。そこで私はクラちゃんを……いえクラーケンを討伐することにした。もちろん、神獣であるクラちゃんを倒せる者など人界だけでなく天界にも存在しない。クラちゃんは【終天を司る4神獣】と呼ばれる天界最強クラスの神獣だ。私でさえクラちゃんの最強モードを見たことはない。クラちゃんは人間の姿に変身できるが本来は大きな白いイカの姿をしている。その体長も自在に変えることができて、普段は30mほどの姿で人界の海で海水浴を楽しんでいるが、本気モードになると体長は1㎞を超える。最強モードになるだけで町1つ破壊するほどの姿になるのである。私は100mの姿のクラちゃんに勝つことはできたが、それ以上の大きさになることは7大天使から止められていた。そんなクラちゃんを討伐するなど不可能だから演技をしてもらうことにしたのである。
「クラちゃん、たくさんのイチゴを食べさせてあげるから苦しいフリをして海の底へ沈むのです」
クラちゃんと魔法や剣で戦うのは無謀である。クラちゃんの強靭な皮膚は魔法や剣を跳ね返す。特に魔法は反射してしまうので返り討ちにあってしまうだろう。そこで私は名案が思い付いたのである。クラーケンは果物が苦手であると。たくさんのフルーツをクラーケンに与えると体に異変が生じて逃げ出すという設定である。これは一挙両得の作戦だ。美味しいフルーツを食べたいクラちゃんとクラーケンが去ることを望む住人の両方が得をするのだから。
「ブドウも欲しいゲソ」
クラちゃんは一筋縄ではいかぬ性格である。私が本にキューカンバーのフルーツの中でもブドウとイチゴは格別の味と記載したことが裏目に出た。キューカンバーのブドウは葡萄酒の材料となるのでいつも品薄である。私はキューカンバーの事情を察知してイチゴとバナナで手を打つようにお願いした。
「ブドウは品薄なのです」
「ブドウが食べたいゲソ」
「バナナも甘くて美味しいのです」
「ルシスちゃんの本ではブドウをすすめたゲソ」
私とクラちゃんの押し問答は30分ほど続いた。
「仕方ないゲソ」
クラちゃんはしぶしぶ納得してくれた。
ついにクラーケン討伐が始まるのです!
私はクラちゃんにキューカンバから旅立つように促した。
「まだお腹と心が満たされないゲソー」
クラちゃんはシュンとする。
「クラちゃん、実はキューカンバには美味しい料理を作る材料が不足しているので、どのお店に行っても料理を食べることはできないのです」
「ゲソ――――」
私は思い切って真実を告げるとクラちゃんは尻もちをついて驚いた。
「町の住人はクラちゃんが港にいるので、怖くて漁へ出ることができないのです。漁へ出ることができないので料理の材料が不足しているのです」
「私は怖くないゲソ――」
クラちゃんはタコのように顔を膨らまして真っ赤になった。
「私は神獣ゲソ――。全然怖くないゲソ!」
神獣とは敬われることはあっても怖がられることなどないとクラちゃんは思っている。
「クラちゃん、人界の生き物はクラちゃんの神獣の姿に畏怖を感じているのです」
「ゲソン」
クラちゃんは自分が恐れられていると理解してしんみりとする。
「クラちゃん、町の人が漁へ出られるように一旦別の場所へ行くのです」
「まだ美味しいフルーツも食べていないゲソ」
キューカンバは気候が良いのでフルーツを生産に適している。そのため様々なフルーツを栽培している。特に有名なのがブドウとイチゴだ。クラちゃんの次の目的はキューカンバのフルーツを食べつくすことである。しかし、これ以上のクラちゃんの滞在はキューカンバの観光業に大ダメージを与えることとなるだろう。
「クラちゃん、1つ私に提案があるのです」
私はある秘策を思いついていた。もしもクラちゃんがすんなりキューカンバの港から姿を消してもすぐには漁は再開されないだろう。完全にクラーケンが出現しないと判断するには1週間は様子を見ることになる。あと1週間も漁に出ることができないことは、漁師だけではなく飲食店など観光業に大ダメージを与えることになる。そこで私はクラちゃんを……いえクラーケンを討伐することにした。もちろん、神獣であるクラちゃんを倒せる者など人界だけでなく天界にも存在しない。クラちゃんは【終天を司る4神獣】と呼ばれる天界最強クラスの神獣だ。私でさえクラちゃんの最強モードを見たことはない。クラちゃんは人間の姿に変身できるが本来は大きな白いイカの姿をしている。その体長も自在に変えることができて、普段は30mほどの姿で人界の海で海水浴を楽しんでいるが、本気モードになると体長は1㎞を超える。最強モードになるだけで町1つ破壊するほどの姿になるのである。私は100mの姿のクラちゃんに勝つことはできたが、それ以上の大きさになることは7大天使から止められていた。そんなクラちゃんを討伐するなど不可能だから演技をしてもらうことにしたのである。
「クラちゃん、たくさんのイチゴを食べさせてあげるから苦しいフリをして海の底へ沈むのです」
クラちゃんと魔法や剣で戦うのは無謀である。クラちゃんの強靭な皮膚は魔法や剣を跳ね返す。特に魔法は反射してしまうので返り討ちにあってしまうだろう。そこで私は名案が思い付いたのである。クラーケンは果物が苦手であると。たくさんのフルーツをクラーケンに与えると体に異変が生じて逃げ出すという設定である。これは一挙両得の作戦だ。美味しいフルーツを食べたいクラちゃんとクラーケンが去ることを望む住人の両方が得をするのだから。
「ブドウも欲しいゲソ」
クラちゃんは一筋縄ではいかぬ性格である。私が本にキューカンバーのフルーツの中でもブドウとイチゴは格別の味と記載したことが裏目に出た。キューカンバーのブドウは葡萄酒の材料となるのでいつも品薄である。私はキューカンバーの事情を察知してイチゴとバナナで手を打つようにお願いした。
「ブドウは品薄なのです」
「ブドウが食べたいゲソ」
「バナナも甘くて美味しいのです」
「ルシスちゃんの本ではブドウをすすめたゲソ」
私とクラちゃんの押し問答は30分ほど続いた。
「仕方ないゲソ」
クラちゃんはしぶしぶ納得してくれた。
ついにクラーケン討伐が始まるのです!
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