幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~

ninjin

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修業編

第55話 女教師ルシス

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 「ルシス、すぐに俺達をキャベッジへ戻してくれ」
 「お願い、ルシスちゃん。私たちは少しの時間も無駄にはできないの」


 2人はすぐにでも魔力操作の練習をしたいのだ。


 「ロキお姉ちゃん、トール親分、焦りは禁物なのです」
 「ルシスちゃん、どういうこと」

 「新しくなった魔石は、まだ完全に体に馴染んでいないのです。それにお2人がどれだけ魔力操作ができるのか教えて欲しいのです」
 「俺たちを試すのか……。それは正しい判断やな。ここで全力を出しても問題ないのか」

 「問題ないのです」
 「ほな、いくで」


 トールは魔法袋から大きなハンマーを取り出し全身の筋力を強化する。そして、片手でハンマーを後方に振り落として、ゴリラのような背筋力と柔軟な体をバネのように使って、私の頭に全力でハンマーを振り落とす。トールのハンマーは鉛製で1トンの重さだ。


 「喰らえ、ヨタトンハンマー」


 トールは合成魔獣との戦いでも1撃1撃をフルパワーで攻撃していた。しかし、それは複数体との戦い方であり、魔力と体力が尽きないように調整はしていた。だが今回は違う。トールは全力の1撃を私に見せるため1撃1殺の技を出したのである。トールのハンマーが私の頭上に降り注ぐ。


 「本気まじかよ」


 ハンマーは私の頭に当たる直前で止まった。


 「指1つで止めるなんてありえんやろ。自信無くすわ」


 トールは力尽きて地面に膝を付く。


 「トール親分の力量はわかったのです」
 「俺はどんな感じや」

 「基本がなっていないのです」
 「……そうか」


 トールは穏やかな目をして私の言葉に納得する。


 「でも、問題はないのです。私が魔力操作の基礎を教えるのです」
 「任せたで」


 トールは実力差をまざまざと見せつけられて私の言葉を素直に受け入れる。


 「次は私の番ね」
 「はい」


 ロキは魔法袋から剣を抜き取り剣を構える。


 「八熱地獄エイトグレートヘルズ


 ロキは技名を唱える。すると剣は8色の炎を纏う。


 「ルシスちゃん、これが私の全力よ」
 「どんとこいなのです」


 ロキは剣を振り上げる。


 「烈炎烈火インフェルノ


 ロキは技名を唱えながら剣を振り落とす。すると8色の炎は龍の形となり私に襲い掛かる。

 
 「暗黒球ブラックホール


 私は掌に黒い球体を作り出す。黒い球体はロキが作り出した炎の龍を吸い込んだ。


 「……」


 ロキは魔力が欠乏して膝を付く。


 「ロキお姉ちゃんも基礎がなっていないのです」
 「はぁ~、はぁ~」


 ロキの激しい息遣いだけが聞こえる。


 「ロキお姉ちゃん、トール親分、一旦お菓子の家スイーツハウスへ戻るのです」
 「俺たちは休息などいらんで」
 「はぁ~、はぁ~」


 ロキもそうだと言っているのであろう。


 「お2人に一番欠けているのは知識です。魔力を効率よく操作するためにお勉強をするのです。豊富な知識があれば、無駄は無くなり土台がしっかりとするのです」


 7大天使の修業の1年間は天使の能力スキルの勉強と基礎体力・筋力の鍛練、魔力操作の練習をした。土台がしっかりとしないと強力な魔法は構築できないと教えてもらった。


 「勉強よりも体を動かす方がええねんけど、それが今の結果ってことやな」
 「そうね。ルシスちゃんを信じましょ」


 ロキはようやく言葉を出せるようになる。


 「では1週間は人体の構造などの勉強をみっちり仕込むのです」
 「ここに1週間も閉じこもるんか?」
 「ルシスちゃん、丁寧に教えてくれるのはありがたいけどキャベッジのことや依頼の報告でラディッシュへ戻らないといけないわ」

 「無問題モウマンタイなのです。お菓子の国スイーツアイランドと現実世界は時間の経過が違うのです。こちらでの1日は現実世界の1時間程度なのです」


 お菓子の国スイーツアイランドは、タイムマシーンのような世界と言えるだろう。しかし、未来や過去へ自由に行き来できるのではなく定まった時間の過去へ戻る超絶劣化版である。お菓子の国スイーツアイランドで過ごした1日は、現実世界からお菓子の国スイーツアイランドへ来た、1時間後の現実世界へタイムトラベルをすることになる。
 私はミカエルの能力スキル幸福招来を応用して、過去に戻れるタイムマシーンを作ろうとした。もし、タイムマシーンを作ることができれば、私は魔王書庫に幽閉された5歳の時に戻り、人生をやり直すことができると考えた。しかし、現実世界を改変するタイムマシーンを作ることは不可能であった。だが、その副産物としてお菓子の国スイーツアイランドの時の経過を現実世界との差異をつくることに成功したのである。


 「ほんまでっか」
 「信じられないわ」


 2人が信じられないのは当然なのかもしれない。


 「明日にキャベッジへ戻るので確認すると良いのです」
 「そやな」
 「わかったわ」
 

 2人は渋々了承した。そして、私は黒のスーツを着て赤色の眼鏡をかけて女教師モードに突入した。


 さぁ、お勉強の時間なのです。
 

 
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