コミュ力0の私は、人と関わるのが嫌なので気配を消し続けたら、最強のスキル【無】を手に入れたようです!

ninjin

文字の大きさ
7 / 47

魔銃

しおりを挟む
 ギルドの解体場で勉強を始めて2週間が経過した。解体作業は毎日あるわけではない。

 パステックの町は人口は1万人、ブフ1体で1000人前、サングリエ1体で200人前、ラパン1体で30人前の食事量を確保できる。冒険者は命がけで魔獣の世界に侵入して魔獣を調達してくるので、毎日定期的に魔獣がギルドに届けられるわけではない。

 私は解体作業がない時は、別のデピュタンの依頼任務に同行している。今日は解体作業のない日だったので、食堂の調理補助の依頼に同行している。

 デピュタンの依頼は雑用業務がメインである。例えば、冒険者が乗る荷馬車の運転兼雑用業務。【デピュタンは魔獣の世界に入る資格はないが、手伝い業務の任務を受ける時は特例で魔獣の世界に入る事ができる】近隣の村や町への物資の輸送。引っ越しの手伝い・農業、家畜業の手伝い。食堂などの店舗の手伝いと様々な雑用業務の依頼がある。

 私は自給自足の生活を目指しているので、解体した魔獣の調理の仕方を学ぶために食堂の調理補助の依頼に同行することにした。今はクズ肉を火で焼いて食べるという簡単な方法でしか食していない。


 「アドンさんは、初めてだから配膳と皿洗いをお願いするね」

 「はい」

 「リュカさんは3度目だね。今日は調理の補助をお願いするね」

 「はい!」

 
  リュカさんは嬉しそうに返事をする。リュカさんも私と同じように料理を学ぶ事が目的であろう。


 「ラパンのモモ肉を火が通りやすいように骨に沿って切れ目を入れるのよ」

 「はい」

 「食べやすいように無駄な骨は取り除くのよ」

 「無駄な骨?」

 「モモ肉の横に付いている骨よ」

 「はい」

 「次はウデ肉ね。モモ肉と同様に骨に沿って切り込みを入れるのよ」

 「はい」

 「切り込みが終わったら、モモ肉、ウデ肉に塩胡椒をかけ、フライパンで中火で焼くのよ」

 「はい」

 「色が付いたら肉を裏返してフライパンに蓋をして、しっかり火を通すのよ」

 「はい」

 「こんがりと焼き上がればラパン焼きの出来上がりよ」


 ラパンの肉は手に入りやすいので、食堂では安価で提供される。料理の仕方も様々で、ラパンの肉を鍋に入れてお酒やトマトで煮込む調理方などもある。私はラパンの料理方法をメモりながら調理方法を勉強した。

 こうして、私は解体作業がない時は、食堂の調理補助の依頼に同行して、自給自足に向けて準備を整えていく。


 6か月後・・・


 デピュタンからノルマルに上がるには最低でも半年はかかる。それは、ギルドでノルマルに上がるための試験を受ける資格として、週に2回以上デピュタンの依頼を6か月間継続して受けなければいけないという規約があるからである。そして、ノルマルに上がる為の試験とは魔銃の取り扱いの試験である。

 魔銃とは魔力を銃弾に変化させることが出来る魔道具である。魔銃の弾丸は魔弾と呼ばれる。そして、魔銃には3種類あり、トリコロール【三色】に分類される。ルージュ【赤】はショットガンであり、撃った瞬間に数発の魔弾をばら撒く近距離銃(5m以内)。ブロン【白】はアサルトライフル(フルオート)であり、魔弾を連射して発射することができる中距離銃(20m~50m)。ブル【青】はスナイパーライフルであり、威力は絶大だが扱いが難しい長距離銃(100m~1000m)。

 ギルドの試験では、自分が得意とするトリコロールを選択して、魔銃の腕を試される。ルージュは近距離銃なので最前線で戦わないといけない。ルージュが、魔獣のヘイト(注意)を引き付けながら魔核や繋目にダメージを与えて動きを封じ、ブロンが魔核を破壊するのが魔獣退治のセオリーである。


 ※魔核とは魔獣の力の源であり弱点でもある。魔核から全身に魔力が流れており、この魔力が血液のように体に循環されることによって、魔獣の皮膚や筋力などが強化されている。魔力濃度が高いほど皮膚が堅く力が強い。そして、魔核を破壊すると魔獣は力の源を失い死んでしまう。また、魔獣の関節の繋目は皮膚が薄いので、繋目を攻撃すると魔力の供給を弱める事ができ魔獣の動きを鈍らせる事が出来る。

 冒険者パーティーではルージュが3人、ブロンが1人または2人、ブルが0人である。ルージュは一番危険だが、戦闘の醍醐味を味わうことが出来るので、戦闘好きな者には人気がある。

 ブロンは魔獣から距離を置いて戦うので基本安全である。しかし、間違って仲間を誤射してしまう危険があるので、集中力と技術が必要だ。腕に自信がある者はブロンを選ぶ。

 冒険者でブルを選ぶ者はほとんどいない。冒険者は基本3名から5名でパーティーを組む。1人だけ離れたところで魔獣を狙撃するのは効率が悪い。それにブルは最長1㎞先から魔獣を狙い撃ちするので、かなりの技術が必要だ。熟練した冒険者がブロンからブルになる者がたまにいるくらいである。

 これが王国騎士団に置き換えると話は変わってくる。

 王国騎士団では従騎士が絶対にルージュである。従騎士とは平民なので、最前線で戦うのは平民である。貴族である騎士はブロンとして、少し離れた安全な場所から射撃をする。そして、サンク・エトワル(5つ星)クラスになるとブルとして、より安全な場所から遠距離射撃を行い、自分の腕を試すのである。サンク・エトワルクラスになるには実績よりも、身分が優先される事が多いので、実力が伴わないブルの誤射により、命を失うルージュも少なくない。

 


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...