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第81話 本当の扉
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地下通路を進んで行くと水の流れる音が聞こえた。ソレイユとバランス隊長の証言通り南の監視塔の地下通路は用水路へと繋がっていた。
「2人の証言通りですね。後はこの先がプッペンシュピール礼拝堂の地下に通じていることを願いましょう」
「問題ないわ。しゃくだけど、リーリエの情報は完璧よ」
イーリスの微かな不安を吹き飛ばすようにメーヴェが口悪く答える。
「メーヴェも素直じゃないわね。信頼できる友と言えば良いのよ」
「別に友達ではないわ。私はメッサー様に頼まれたから来ているだけよ」
メーヴェは頑なに私を嫌っているようにふるまうが私は悪い気分にはならない。
直径2m程の地下通路から地下の用水路へと景色が変わる。用水路の歩行通路の幅が50㎝程になり1人が通行するのにギリギリの幅になる。このような通路で傀儡兵と遭遇すれば、かなり危険な戦いになる。私たちはより緊張感を高めながら先へと進む。地下用水路を進んでからおおよそ30分ほどが経過した時に、行く手を塞ぐ大きな扉が姿を現した。
「リーリエさん、どう致しましょう」
おそらくこの扉を開くとプッペンシュピール礼拝堂の地下へと繋がってると思われる。そして、入り口と同じように罠が仕掛けられている可能性もある。しかし、今回は入り口と同じように天井が崩れ落ちてきた場合、シェーンは瓦礫の下敷きになるどころか用水路に落ちてしまう危険がある。用水路の深さは目視で底が確認できないほど深い。シェーンのスキル金城鉄壁《きんじょうてっぺき》はダメージを5分の1にするが、水中に閉じ込められて、気道内に水を吸入し、正常な呼吸を行うことができなくなった場合はどうなるのであろうか。
「入り口と同じような罠があれば、シェーンが用水路に落ちて溺死する可能性があるかもしれないわ。少しだけ考える時間をちょうだい」
「リーリエの言う通りよ。シェーンのスキル金城鉄壁《きんじょうてっぺき》は溺死を防ぐことはできないわ。無謀なことは絶対にさせない」
「シェーンさんのスキルも万能ではないのですね」
「すまない。今回はお役に立てそうにないわね」
誰も自己犠牲を望まない。
昨日私はゲームの内容を詳細に思い出そうと試みた。プッペンシュピール礼拝堂の地下に辿り着けば、ゲームの知識は有益な情報になるだろう。しかし、ゲームには存在しない場所では、ゲームの情報は私を導いてくれない。だから私は今の現状をゲームと似ている展開もしくは応用できそうな展開を今の状況に当てはめて考える。私は今の状況を把握して最適な答えを導かなければいけない。入り口の失敗をここで挽回する必要があるからだ。
私が今いる場所は、南の監視塔の地下4階相当の場所になる。ゲームではプッペンシュピール礼拝堂の地下は3階まで存在し、オブジェの扉はスーパーノヴァを見つけた地下3階に存在した。このことから推察すると、入り口の時と同様に、扉の上部に新たな扉が存在する可能性はあるだろう。しかし、今いる場所が地下四階という確証はない……。
入口の時は秘密の扉を見つけることができなくて罠にハマってしまった。いったいどこに秘密の扉があったのだろうか?地下へ通じる折り返し階段にどこか仕掛けがあったのだろうか?いや、今は関係ない事を考えるのはよそう。今は目の前には入り口と同じ扉があり……。違う……。ゲームで見た扉とデザインが違う。私は気付いた。ゲームで見たオブジェの扉は銅製の頑丈な扉だ。今目の前にあるのは木製の扉である。
「この扉は確実に罠の扉です。おそらく入り口と同様に別の扉があります」
「わかりました。では、本当の扉はどこにあるのでしょうか」
ここからが本題だ。目の前の扉が罠だと気付いても何も解決はしていない。一番大事な事は本当の扉の場所になる。もちろん、私は本当の扉の場所に目星は付けていた。
「リーリエ、何をしているのよ」
メーヴェは顔を真っ青にして叫ぶ。
『ボチャ――ン』
用水路から水しぶきが飛んで私が用水路の中へ姿を消した。
「メーヴェさん、落ち着いてください」
イーリスがなだめるように声をかける。一方、シェーンは唇を噛みしめて苦悶の表情を浮かべる。
「あのバカ!無茶なことをして……」
メーヴェは膝から崩れ落ちる。
「リーリエさんを信じましょう」
イーリスは毅然とした態度で2人の不安を取り除く。
「なぜリーリエさんは俺たちに相談をせずに水路へ飛び込んだの」
「止めに入ると思ったからでしょう。おそらく水路を潜った先に本当の扉があるのでしょう」
私の思いはイーリスには見抜かれていた。私たちの目の前に立ちはだかる扉は罠であり、プッペンシュピール礼拝堂の地下へ通じていない。そして、上部にも本当の扉は存在せず、水路を潜った先に本当の扉に通じる通路が存在すると判断した。
「2人の証言通りですね。後はこの先がプッペンシュピール礼拝堂の地下に通じていることを願いましょう」
「問題ないわ。しゃくだけど、リーリエの情報は完璧よ」
イーリスの微かな不安を吹き飛ばすようにメーヴェが口悪く答える。
「メーヴェも素直じゃないわね。信頼できる友と言えば良いのよ」
「別に友達ではないわ。私はメッサー様に頼まれたから来ているだけよ」
メーヴェは頑なに私を嫌っているようにふるまうが私は悪い気分にはならない。
直径2m程の地下通路から地下の用水路へと景色が変わる。用水路の歩行通路の幅が50㎝程になり1人が通行するのにギリギリの幅になる。このような通路で傀儡兵と遭遇すれば、かなり危険な戦いになる。私たちはより緊張感を高めながら先へと進む。地下用水路を進んでからおおよそ30分ほどが経過した時に、行く手を塞ぐ大きな扉が姿を現した。
「リーリエさん、どう致しましょう」
おそらくこの扉を開くとプッペンシュピール礼拝堂の地下へと繋がってると思われる。そして、入り口と同じように罠が仕掛けられている可能性もある。しかし、今回は入り口と同じように天井が崩れ落ちてきた場合、シェーンは瓦礫の下敷きになるどころか用水路に落ちてしまう危険がある。用水路の深さは目視で底が確認できないほど深い。シェーンのスキル金城鉄壁《きんじょうてっぺき》はダメージを5分の1にするが、水中に閉じ込められて、気道内に水を吸入し、正常な呼吸を行うことができなくなった場合はどうなるのであろうか。
「入り口と同じような罠があれば、シェーンが用水路に落ちて溺死する可能性があるかもしれないわ。少しだけ考える時間をちょうだい」
「リーリエの言う通りよ。シェーンのスキル金城鉄壁《きんじょうてっぺき》は溺死を防ぐことはできないわ。無謀なことは絶対にさせない」
「シェーンさんのスキルも万能ではないのですね」
「すまない。今回はお役に立てそうにないわね」
誰も自己犠牲を望まない。
昨日私はゲームの内容を詳細に思い出そうと試みた。プッペンシュピール礼拝堂の地下に辿り着けば、ゲームの知識は有益な情報になるだろう。しかし、ゲームには存在しない場所では、ゲームの情報は私を導いてくれない。だから私は今の現状をゲームと似ている展開もしくは応用できそうな展開を今の状況に当てはめて考える。私は今の状況を把握して最適な答えを導かなければいけない。入り口の失敗をここで挽回する必要があるからだ。
私が今いる場所は、南の監視塔の地下4階相当の場所になる。ゲームではプッペンシュピール礼拝堂の地下は3階まで存在し、オブジェの扉はスーパーノヴァを見つけた地下3階に存在した。このことから推察すると、入り口の時と同様に、扉の上部に新たな扉が存在する可能性はあるだろう。しかし、今いる場所が地下四階という確証はない……。
入口の時は秘密の扉を見つけることができなくて罠にハマってしまった。いったいどこに秘密の扉があったのだろうか?地下へ通じる折り返し階段にどこか仕掛けがあったのだろうか?いや、今は関係ない事を考えるのはよそう。今は目の前には入り口と同じ扉があり……。違う……。ゲームで見た扉とデザインが違う。私は気付いた。ゲームで見たオブジェの扉は銅製の頑丈な扉だ。今目の前にあるのは木製の扉である。
「この扉は確実に罠の扉です。おそらく入り口と同様に別の扉があります」
「わかりました。では、本当の扉はどこにあるのでしょうか」
ここからが本題だ。目の前の扉が罠だと気付いても何も解決はしていない。一番大事な事は本当の扉の場所になる。もちろん、私は本当の扉の場所に目星は付けていた。
「リーリエ、何をしているのよ」
メーヴェは顔を真っ青にして叫ぶ。
『ボチャ――ン』
用水路から水しぶきが飛んで私が用水路の中へ姿を消した。
「メーヴェさん、落ち着いてください」
イーリスがなだめるように声をかける。一方、シェーンは唇を噛みしめて苦悶の表情を浮かべる。
「あのバカ!無茶なことをして……」
メーヴェは膝から崩れ落ちる。
「リーリエさんを信じましょう」
イーリスは毅然とした態度で2人の不安を取り除く。
「なぜリーリエさんは俺たちに相談をせずに水路へ飛び込んだの」
「止めに入ると思ったからでしょう。おそらく水路を潜った先に本当の扉があるのでしょう」
私の思いはイーリスには見抜かれていた。私たちの目の前に立ちはだかる扉は罠であり、プッペンシュピール礼拝堂の地下へ通じていない。そして、上部にも本当の扉は存在せず、水路を潜った先に本当の扉に通じる通路が存在すると判断した。
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