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第91話 合流
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一方私たちは、ストロフィナッチョ兄妹たちと合流するために北門へ向かっていた。しかし、私たちの道を塞ぐように無数の傀儡兵が棒立ちになっている。それはまるで満員電車の中の鮨詰状態だ。
「リーリエ、傀儡兵が邪魔で先へ進めないわ」
「本当ね。でも、こんなところで足止めを食っている場合じゃないわ」
私は焦りが募り額から汗が零れ落ちる。
「ここは私がエアステップを使って、ストロフィナッチョ兄妹に現状を伝えてくるわ」
「それが良いわね。メーヴェ、お願いするわ」
ロベリアが仲間に加わったことで、傀儡兵が無効化になったことをいち早くストロフィナッチョ兄妹へ知らせる必要がある。しかし、北門へ通じる道は、案山子となった傀儡兵で溢れかえって先へ進めない。私たちは想定外の誤算で足止めを食っていた。この状況を打破できるのは、メーヴェのエアステップだけである。メーヴェはエアステップを使いながら、傀儡兵の頭を飛び石を渡るように、ピョンピョンと跳ねながら北門へ向かった。
メーヴェが去った後、すぐにロベリアはある気配を察知した。
「リーリエさん、嫌な魔力の気配がします。おそらくこの気配はプリュトンだと思います」
「あなたは闇の魔力を感知できるのね」
「いえ、できません。しかし、終焉の魔女から闇の魔力を授かった者同志が近づくと、魔力の共鳴反応が起こるのです」
「そうなのね。でもそれなら、プリュトンにもあなたの居場所がバレてしまうわ」
「いえ、問題ありません。プリュトンは創世の魔女から授かった闇の魔力なので、この共鳴感覚の力を持っていないのです」
もしも、プリュトンにロベリアの居場所を察知する力を持っていれば、ロベリアの居場所を察知して、ロベリアに気付かれないように逃げられる可能性があった。しかし、その心配はなくなった。
「邪魔だ!どけ」
声を荒げながら傀儡兵を蹴り飛ばしている1人の男が見えた。間違いないあの男がプリュトンだ。
「ロベリアさん、あの男がプリュトンですよね」
「はい、そうです」
プリュトンは逃げるのに必死でロベリアの姿に気づかない。
「プリュトンはどこへ向かっているのかしら」
「地下通路を使って逃げるぞと心の中で叫んでいます」
「プリュトンは地下通路があることを知っていたのね。このまま逃すわけにはいかないわ。でも傀儡兵が邪魔だわ」
満員電車の鮨詰め状態であるこの場所は戦闘には不向きである。今ここで戦えば多くの傀儡兵が犠牲になるだろう。
「リーリエさん、先回りをして南門の監視塔で待つのが良いでしょう」
ロベリアは私の心を読み解いてアドバイスをしてくれた。しかし、プッペンシュピール礼拝堂にはイーリスたちが待機しているはずだ。このままプリュトンを見逃せば、イーリスたちと出会ってしまう。
「問題はありません。私のスキル拈華微笑は相手の心を読み解く力と相手の心に訴える力があります。1度心を読んだ相手なら、一定距離の範囲なら私の声を届けることができるのです」
「そうなのね。それならお願いするわ」
ロベリアはスキルを使ってイーリスたちに、プリュトンに見つからないようにと伝えた。
「これで問題はありません。先へ進みましょう」
「そうね。プリュトンを逃がさないためにも急ぐわよ」
私たちは傀儡兵をかき分けながら北門へ向かった。
「リュンヌ様、もうこれ以上は待てません」
ローゼは私たちが姿を見せないので、何かあったのではないかと不安で押しつぶされそうになっていた。
「俺も待てない。頼む、中へ入らせてくれ」
兄も我慢の限界を超えた。
「……兄様、どう致しますか?」
「リーリエ嬢は、俺ではプリュトンに勝てないと言った。しかし、俺はあの言葉を受け入れたわけではない」
「それは私も同意見です」
「それならば答えは明白だ。ローゼ嬢、俺とリュンヌでプリュトンを討つ。傀儡兵は任せたぞ」
「もちろんです」
ローゼは拳を握りしめて気合を入れる。
「メッサーさぁま~~~」
ローゼたちが臨戦態勢を整えた時、メーヴェの甘い声が上空から響く。
「メーヴェ、無事だったのか」
いち早くメーヴェの声に反応したのはメッサーだ。
「はい。大丈夫です」
「リーリエは、リーリエは無事なのか」
「もちろん、みんな無事です」
「そうか……それならよかった」
メッサーは安堵の笑みを浮かべる。
「メーヴェ、状況をみんなに説明してくれ」
「もちろんです、メッサー様」
メーヴェは現状を全て説明する。
「さすがリーリエさんです」
私が2人を救出して、ロベリアを仲間に引き入れた偉業を聞いて、ローゼは満面の笑みで喜ぶ。
「お兄様、プリュトンは生きて捕えないといけません」
「そうだな。第1王子を殺したとなると、後々面倒になるはずだ。さて、どうすれば良いのだろうか」
「ソレイユ様、まずはリーリエと合流するのが先決だと思います。リーリエなら次の作戦を思い付いているはずです」
「そうだな。ローゼ嬢、すまないが、リーリエ嬢が俺たちの場所に辿り着きやすいように、一直線で傀儡兵を浄化してもらえないだろうか」
「もちろんです。メーヴェさん、上空から指示をお願いします」
「わかったわ」
ローゼは私たちの通行を邪魔している傀儡兵を、一直線状に浄化を始めた。
「リーリエ、傀儡兵が邪魔で先へ進めないわ」
「本当ね。でも、こんなところで足止めを食っている場合じゃないわ」
私は焦りが募り額から汗が零れ落ちる。
「ここは私がエアステップを使って、ストロフィナッチョ兄妹に現状を伝えてくるわ」
「それが良いわね。メーヴェ、お願いするわ」
ロベリアが仲間に加わったことで、傀儡兵が無効化になったことをいち早くストロフィナッチョ兄妹へ知らせる必要がある。しかし、北門へ通じる道は、案山子となった傀儡兵で溢れかえって先へ進めない。私たちは想定外の誤算で足止めを食っていた。この状況を打破できるのは、メーヴェのエアステップだけである。メーヴェはエアステップを使いながら、傀儡兵の頭を飛び石を渡るように、ピョンピョンと跳ねながら北門へ向かった。
メーヴェが去った後、すぐにロベリアはある気配を察知した。
「リーリエさん、嫌な魔力の気配がします。おそらくこの気配はプリュトンだと思います」
「あなたは闇の魔力を感知できるのね」
「いえ、できません。しかし、終焉の魔女から闇の魔力を授かった者同志が近づくと、魔力の共鳴反応が起こるのです」
「そうなのね。でもそれなら、プリュトンにもあなたの居場所がバレてしまうわ」
「いえ、問題ありません。プリュトンは創世の魔女から授かった闇の魔力なので、この共鳴感覚の力を持っていないのです」
もしも、プリュトンにロベリアの居場所を察知する力を持っていれば、ロベリアの居場所を察知して、ロベリアに気付かれないように逃げられる可能性があった。しかし、その心配はなくなった。
「邪魔だ!どけ」
声を荒げながら傀儡兵を蹴り飛ばしている1人の男が見えた。間違いないあの男がプリュトンだ。
「ロベリアさん、あの男がプリュトンですよね」
「はい、そうです」
プリュトンは逃げるのに必死でロベリアの姿に気づかない。
「プリュトンはどこへ向かっているのかしら」
「地下通路を使って逃げるぞと心の中で叫んでいます」
「プリュトンは地下通路があることを知っていたのね。このまま逃すわけにはいかないわ。でも傀儡兵が邪魔だわ」
満員電車の鮨詰め状態であるこの場所は戦闘には不向きである。今ここで戦えば多くの傀儡兵が犠牲になるだろう。
「リーリエさん、先回りをして南門の監視塔で待つのが良いでしょう」
ロベリアは私の心を読み解いてアドバイスをしてくれた。しかし、プッペンシュピール礼拝堂にはイーリスたちが待機しているはずだ。このままプリュトンを見逃せば、イーリスたちと出会ってしまう。
「問題はありません。私のスキル拈華微笑は相手の心を読み解く力と相手の心に訴える力があります。1度心を読んだ相手なら、一定距離の範囲なら私の声を届けることができるのです」
「そうなのね。それならお願いするわ」
ロベリアはスキルを使ってイーリスたちに、プリュトンに見つからないようにと伝えた。
「これで問題はありません。先へ進みましょう」
「そうね。プリュトンを逃がさないためにも急ぐわよ」
私たちは傀儡兵をかき分けながら北門へ向かった。
「リュンヌ様、もうこれ以上は待てません」
ローゼは私たちが姿を見せないので、何かあったのではないかと不安で押しつぶされそうになっていた。
「俺も待てない。頼む、中へ入らせてくれ」
兄も我慢の限界を超えた。
「……兄様、どう致しますか?」
「リーリエ嬢は、俺ではプリュトンに勝てないと言った。しかし、俺はあの言葉を受け入れたわけではない」
「それは私も同意見です」
「それならば答えは明白だ。ローゼ嬢、俺とリュンヌでプリュトンを討つ。傀儡兵は任せたぞ」
「もちろんです」
ローゼは拳を握りしめて気合を入れる。
「メッサーさぁま~~~」
ローゼたちが臨戦態勢を整えた時、メーヴェの甘い声が上空から響く。
「メーヴェ、無事だったのか」
いち早くメーヴェの声に反応したのはメッサーだ。
「はい。大丈夫です」
「リーリエは、リーリエは無事なのか」
「もちろん、みんな無事です」
「そうか……それならよかった」
メッサーは安堵の笑みを浮かべる。
「メーヴェ、状況をみんなに説明してくれ」
「もちろんです、メッサー様」
メーヴェは現状を全て説明する。
「さすがリーリエさんです」
私が2人を救出して、ロベリアを仲間に引き入れた偉業を聞いて、ローゼは満面の笑みで喜ぶ。
「お兄様、プリュトンは生きて捕えないといけません」
「そうだな。第1王子を殺したとなると、後々面倒になるはずだ。さて、どうすれば良いのだろうか」
「ソレイユ様、まずはリーリエと合流するのが先決だと思います。リーリエなら次の作戦を思い付いているはずです」
「そうだな。ローゼ嬢、すまないが、リーリエ嬢が俺たちの場所に辿り着きやすいように、一直線で傀儡兵を浄化してもらえないだろうか」
「もちろんです。メーヴェさん、上空から指示をお願いします」
「わかったわ」
ローゼは私たちの通行を邪魔している傀儡兵を、一直線状に浄化を始めた。
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