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ハツキ再び王都へ
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私は王都に着くとすぐにヴァイセスハール城に向かった。ブランシュは、お城に住んでいると手紙に書いてあったからである。お城には一度行ったことがあるので、場所はわかっている。私は町の屋根をピョンピョンと飛びながらお城に向かった。もちろん、プリンツの姿を見られては大変なので私の胸ポケットに入ってゆっくりと休んでいる。
城門に着くと私は冒険者証を見せた。
「あなたが0の少女のハツキ様ですね。メルクーア大公より話は伺っています。すぐに連絡をいたしますので、少しだけお待ちください」
10分後、黒のメイド服を着たノアールが姿を見せる。
「あなたが0の少女だったのですね。この前は挨拶できずに申し訳ありません」
ノアールとは氷結座敷で一度会ったことがある。しかし、ノアールは氷結座敷の氷河が溶けている事に驚いて、私とはきちんと挨拶も会話もしていなかったが、私のことはちゃんと覚えていた。
「いいのよ。あの時はバタバタしていたからね」
「ありがとうございます。あの後、王国魔導技師たちが、とある冒険者が持ってきてくださった素材と魔石を調合して作った魔道具によって、ブランシュ王女殿下の呪いは完全に解除されました。しばらくは、体調を回復するためにゆっくりと休んでいましたが、今は、元気になって魔法の鍛錬に明け暮れる日々を送っています」
「そうなんだ。元気になってよかったですね」
私は心の底から喜んでいた。
「生きる希望を失い欠けていたブランシュ王女殿下を勇気づけてくれたのはあなたです。元気になったブランシュ王女殿下は、ぜひとも、あなたに再度お礼を告げたいと申していますので、ご案内いたします」
私はノアールに連れられてブランシュの元へ行く。
「ここがブランシュ王女殿下の部屋になっています。ブランシュ王女殿下はハツキさんと2人っきりで話したいと申していましたので、ここからは1人でお入りください」
私はゆっくりと大きな扉を開いた。
「ハツキちゃん会いたかったわ」
扉を開けるなりブランシュが私の胸に飛び込んできた。
「見て!こんなに元気になったのよ」
ブランシュは私を抱っこしてくるくると回転する。
「目が・・・目が回るよぉ~」
「ごめんなさい。ハツキちゃんに会えて嬉しくてちょっと調子にのっちゃったわぁ~」
ブランシュが舌を出してニコリと笑った。
「地球が回っているよぉ~」
私は足をふらつかせながら右往左往する。
「地球???何を言ってるのハツキちゃん」
「いえいえ、ちょっと目が回って脳がちゃんと機能してなかったみたいだわ」
「そうなんだ。ハツキちゃん、手紙を出してすぐに来てくれるなんて嬉しいわ」
「暇だったので、遊びに来ちゃいました」
「暇だったの?ハツキちゃんは冒険者だよね。プリンツちゃんと一緒に魔獣退治はしないのかな?」
「アイリスさんに頼まれて素材を取りに行ったりしたけど、プリンツちゃんが全て退治するから暇だったわ」
「この辺りはDランク以下の魔獣しか生息していないから、黒の怪物のプリンツちゃんなら楽勝よね。でも、モォーモォー山にはCランク以上の魔獣が生息しているから危険よ。絶対に近寄らない方がいいわよ」
「モォーモォー山・・・すごく怖そうな山ですね!」
プリンツは山の名前を私に説明してくれていたが、私はきちんと聞いていなかったので山の名前は知らなかった。
「そうなのよ。モォーモォー山にはAランク魔獣もいるから、いくらプリンツちゃんでも大変だと思うわ。特に暴走キングの牛牛王、大食漢のホワイトスネークキング、恐怖の大王ビックダイガーライオン、破壊王のマンモスグマ、このモォーモォー山の4巨頭に出会ったら死を覚悟しなければいけないと本に書いてあったわ。『青天の霹靂』、『恒河者』でもあの山は避けて通ると聞いているわ」
「そうなんだ。絶対にモォーモォー山に行かないと宣言しま~す」
いくら怪力で頑丈な体を持っている私でも危険なのではと感じてしまった。
「それがいいと思うわ。ハツキちゃんは魔力量が0なんだから無茶したらダメよ!」
「はぁ~い」
「そうだわ。今日はそんな話をするために呼んだんじゃなかったわ。私、ちゃんとしたお礼をしていないから、ハツキちゃんとプリンツちゃんに渡したいものがあるのよ」
「そんな、お礼なんていらないわよ」
「でも、火炎竜王の鱗に英雄ランクの魔石をタダでもらうわけにはいかないわよ」
「プリンツちゃんが私にタダでくれたので問題ないわ」
火炎竜王の鱗と英雄ランクの魔石はプリンツがくれた事にしている。
「私にはわかっているわ。プリンツちゃん1人で火炎竜王の鱗と英雄ランクの魔石を入手できないってことを。おそらくヴォルフロードの力を借りて、手にしたのでしょう。いくら、魔力奴隷になったからといって、黒の厄災の王の宝を無償でハツキちゃんが譲り受けたなんて信じられないわ。ハツキちゃんは・・・ハツキちゃんは、魔力奴隷以上の過酷な契約をしたに違いないわ!」
「そ・・・そんなことないわよ!プリンツちゃん、プリンツちゃん、ポケットから出てきてブランシュちゃんに説明してよ」
プリンツは疲れてぐっすりと眠っていたので、わたしの声は届かなかった。
城門に着くと私は冒険者証を見せた。
「あなたが0の少女のハツキ様ですね。メルクーア大公より話は伺っています。すぐに連絡をいたしますので、少しだけお待ちください」
10分後、黒のメイド服を着たノアールが姿を見せる。
「あなたが0の少女だったのですね。この前は挨拶できずに申し訳ありません」
ノアールとは氷結座敷で一度会ったことがある。しかし、ノアールは氷結座敷の氷河が溶けている事に驚いて、私とはきちんと挨拶も会話もしていなかったが、私のことはちゃんと覚えていた。
「いいのよ。あの時はバタバタしていたからね」
「ありがとうございます。あの後、王国魔導技師たちが、とある冒険者が持ってきてくださった素材と魔石を調合して作った魔道具によって、ブランシュ王女殿下の呪いは完全に解除されました。しばらくは、体調を回復するためにゆっくりと休んでいましたが、今は、元気になって魔法の鍛錬に明け暮れる日々を送っています」
「そうなんだ。元気になってよかったですね」
私は心の底から喜んでいた。
「生きる希望を失い欠けていたブランシュ王女殿下を勇気づけてくれたのはあなたです。元気になったブランシュ王女殿下は、ぜひとも、あなたに再度お礼を告げたいと申していますので、ご案内いたします」
私はノアールに連れられてブランシュの元へ行く。
「ここがブランシュ王女殿下の部屋になっています。ブランシュ王女殿下はハツキさんと2人っきりで話したいと申していましたので、ここからは1人でお入りください」
私はゆっくりと大きな扉を開いた。
「ハツキちゃん会いたかったわ」
扉を開けるなりブランシュが私の胸に飛び込んできた。
「見て!こんなに元気になったのよ」
ブランシュは私を抱っこしてくるくると回転する。
「目が・・・目が回るよぉ~」
「ごめんなさい。ハツキちゃんに会えて嬉しくてちょっと調子にのっちゃったわぁ~」
ブランシュが舌を出してニコリと笑った。
「地球が回っているよぉ~」
私は足をふらつかせながら右往左往する。
「地球???何を言ってるのハツキちゃん」
「いえいえ、ちょっと目が回って脳がちゃんと機能してなかったみたいだわ」
「そうなんだ。ハツキちゃん、手紙を出してすぐに来てくれるなんて嬉しいわ」
「暇だったので、遊びに来ちゃいました」
「暇だったの?ハツキちゃんは冒険者だよね。プリンツちゃんと一緒に魔獣退治はしないのかな?」
「アイリスさんに頼まれて素材を取りに行ったりしたけど、プリンツちゃんが全て退治するから暇だったわ」
「この辺りはDランク以下の魔獣しか生息していないから、黒の怪物のプリンツちゃんなら楽勝よね。でも、モォーモォー山にはCランク以上の魔獣が生息しているから危険よ。絶対に近寄らない方がいいわよ」
「モォーモォー山・・・すごく怖そうな山ですね!」
プリンツは山の名前を私に説明してくれていたが、私はきちんと聞いていなかったので山の名前は知らなかった。
「そうなのよ。モォーモォー山にはAランク魔獣もいるから、いくらプリンツちゃんでも大変だと思うわ。特に暴走キングの牛牛王、大食漢のホワイトスネークキング、恐怖の大王ビックダイガーライオン、破壊王のマンモスグマ、このモォーモォー山の4巨頭に出会ったら死を覚悟しなければいけないと本に書いてあったわ。『青天の霹靂』、『恒河者』でもあの山は避けて通ると聞いているわ」
「そうなんだ。絶対にモォーモォー山に行かないと宣言しま~す」
いくら怪力で頑丈な体を持っている私でも危険なのではと感じてしまった。
「それがいいと思うわ。ハツキちゃんは魔力量が0なんだから無茶したらダメよ!」
「はぁ~い」
「そうだわ。今日はそんな話をするために呼んだんじゃなかったわ。私、ちゃんとしたお礼をしていないから、ハツキちゃんとプリンツちゃんに渡したいものがあるのよ」
「そんな、お礼なんていらないわよ」
「でも、火炎竜王の鱗に英雄ランクの魔石をタダでもらうわけにはいかないわよ」
「プリンツちゃんが私にタダでくれたので問題ないわ」
火炎竜王の鱗と英雄ランクの魔石はプリンツがくれた事にしている。
「私にはわかっているわ。プリンツちゃん1人で火炎竜王の鱗と英雄ランクの魔石を入手できないってことを。おそらくヴォルフロードの力を借りて、手にしたのでしょう。いくら、魔力奴隷になったからといって、黒の厄災の王の宝を無償でハツキちゃんが譲り受けたなんて信じられないわ。ハツキちゃんは・・・ハツキちゃんは、魔力奴隷以上の過酷な契約をしたに違いないわ!」
「そ・・・そんなことないわよ!プリンツちゃん、プリンツちゃん、ポケットから出てきてブランシュちゃんに説明してよ」
プリンツは疲れてぐっすりと眠っていたので、わたしの声は届かなかった。
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