ホーボー・ホーボー魔導具を巡る冒険

アトアン・グリューゼン

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目覚め

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 ベッドの上でアンリは目を覚ました。

「……っ!あっ!?」

 意識があり、目が開いているのにも関わらず、全身が上手く動かせない……落ち着いて指先から少しずつ身体を動かしていく。

「頭がガンガンする……身体の感覚もなんか変だ……」

 ……視線を横に向けると栗毛の女が裸で眠っていた。

「……え?」

 栗毛の女が目を開ける。

「お目覚め?……融合体から上手く分離出来たみたい……わたしはもう少し楽しんでもよかったけど」

 ……手足が段々と動くようになってきたアンリはゆっくりと少しづつ身体を動かし始める……不意に身体に違和感を覚え、自身の身体に目をやる。

「え?……え?……女の身体になってる……なんだこれ」

 ルーネはアンリへ身体を寄せ背後に回ると、女性の身体に変容したアンリの横乳、下乳、腰、太腿、ふくらはぎを優しく撫でまわしていく。

「ちょ、やめろ!」

 アンリはルーネを引きはがす。

「えー?少しぐらいいいじゃない」

「……手つきがいやらしい」

「フフフ……そんなことないわよ……あっ……」

 突然、ルーネが顔を赤らめる。

「乳首が熱い……ムズムズする……あ……あ……」

 ルーネの太腿の淵術刻印が淡い光を放ち、彼女の胸が少し膨らんだあと、徐々に萎んでいく……同時にアンリの腹部が脈動し、胸がより膨らみをましていく。

「はあ……はあ……魔力が吸い取られるこの虚脱感……いいわぁ……」

 ルーネはアンリの胸に顔を埋める。

「あったかくてふかふかして気持ちいい……」

「ちょ、離れろって」

「いいじゃない、わたしの魔力を吸って大きくなったんでしょ」

 ルーネはアンリの腹部を撫で、変容したアンリの身体をじっと見つめる。

「綺麗な身体……羨ましいわ……」

 ……ルーネの太腿と背中の淵術刻印が妖しく輝き、彼女の灰色の瞳が金色に変化する。

「そういえば、さっき師匠に聞いてみたけど、ヴィルジニーさん、まだ意識が戻ってないみたいね」

「……ヴィルジニー……??ああ……」

「まだ、完全に目が覚めてないの?頭がボーっとしてる?」

「……ん……ああ……いや……まだ頭がボーっとするな……」

 ルーネはベッドから立ち上がると小瓶を手に取り、中の液体を飲み干した。

「……んっ、んっ……」

 萎んでいたルーネの胸が元の大きさに戻り、彼女は術式の刻まれた上下の下着を身に着けていく。

「わたしが見繕っておいた可愛いブラとショーツがあるから使ってみて、魔力増強と魔力制御もできて、装着者の体系に合わせてくれる複合術式の刻まれた下着だから……身体の奥から魔力がドバドバ湧いてきて凄いわよ」

 ルーネは机の上を指さした。

「しばらくしたら、わたしの魔力が抜けて元の身体に戻ると思うけど、それまで女の身体を楽しんでね、アンリ……それから知ってると思うけど、妊娠したら男の姿に戻れなくなるから気をつけてね」
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