女の子がデカい武器振り回すのは好きですか?

John Smith/ジョン スミス

文字の大きさ
24 / 35

23

しおりを挟む
 映像が終わった。
「さてさて、以上が第二世代が試験導入された初期の、私のお気に入りのエピソードなんだけど」
「うわぁ、懐かしいなぁ。動きも拙くてモヤモヤする」
「いやいや、時雨様を援護した時なんかはいまの真昼様を彷彿させたわい」

 明るくなる資料室。映像の途中で百由がたびたび映像を止めて解説してくるので、本来の時間の倍以上の時間がかかっていた。

「でしょ? 戦時雪は一日にしてならず、なんだよ?」
「まぁ第一世代の長所はわかったの。安価で、量産できて、硬い」
「そうそう! 何も威力や可変速度だけが戦術機を優秀と決定づける要因じゃないわけよ!」
「しかしな、今目の前に第一世代と第二世代があって、どちらを使いますか? と言われたら第二世代じゃろう? 第一世代は局所的に有用なのであって、やはり優れているのは第二世代じゃ」
「確かに第二世代は優れた性能を持っているわ。人類がデストロイヤーに立ち向かうために時間と技術と資金を費やして作られたものだもの。だけど、その過程で要らないものとして切り捨てられた性能が、必要になる場面もある。第一世代はまだまだ現役だわ」
「まぁ、事実第二世代は折れたらポンポン交換するなんて真似できるものじゃないからのぅ。その点で言えば確かに第一世代も現役か」
「わかってくれたようで嬉しいわ」

 真昼は二人が分かり合えたようで、ほっと一息ついた。

「良かった。これで仲直りだね」
「別に喧嘩してたわけじゃないけどね。じゃあ改めてエミリーリアちゃんも工房作り手伝うとしましょうか」
「おお、それはありがたい」

 エミーリアの工房に向かう二人。
 二人ともさっぱりとした性格らしく、先ほどの意見の対立は真剣だから熱くなってしまったのだろう。
 そんな二人を微笑ましく思いながら真昼も二人に続く。百由の部屋からエミーリアの部屋に持っていくのに有用そうなものを探している時、真昼は百由の部屋を通った時にある資料を見てしまった。

『第四世代・精神直結型戦術機について』

 真昼はGE.HE.NA.でその戦術機を使っている。使用者の負荷が重く、投薬と強化で耐えてあるが、実戦投入にはまだまだ長い時間がかかると言われている戦術機だ。
 それを百由は一人で作ろうとしている。一人の廃人を作ってもなお、まだ諦めきれずに研究を続けている。それは廃人にしてしまった親友への償いなのか、それともアーセナルとしての性なのか。

 それはわからない。

 だが、真昼は少し胸が痛むのを感じた。
 強化衛士となって、第四世代戦術機の負荷に耐えているが、それをなしで運用できるようにするのには、かなりの時間が必要だろう。
 強化衛士と、先程見た光景で思い出したが、そういえば時雨様も強化衛士だったな、と思い返した。

 強化衛士は『刻印』が刻まれる。肌に刻めるのだ。それを隠す為にお風呂に入る時や、肌を晒すのを避けていたことを思い出した。
 時雨は強化衛士になった経緯や、その心情は語らなかったが、誰にも知られないように立ち回っていたのは事実だ。

 夕立時雨はレアスキルがユーバーザイン(S級)という気配遮断と気配付与に加え、カリスマの戦意向上と攻撃防御強化を持っていた。また、彼女は強化衛士特有の後付けスキルとしてスキル強化があった。カリスマを強化することでラプラス並みの強度に高めて使用していたのだ。

 本人はラプラスと説明していたが、真昼はそれが本来のラプラスではないと知っている。ラプラスと同じ効果がある、という話だった。そんな大きな力を持って、孤独だった時雨の心を少しでも癒せたと真昼は信じている。

「真昼ー! これ運ぶの手伝って!」
「うん! わかった!」

 真昼は思考を振り切って二人を手伝った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

最弱スキル《リサイクル》で世界を覆す ~クラス追放された俺は仲間と共に成り上がる~

KABU.
ファンタジー
平凡な高校生・篠原蓮は、クラスメイトと共に突如異世界へ召喚される。 女神から与えられた使命は「魔王討伐」。 しかし、蓮に与えられたスキルは――《リサイクル》。 戦闘にも回復にも使えない「ゴミスキル」と嘲笑され、勇者候補であるクラスメイトから追放されてしまう。 だが《リサイクル》には、誰も知らない世界の理を覆す秘密が隠されていた……。 獣人、エルフ、精霊など異種族の仲間を集め、蓮は虐げられた者たちと共に逆襲を開始する。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

無自覚に世界最強だった俺、追放後にチートがバレて全員ざまぁされる件

fuwamofu
ファンタジー
冒険者団から「役立たず」と追放された青年リオ。 実は彼のスキル《創造》は、世界の理を作り替える最強の能力だった。 追放後、孤独な旅に出るリオは、自身の無自覚な力で人々を救い、国を救い、やがて世界の中心に立つ。 そんな彼の元には、かつて彼を見下していた美少女たちが次々と跪いていく──。 これは、無自覚に世界を変えてしまう青年の、ざまぁと覇道の物語。

『【朗報】ボッチの僕、実は世界一の財閥の御曹司だった。〜18年の庶民修行を終えた瞬間、美少女11人が「専属秘書」として溺愛してくる件〜』

まさき
青春
「あんたみたいなボッチ、一生底辺のまま卒業ね」 ​学園の女王、高飛車な生徒会長、そして冷徹な美少女たち……。 天涯孤独でボッチな僕、佐藤(※苗字のみ使用)は、彼女たちからゴミを見るような目で見られ、虐げられる日々を送っていた。 ​だが、彼らには決して言えない秘密があった。 それは、僕が世界一の資産を誇る**『世界最強財閥』の唯一の跡継ぎであること。 そして、18歳になるまで一切の援助を受けずに生き抜く【庶民修行】**の最中であること。 ​そして運命の誕生日、午前0時。 修行終了を告げる通知がスマホに届いた瞬間、僕の世界は一変する。 ​「おめでとうございます、お坊ちゃま。これより『11人の専属秘書候補』による、真の主従関係を開始いたします」 ​昨日まで僕を蔑んでいた学園の美少女たちが、手のひらを返して膝をつく。 彼女たちの正体は、財閥が僕のために選りすぐった、愛が重すぎるエリート秘書たちだった――。 ​「ずっとおそばでお仕えしたかったんです……」 「昨日までの暴言は、修行を完遂させるための演技。今日からは全身全霊で甘やかさせていただきますね?」 ​24時間体制の過保護な奉仕、競い合うような求愛、そして財力による圧倒的なざまぁ。 ボッチだった僕の日常は、11人の美女たちに全肯定され、溺愛し尽くされる甘すぎる生活へと塗り替えられていく。

ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主

雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。 荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。 十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、 ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。 ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、 領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。 魔物被害、経済不安、流通の断絶── 没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。 新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。

処理中です...