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第一章.狂犬
隣の住人
しおりを挟む高校入学式のあの日から、1週間も熱で寝込んでしまい大事な高校デビューに出遅れてしまった。
小中と一緒の友達がいたためひとりぼっちになることはなくほっとするが、みんなよりもスタートダッシュは遅れてしまった感が否めない。
1週間ぶりの学校は緊張し、周りの子とは仲良くできるだろうかと心配する。
入学式ぶりに来た熱を出した残念な子なんて思われていそうだ。
そういえば、隣の席の人はどんな人だったろうか?
入学式の日も緊張しすぎて周りを見ている余裕などなく、ずっと心を落ち着かせるために窓の外に意識を持って行っていた記憶しかない。
入学式ぶりに座る窓際の1番後ろの席。本当にこの席の配置でよかったと思っている。
窓際の、それも1番後ろはあまり目立つこともなく、人の視線もあまり感じなくて済む。
ちらりと見た隣の席は、まだ誰も座っていなかった。隣の席の人とは、ちょっとでも仲良くなれるだろうか。話しやすい人だといいな。
隣の席の人に思いを馳せたのが1週間前。
そして1週間後の現在、私の隣の席の人には未だに会えていなかった…。
小中一緒の友達曰く、隣の席の人はどうやら不良というやつらしいです。
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