5 / 26
序章
第4話 獣の少女
しおりを挟む
「さて、これからどうしようかしら…」
野原のような場所に降り、そこで停車しているアースノアの食堂車にて、俺らはマリナ姐さんが入れてくれた紅茶を飲みながら、この世界での方針を話し合っていた。
「私の世界のように、さっさと次元跳躍ってやつすればいいんじゃないの?」
息を吹きかけて紅茶を冷ましていたノアは、次の世界への次元跳躍を提案する。
「それもいいけど、アースノアは今、食料や資材が不足しているのよ…人も増えたし、少しでもいいから食料か資材を揃えないと…」
マリナ姐さんは紅茶を飲みながら、ノアにアースノアの現状を伝える。
「なんでそうなってるの…?」
不思議そうな顔をしながら、ノアは俺を見つめてくる。
「ノアの世界に来る前に、アースノアの食料や資材を使う機会があってな…それ以降まともな補給が出来てないんだ」
ノアに食料と資材がない理由を説明する。
まぁ、紅茶だけは何故か常備されてるけど…
「まぁ、どちらにせよ。暫くは機関の点検で動けないから、その間に探索するとしよう」
飲み終えたカップを皿の上に起きながら、俺は食料並びに資材集めのため、探索を行うことにした。
「じゃあ、列車はギアノイド達に任せて、私達とネプチューンで探索と行きましょ」
「ですね…では、最後尾に行きますか」
「最後尾…?」
探索を行うため、俺達は最後尾にある収容車に向かった。
○
「お待ちしておりました!」
収容車に辿り着くと、ギアノイドのネプチューンが出迎えてくれた。
「出発する準備は既に整ってます!」
車内の中央には、赤色の五人乗りの多機能型探査機であるレッドの姿があった。
「今回、レッドはキャタピラカスタムに仕上げております!」
ネプチューンの言う通り、レッドの足はキャタピラ仕様になっていた。
「それじゃあ、探索を始めるか」
運転席にネプチューンが、助手席に俺、後部座席にはマリナ姐さんとノアが乗り込んだ。
「多機能型探査機レッド、発進します」
車両内にサイレン音が鳴り響き、車両の側面にあるハッチが開く。そしてレッドは、そのまま台に乗ったまま、外にスライドして出て、そのまま地面に降り立った。
「それでは、運転を開始します」
ネプチューンの運転で、レッドは紫色の森に向けて動き始める。
「はぁー…すごーい…」
レッドがキュラキュラとキャタピラの音を響かせる中、目を輝かせてノアは外を眺めている。
黒焦げた大地しか見ていなかったノアにとって、この光景は異様だか新鮮なのだろう。
「ネプチューン、大気問題はないか?」
「はい。現在、大気中に有害な成分は確認されていません」
「それなら、特殊服の装着は必要なさそうだな」
ネプチューンの報告を受け、俺は後ろに積んでいた人数分の特殊服を見ながら話した。
特殊服はあらゆる環境から人を守れるように作られている作業服で、簡単に言えば宇宙服の上位互換だ。
「さて、何か食料になりそうな物は~…」
目を凝らして食料を優先的に探す。
食料を探していると、
「待ってあそこ!」
ノアが何かを見つけたようで、ネプチューンはレッドをその場で停車させた。
「おい待て!」
レッドが停車するや否や、ノアは俺の静止を無視してレッドから飛び出し、紫色の森の中へと走り始めた。
「元気一杯ね」
マリナ姐さんは微笑ましそうにノアのことを見ているが、悠長にしている余裕は無い。
街中ならまだ良いが、ここは未知の森だ。何があるか分からない以上一人で向かうのは危険だ。
「マリナ姐さんはネプチューンと共に、ここに残ってください!俺が向かいます!」
レッドのことをネプチューンとマリナ姐さんに任せ、俺はノアの後を追った。
「大丈夫!?ねぇ!?」
武器を身構えながらノアが向かった方向に向かうと、そこにはノアと地面に倒れ込んでいる子供の姿があった。
しかし、その倒れ込んでいる子供の姿は、普通の人間の姿とは違っていた。
頭は鬼のような2本の角が、背中からは龍のような翼が、両手は身体の大きさに似合わないほどデカくゴツイ上に鋭い爪が備わっており、更に太くゴツイ尻尾が生えいる。
竜人の少女と呼んでよいだろう。
「龍介どうしよう!この子、酷い怪我だよ!」
「見せてみろ…」
ノアに言われ、俺は少女の容態を確認した。
少女の身体には、無数の切り傷や内出血している場所などがあった。このまま放置すれば、少女は確実に死亡するだろう。
「アースノアに連れて帰るか…」
「早く連れて帰ろ!」
流石に見過ごせなかったため、ノアに急かされながら俺は少女を背負って、マリナ姐さん達と合流するためにレッドに戻った。
○
「あらおかえり」
少女を背負ってレッドに戻ると、マリナ姐さんが何種類かの果実をネプチューンと共に、レッドに乗せていた。
「マリナ姐さん、怪我人を拾ったから、至急アースノアに戻りますよ」
「わかったわ…ネプチューンお願い」
「了解」
状況を把握したマリナ姐さんは、食料集めを中断してネプチューンと共に車に乗り込んだ。
俺らも少女を後部座席の真ん中に座らせ、レッドに乗り込んだ。
「出発します」
ネプチューンは皆に一言かけ、アースノアに向けてレッドを発進させた。
野原のような場所に降り、そこで停車しているアースノアの食堂車にて、俺らはマリナ姐さんが入れてくれた紅茶を飲みながら、この世界での方針を話し合っていた。
「私の世界のように、さっさと次元跳躍ってやつすればいいんじゃないの?」
息を吹きかけて紅茶を冷ましていたノアは、次の世界への次元跳躍を提案する。
「それもいいけど、アースノアは今、食料や資材が不足しているのよ…人も増えたし、少しでもいいから食料か資材を揃えないと…」
マリナ姐さんは紅茶を飲みながら、ノアにアースノアの現状を伝える。
「なんでそうなってるの…?」
不思議そうな顔をしながら、ノアは俺を見つめてくる。
「ノアの世界に来る前に、アースノアの食料や資材を使う機会があってな…それ以降まともな補給が出来てないんだ」
ノアに食料と資材がない理由を説明する。
まぁ、紅茶だけは何故か常備されてるけど…
「まぁ、どちらにせよ。暫くは機関の点検で動けないから、その間に探索するとしよう」
飲み終えたカップを皿の上に起きながら、俺は食料並びに資材集めのため、探索を行うことにした。
「じゃあ、列車はギアノイド達に任せて、私達とネプチューンで探索と行きましょ」
「ですね…では、最後尾に行きますか」
「最後尾…?」
探索を行うため、俺達は最後尾にある収容車に向かった。
○
「お待ちしておりました!」
収容車に辿り着くと、ギアノイドのネプチューンが出迎えてくれた。
「出発する準備は既に整ってます!」
車内の中央には、赤色の五人乗りの多機能型探査機であるレッドの姿があった。
「今回、レッドはキャタピラカスタムに仕上げております!」
ネプチューンの言う通り、レッドの足はキャタピラ仕様になっていた。
「それじゃあ、探索を始めるか」
運転席にネプチューンが、助手席に俺、後部座席にはマリナ姐さんとノアが乗り込んだ。
「多機能型探査機レッド、発進します」
車両内にサイレン音が鳴り響き、車両の側面にあるハッチが開く。そしてレッドは、そのまま台に乗ったまま、外にスライドして出て、そのまま地面に降り立った。
「それでは、運転を開始します」
ネプチューンの運転で、レッドは紫色の森に向けて動き始める。
「はぁー…すごーい…」
レッドがキュラキュラとキャタピラの音を響かせる中、目を輝かせてノアは外を眺めている。
黒焦げた大地しか見ていなかったノアにとって、この光景は異様だか新鮮なのだろう。
「ネプチューン、大気問題はないか?」
「はい。現在、大気中に有害な成分は確認されていません」
「それなら、特殊服の装着は必要なさそうだな」
ネプチューンの報告を受け、俺は後ろに積んでいた人数分の特殊服を見ながら話した。
特殊服はあらゆる環境から人を守れるように作られている作業服で、簡単に言えば宇宙服の上位互換だ。
「さて、何か食料になりそうな物は~…」
目を凝らして食料を優先的に探す。
食料を探していると、
「待ってあそこ!」
ノアが何かを見つけたようで、ネプチューンはレッドをその場で停車させた。
「おい待て!」
レッドが停車するや否や、ノアは俺の静止を無視してレッドから飛び出し、紫色の森の中へと走り始めた。
「元気一杯ね」
マリナ姐さんは微笑ましそうにノアのことを見ているが、悠長にしている余裕は無い。
街中ならまだ良いが、ここは未知の森だ。何があるか分からない以上一人で向かうのは危険だ。
「マリナ姐さんはネプチューンと共に、ここに残ってください!俺が向かいます!」
レッドのことをネプチューンとマリナ姐さんに任せ、俺はノアの後を追った。
「大丈夫!?ねぇ!?」
武器を身構えながらノアが向かった方向に向かうと、そこにはノアと地面に倒れ込んでいる子供の姿があった。
しかし、その倒れ込んでいる子供の姿は、普通の人間の姿とは違っていた。
頭は鬼のような2本の角が、背中からは龍のような翼が、両手は身体の大きさに似合わないほどデカくゴツイ上に鋭い爪が備わっており、更に太くゴツイ尻尾が生えいる。
竜人の少女と呼んでよいだろう。
「龍介どうしよう!この子、酷い怪我だよ!」
「見せてみろ…」
ノアに言われ、俺は少女の容態を確認した。
少女の身体には、無数の切り傷や内出血している場所などがあった。このまま放置すれば、少女は確実に死亡するだろう。
「アースノアに連れて帰るか…」
「早く連れて帰ろ!」
流石に見過ごせなかったため、ノアに急かされながら俺は少女を背負って、マリナ姐さん達と合流するためにレッドに戻った。
○
「あらおかえり」
少女を背負ってレッドに戻ると、マリナ姐さんが何種類かの果実をネプチューンと共に、レッドに乗せていた。
「マリナ姐さん、怪我人を拾ったから、至急アースノアに戻りますよ」
「わかったわ…ネプチューンお願い」
「了解」
状況を把握したマリナ姐さんは、食料集めを中断してネプチューンと共に車に乗り込んだ。
俺らも少女を後部座席の真ん中に座らせ、レッドに乗り込んだ。
「出発します」
ネプチューンは皆に一言かけ、アースノアに向けてレッドを発進させた。
10
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる