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無防備な神子
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一方セイは、マナトと別れマクシミリアンの詰めている書庫に向かった。
教会に溜まった膿を吐き出させるべく、今の材料に加えて過去の資料を漁っているのだ。
それがなかなかに難航しているらしく、ここ数日はずっと書庫の住人でいるらしい。
セイもそのことに関しては責任を感じなくもないので、刺繍も一段落付いたし手伝いを申し出たのだが、すげなく断られてしまった。
こと教会関係のことについては、もうマクシミリアンはセイにタッチさせるつもりはないらしい。
(まったく、マクシミリアン様は意地っ張りなんだから。僕これでも大学生だったんだよ?調べ物なんか得意中の得意だし、絶対役に立つのにさ)
その時のことを思い出してセイは口を尖らせたが、こればかりはそういう問題ではないのだろうということも頭では理解していた。
だからこそ、こうしてマナトと一緒に差し入れを用意してきたのである。
直接手伝いは出来なくても、せめて労いぐらいはしてやりたい。
書庫には以前マナトに持たせる聖水を作る作るために行ったことがあった。
あの時もマクシミリアンに手伝ってもらったのだと、セイは懐かしく思い出す。
まさかあの時の聖水が、巡り巡って自分を成長させてしまうとは、あの時は思ってもみなかった。
(あの時は便利に使えるバカ王子だと思ってたけど、それがわさわざこんなの作っちゃうまでになるなんてなぁ)
お互い本当の自分というものを明かしていなかった時の話だ。
今思えば、あの『狙ってます』アピールの媚び全開だったマクシミリアンは本当に気色悪い。
それをあしらっているつもりでいた自分も噴飯ものの恥ずかしさなので、敢えてそこを蒸し返すつもりは毛頭ないが、たった2ヶ月程度でも懐かしさはある。
「セイ様、バスケットをお持ち致しましょうか?」
リリアンの申し出に、セイは首を横に振った。
こんな軽いバスケットをわざわざ女性に渡すほど落ちぶれていない。
「大丈夫だよ、リリアン。これぐらいなら軽いし」
「そうですか?やっぱり大きくなられると違いますね」
リリアンは召喚された当初からセイに付いていた世話係だったため、成長前のセイをよく知っている。
あの頃は割と奔放に見えるよう可愛らしい我儘を沢山言っていたし、メイドたちもよく使っていたと思う。
自分では何も出来ないと思わせていた方が万一の時にガードが緩むと思っていたからなのだが、あれも指摘されるとなかなか恥ずかしい黒歴史である。
「まあね、だからか弱い女性に荷物を持たせたりしないよ」
「まあ!セイ様ったら」
セイは必要以上に自分を神子として扱わないリリアンを気に入っていた。
自分に向けられる好意は感じるが、邪念も下心も見受けられない。
マナトにも変わらず優しいし、信頼の置けるお姉さんといった感じだ。
リリアンは頼れるメイドらしく書庫の前に控える護衛達に声がけをした。
「セイ様がマクシミリアン殿下に差し入れをお持ちです。お取次ぎをお願い致します」
マクシミリアンの護衛は、さすが主の擁する神子のことは認知していた。勿論、セイにかねてより仕えているリリアンとも面識がある。
『ははっ』とセイに一礼をして、1人は主に取次をすべく書庫の中に消えていった。
ほどなくして許可が降り、セイは書庫への入室を許される。
本来ならば書庫内での飲食は厳禁なのだが、そこは神子と王族の特権で黙殺されていた。
「……こちらに」
マクシミリアンは、書庫の奥にある資料室に詰めているらしい。
案内をしてくれたのはセイも見知った侍従の男である。名はアルヴィンと言う。
基本的に無口な彼は多くを語らないが、主には忠実な男だ。腰に下げた剣は重そうで、護衛としても相当な実力があることを伺わせる。
マクシミリアンはライオネルよりもいささかスレンダーで、貧弱ではないもののそこまで実用的な筋肉の付き方をしているわけではない。
剣の腕前も今のセイよりは少し強いが、経験の差というところが大きく、恐らく真面目に鍛錬すればセイが完全にマクシミリアンを打ち負かす日もそう遠いことではないだろう。
それだけに、仕える侍従にも主人を守れるだけの強さが必要だった。
「マクシミリアン様、いつからここに閉じ籠もってるの?」
セイに尋ねられて、アルヴィンは振り返る。
諸悪の根源でありながら悪びれないセイに、ほんの一瞬だけ物言いたげな視線をくれたが、口を開くことはなかった。
幼い頃からの学友でもあるアルヴィンは、マクシミリアンの気質をよく理解している。
あの何事につけ波風を立てないことを優先する幼なじみが、デコピンをくれた神子だ。
マクシミリアンはセイが危険を省みず無茶を仕出かしたことが相当腹に据えかねたのだろう。
セイは主に負担を強いている元凶ではあるが、マクシミリアンがそうしてやろうと思うほどの相手であることは間違いない。
主人の体調は心配だが、わざわざセイを責めて激務に耐えているマクシミリアンの男を下げることもないとアルヴィンは思った。
「本日は朝方の5時からこちらに詰めておいでです」
淡々と事実だけを述べたアルヴィンに、セイは『うへぇ』と顔を歪める。
確かに種を蒔いたのは自分だが、何故そこまで焦る必要があるのか。
今は誕生日を控えた忙しい時期だろうに、わざわざ無理をしてまで解決を急ぐ理由がわからない。
「なんでそんな根詰めるかな。そこまで急ぐ案件でもないと思うけど」
セイが動く意志がない以上、あの取引は成立しない。神子無しで計画を進められるようであれば、今頃とっくに教会は王家を食い尽くしていたはずだ。
思ったことをそのまま口に出したセイに、アルヴィンはほんの少し眉を動かした。
「それだけマクシミリアン様はこの件を重要視しているということでしょうね」
「ふぅん」
真面目なマクシミリアンらしい、とセイは気のない返事を返した。
アルヴィンは意図を正確に伝えられなかった自分の口下手を残念に思ったが、それ以上言葉を重ねることはしない。
あの案件を放置しておいて一番危険に晒されるのは、王家ではなくセイなのだ。
この計画はセイがいなければ動かないが、逆に言えばセイさえその気にさせることができれば再び動き始める。
それがセイの自由意志であろうが、卑劣な手段を用いて無理矢理頷かせたものであろうが、教会の連中にとっては大した違いはない。
そのあたりのことを、セイが自覚しているようには思われなかった。
(これは、護衛を増やすよう進言したほうがいいかもしれんな)
ある程度の自衛手段を持つセイではあるが、それだけにある意味マナトよりも危なっかしい存在とも言える。
マナトは非力だが、自分に身を守る術がないことを自覚している。
襲われることへの怖さや不安も感じているし、他人の悪意にも敏感だ。
だからこそ、護衛の言うことにも素直に従うし、行動も慎重だった。
そういう護衛対象は、守る側としては非常にありがたい。
厄介なのは、セイのように自尊心が高く、自立心旺盛な子供である。
先日の中庭での一件でも明らかなように、セイには複数で卑劣な手段を使われて尚相手をねじ伏せられる力はない。
しかし、大抵の悪人は複数で卑劣な手段を使うのが常なのだ。
あの事件以来、多少はその自覚を持ってもらえたようだが、異世界育ちの神子は未だこの世界の流儀を完全には理解していない。
しかし、こればかりは言葉で言い聞かせるのには限界がある。さりとて、この世界の血生臭さを間近で見せつけることなど出来るはずがなかった。
ゆえに、幼い神子はアルヴィンの主が何故早期に災厄の芽を摘むことに奔走するのか疑問に感じてしまうのだろう。
「マクシミリアン殿下、セイ様がいらっしゃいました」
「おー、適当に入れ」
軽いノックと共に声を掛けると、中からいかにもぞんざいな返事が返ってきた。
まったく、主も内心は嬉しいだろうに、こちらも厄介な性格である。
アルヴィンは心の中で軽いため息を吐きつつ、そっとドアを開いたのだった。
教会に溜まった膿を吐き出させるべく、今の材料に加えて過去の資料を漁っているのだ。
それがなかなかに難航しているらしく、ここ数日はずっと書庫の住人でいるらしい。
セイもそのことに関しては責任を感じなくもないので、刺繍も一段落付いたし手伝いを申し出たのだが、すげなく断られてしまった。
こと教会関係のことについては、もうマクシミリアンはセイにタッチさせるつもりはないらしい。
(まったく、マクシミリアン様は意地っ張りなんだから。僕これでも大学生だったんだよ?調べ物なんか得意中の得意だし、絶対役に立つのにさ)
その時のことを思い出してセイは口を尖らせたが、こればかりはそういう問題ではないのだろうということも頭では理解していた。
だからこそ、こうしてマナトと一緒に差し入れを用意してきたのである。
直接手伝いは出来なくても、せめて労いぐらいはしてやりたい。
書庫には以前マナトに持たせる聖水を作る作るために行ったことがあった。
あの時もマクシミリアンに手伝ってもらったのだと、セイは懐かしく思い出す。
まさかあの時の聖水が、巡り巡って自分を成長させてしまうとは、あの時は思ってもみなかった。
(あの時は便利に使えるバカ王子だと思ってたけど、それがわさわざこんなの作っちゃうまでになるなんてなぁ)
お互い本当の自分というものを明かしていなかった時の話だ。
今思えば、あの『狙ってます』アピールの媚び全開だったマクシミリアンは本当に気色悪い。
それをあしらっているつもりでいた自分も噴飯ものの恥ずかしさなので、敢えてそこを蒸し返すつもりは毛頭ないが、たった2ヶ月程度でも懐かしさはある。
「セイ様、バスケットをお持ち致しましょうか?」
リリアンの申し出に、セイは首を横に振った。
こんな軽いバスケットをわざわざ女性に渡すほど落ちぶれていない。
「大丈夫だよ、リリアン。これぐらいなら軽いし」
「そうですか?やっぱり大きくなられると違いますね」
リリアンは召喚された当初からセイに付いていた世話係だったため、成長前のセイをよく知っている。
あの頃は割と奔放に見えるよう可愛らしい我儘を沢山言っていたし、メイドたちもよく使っていたと思う。
自分では何も出来ないと思わせていた方が万一の時にガードが緩むと思っていたからなのだが、あれも指摘されるとなかなか恥ずかしい黒歴史である。
「まあね、だからか弱い女性に荷物を持たせたりしないよ」
「まあ!セイ様ったら」
セイは必要以上に自分を神子として扱わないリリアンを気に入っていた。
自分に向けられる好意は感じるが、邪念も下心も見受けられない。
マナトにも変わらず優しいし、信頼の置けるお姉さんといった感じだ。
リリアンは頼れるメイドらしく書庫の前に控える護衛達に声がけをした。
「セイ様がマクシミリアン殿下に差し入れをお持ちです。お取次ぎをお願い致します」
マクシミリアンの護衛は、さすが主の擁する神子のことは認知していた。勿論、セイにかねてより仕えているリリアンとも面識がある。
『ははっ』とセイに一礼をして、1人は主に取次をすべく書庫の中に消えていった。
ほどなくして許可が降り、セイは書庫への入室を許される。
本来ならば書庫内での飲食は厳禁なのだが、そこは神子と王族の特権で黙殺されていた。
「……こちらに」
マクシミリアンは、書庫の奥にある資料室に詰めているらしい。
案内をしてくれたのはセイも見知った侍従の男である。名はアルヴィンと言う。
基本的に無口な彼は多くを語らないが、主には忠実な男だ。腰に下げた剣は重そうで、護衛としても相当な実力があることを伺わせる。
マクシミリアンはライオネルよりもいささかスレンダーで、貧弱ではないもののそこまで実用的な筋肉の付き方をしているわけではない。
剣の腕前も今のセイよりは少し強いが、経験の差というところが大きく、恐らく真面目に鍛錬すればセイが完全にマクシミリアンを打ち負かす日もそう遠いことではないだろう。
それだけに、仕える侍従にも主人を守れるだけの強さが必要だった。
「マクシミリアン様、いつからここに閉じ籠もってるの?」
セイに尋ねられて、アルヴィンは振り返る。
諸悪の根源でありながら悪びれないセイに、ほんの一瞬だけ物言いたげな視線をくれたが、口を開くことはなかった。
幼い頃からの学友でもあるアルヴィンは、マクシミリアンの気質をよく理解している。
あの何事につけ波風を立てないことを優先する幼なじみが、デコピンをくれた神子だ。
マクシミリアンはセイが危険を省みず無茶を仕出かしたことが相当腹に据えかねたのだろう。
セイは主に負担を強いている元凶ではあるが、マクシミリアンがそうしてやろうと思うほどの相手であることは間違いない。
主人の体調は心配だが、わざわざセイを責めて激務に耐えているマクシミリアンの男を下げることもないとアルヴィンは思った。
「本日は朝方の5時からこちらに詰めておいでです」
淡々と事実だけを述べたアルヴィンに、セイは『うへぇ』と顔を歪める。
確かに種を蒔いたのは自分だが、何故そこまで焦る必要があるのか。
今は誕生日を控えた忙しい時期だろうに、わざわざ無理をしてまで解決を急ぐ理由がわからない。
「なんでそんな根詰めるかな。そこまで急ぐ案件でもないと思うけど」
セイが動く意志がない以上、あの取引は成立しない。神子無しで計画を進められるようであれば、今頃とっくに教会は王家を食い尽くしていたはずだ。
思ったことをそのまま口に出したセイに、アルヴィンはほんの少し眉を動かした。
「それだけマクシミリアン様はこの件を重要視しているということでしょうね」
「ふぅん」
真面目なマクシミリアンらしい、とセイは気のない返事を返した。
アルヴィンは意図を正確に伝えられなかった自分の口下手を残念に思ったが、それ以上言葉を重ねることはしない。
あの案件を放置しておいて一番危険に晒されるのは、王家ではなくセイなのだ。
この計画はセイがいなければ動かないが、逆に言えばセイさえその気にさせることができれば再び動き始める。
それがセイの自由意志であろうが、卑劣な手段を用いて無理矢理頷かせたものであろうが、教会の連中にとっては大した違いはない。
そのあたりのことを、セイが自覚しているようには思われなかった。
(これは、護衛を増やすよう進言したほうがいいかもしれんな)
ある程度の自衛手段を持つセイではあるが、それだけにある意味マナトよりも危なっかしい存在とも言える。
マナトは非力だが、自分に身を守る術がないことを自覚している。
襲われることへの怖さや不安も感じているし、他人の悪意にも敏感だ。
だからこそ、護衛の言うことにも素直に従うし、行動も慎重だった。
そういう護衛対象は、守る側としては非常にありがたい。
厄介なのは、セイのように自尊心が高く、自立心旺盛な子供である。
先日の中庭での一件でも明らかなように、セイには複数で卑劣な手段を使われて尚相手をねじ伏せられる力はない。
しかし、大抵の悪人は複数で卑劣な手段を使うのが常なのだ。
あの事件以来、多少はその自覚を持ってもらえたようだが、異世界育ちの神子は未だこの世界の流儀を完全には理解していない。
しかし、こればかりは言葉で言い聞かせるのには限界がある。さりとて、この世界の血生臭さを間近で見せつけることなど出来るはずがなかった。
ゆえに、幼い神子はアルヴィンの主が何故早期に災厄の芽を摘むことに奔走するのか疑問に感じてしまうのだろう。
「マクシミリアン殿下、セイ様がいらっしゃいました」
「おー、適当に入れ」
軽いノックと共に声を掛けると、中からいかにもぞんざいな返事が返ってきた。
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